ダラット郊外のチェイマット村にベトナムにある他のどのお寺とも似つかないド派手でユニークなお寺「霊福寺(リンフオック寺)Linh Phuoc Pagoda」がある。
陶器やビール瓶の破片を駆使して作られたモザイクが壁や柱に施され、大小ユニークな像が至る所にあり見る者を飽きさせない。ダラットに来るまではまったく知らなかった場所だが、ベトナムで訪れたお寺の中で1番印象に残っている。
お寺自体が完成したのは1950年だが、特に有名になったのは5代目の責任者が現在の姿にリニューアルした1990年から。
以前は普通のお寺だったらしいが5代目の責任者が何を思ったのか現在のド派手なデザインのお寺にリニューアルし、さらに新しく幾つか建物を建設。
一見ふざけてるように見えるお寺だが、至って真面目なちゃんとしたお寺。沢山の地元民が礼拝しにくる。
そんな霊福寺(リンフオック寺)の中でも有名なのが、ベトナムで1番大きい鐘とビールの空き瓶12,000本を使って作ったモザイクが施された49メートルにも及ぶ曲がりくねった龍。それ以外にも見どころが沢山あり、さらに至る所に細かい装飾が施されていて見応え充分だ。
広いメインの祭壇には黄金に輝く釈迦牟尼の像があり背後を電飾で飾り神々しさを演出している。日本人の感覚からするとちょっとおかしいがベトナムでは一般的。
ダラットで1番高い建物とされている7階建ての塔。建物の壁、天井、柱の装飾のほとんど全てに陶器やガラスの破片のモザイクが施されていて驚く。「Ve Chai(ガラスボトルの欠片)」なんてあだ名がついているほど。
塔は上に登ることができ、龍をかたどった階段を登っていくとそこにも美しいモザイクがそこら中に施され、ブッタの生い立ちを表しているものも。
7階建ての塔の2階にはベトナムで1番大きい鐘があり、高さ4.3m、直径2.3m、重さ8.5トン。熟練の職人たちが1年かかって製作した代物。その鐘にはたくさんの紙が貼ってあり、訪れた人はその黄色い紙に願いを書き、鐘を3回鳴らすとお釈迦様に願いが届くと言われている。
塔の横には高さ18mの菩薩の像。菩薩像は60,000ものドライフラワーがついている。一見少し気持ち悪いが実際に見てみると圧巻。
別の建物に入るとこちらにも巨大な黄金のお釈迦様。部屋の隅々まで見事なモザイクが施されている。お釈迦様の後ろ側にはお坊さんの像があり、高名なお坊さんなのだろう。熱心に礼拝をしている現地の人がいた。
地下もあり、心地よい自然の音とお経の音が流れている翡翠の仏像が並んだエリアが。物販コーナーもあり手頃なものから高価なものまで色々販売。
さらに地下へ降りる入り口、「地獄めぐり」。まさにアミューズメントパーク!
ベトナム語の説明のみで、普通っぽいお坊さんがいる理由は分からないが、こういった地獄の世界をしばらく覗くことができる。
筆者たちはレンタル・スクーター(1日約1,000円くらいだった)借りてツーリングがてら行った。ダラット駅(Dalat railway station)から観光列車で行くことも可能。停車駅は「チェイマット駅」ひとつなのでとっても簡単。駅からは歩いて約3分。
しかし列車の場合、停車時間が30分しかないので、急いでみて回らないといけない。それだとしっかり見れないので筆者はレンタル・スクーターで行くのをお勧めする。
住所:At the end of Trai Mat St, Da Lat 61000, Vietnam
日本ではまだ有名ではない「霊福寺(リンフオック寺)」だが欧米人には人気のようで、たくさんの観光客と地元の参拝者で賑わっていた。モザイクや装飾、彫刻は見事で、見応えも充分。
ベトナムにある他のお寺とは一線を画するユニークなお寺はダラットに行った際には是非訪れて欲しい場所のひとつだ。