バンコク・エメラルド寺院周辺に昔からいるらしい有名な詐欺にまんまと引っかかってしまったのでその詐欺の手口をここでシェアさせて頂く。
お昼前くらいにエメラルド寺院に行こうと歩いているといきなりタイ人のフレンドリーなおっさんに話しかけられる。「どこからきたのか?」「タイには何日いるのか?」などしばらく普通の世間話が続く。そして「今日は王族がセレモニーをやっていてエメラルド寺院は15時まで入れないよ。」なんて言ってくる。
この言葉がキーワード。詐欺の始まりである。
この段階では誰も男の言うことを信じないだろう。
まだしばらく他愛のない会話が続き、「今日はタイでは特別な日で、何かを買っても税金がかからない1年で1度しかない日。しかもトゥクトゥクも観光客を乗せて案内するとガソリンクーポンが貰えるので格安でバンコク市内を案内してくれるよ。」
そうなの?なんて半信半疑で聞いていると、「私がトゥクトゥクドライバーと交渉してあげよう。エメラルド寺院に入れるようになるまでの間に幾つかお勧めの場所を教えてあげる。それを全部回って30バーツ(約100円)でどう?」なんて言ってくる。
破格である。
お勧めの場所の中にツアリスト・インフォメーションなども入っていたが、今回の旅は特にそういったところに頼むことは考えていなかったので、行く必要ないと伝え、本当にトゥクトゥクで色々回って貰って30バーツならかなりお得ではないか。と少し思ってしまった。
ここではまだこのおっさんを疑っていたが、近くにたむろしていたドライバーと交渉(のフリ)をして、いかにも人の良さそうなドライバーを1人連れてきた。
このおっさんがボッタクリのドライバーだと思っていた筆者たちは昼間だし、どう揉めても最終最後30バーツしか払わなければ良いかとトゥクトゥクに乗り込んでしまった。
その後、本当にトゥクトゥクドライバーは色々な所に連れて行ってくれた。あまりにも観光地観光地しているところが好きではない筆者たちは観光客があまりいない寺院をいくつか楽しんだ。
いくつかの寺院のひとつにラッキーブッダなるものがあった。その寺院にたまたま居た人と挨拶を交わし少し会話をしていると「今日は1年に一度の税金がかからない日だから何か買い物したらどうかね?例えばスーツとか着ないの?タイのオーダースーツは質が良くて安いよ。」
その後の雑談を適当にあしらい、その場はそれで終わりトゥクトゥクに再度乗り込んだ筆者はたまたま会った人にあのおっさんと同じことを言われたので、そこで騙されやすい筆者はまんまと信じてしまった。
次に連れて行かれたのがツアリスト・インフォメーション。今後のタイでの旅程がまったく決まっていなかった筆者たちは、軽い相談のつもりで入ってみた。中に入るととても感じの良いアメリカ系タイ人のとても流暢な英語を使う男に迎えられた。「今日は何のようだい?バンコクの後は何処に行きたいの?タイには何日いるんだい?」なんてとても感じ良く話してきた。
プランが特に決まってない旨を伝えると、「ハハッ!そうなんだ。ではどんな所にいきたいんだい?」と聞いてくる。アユタヤ遺跡にいきたいな。と言うと「ハハッ!アユタヤ遺跡は日帰りで行けるよ。他には?」
壁にある写真を見て適当にジャングルと海が行けたらいいなー。と答えると「任せてくれ。」さっさと筆者たちと相談しながらアユタヤ遺跡とジャングルと綺麗な海の手配をとても手際よくしてくれた。
ツアリスト・インフォメーションを使用するつもりは全くなかったが、男の手際と感じの良さと”今日なら税金がかからない”と言う散々刷り込まれた言葉によってまんまとそこでクレジットカードを切ってしまった。
その後また寺院を周り今度はオーダーメイドスーツのお店に。旅の最中であろう来年の8月に友人の結婚式がフィンランドで控えている筆者は、「今日は税金もかからないし、買ってしまえ。フィンランドまで郵送してくれるみたいだし。」と多少胡散臭い感じはした店なのだが、まんまとオーダーしてしまった。
その後、ひとつふたつ寺院に行き約束の30バーツ払ってホテルに戻った。今思うとバカみたいだが数日後に何気なくツアリストインフォメーションの情報をgoogle検索するまでは騙さたままだった。
ラッキーブッダなるものも偽物。ラッキーブッダ以外の寺院はどこでも良くて、ラッキーブッタには仕込んだ”たまたま居た人”にあわせる為に必ず連れて行くのだろう。トゥクトゥクドライバーはお店やツアリストインフォメーションに客を連れて行くとガソリンクを満タンにしてくれるらしい。
なぜ疑わなかったかの大きな理由は、勧められたジャングル(Khao Sok)と綺麗な海(Ko Lanta)両方とも大変素晴らしい場所だったことだ。自分たちでは絶対にたどり着けなかった。
詐欺に気づいたその日は怒りでこみ上げてきたが、翌日冷静になって考えてみると、客引きのやり口は汚いが、やっていることは日本の旅行代理店と一緒である。
お客が欲しがっているものを理解し、旅程を組み、手配し、手数料を貰う。
ツアリスト・インフォメーションも素晴らしい場所の手配の手数料と考えれば、ひっかかったこちらもバカだったと納得できる金額だ。
スーツ屋も激しくはボッタクリしない。しかもオーダーの翌週にはもうフィンランドについている。友人曰く良いスーツに見えるらしい。このあたりのさじ加減が長年ボッタクリをしていても廃業しないで済むコツなのかもしれない。
やはりあちらから親切そうに話しかけてくるやつにはろくなやつはいない。初めのおっさんなんて「観光に来た人がタイを気に入ってくれたら私達が海外に行った時には良くしてもらえる。」なんてほざいていた。筆者ほど騙されやすい人はあまりいないかも知れないが、バンコクに行く時には気をつけて欲しい。
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自分も全く一緒な手口に引っかかりました。「今日はブッダの日だから寺はやってないよ」という文言から、ラッキーブッダ、ツーリストインフォメーション、スーツまで全く同じ流れでした。
自分の場合はスーツには行かず、ツーリストインフォメーションでチェンマイまで手配してもらったのですが、ピックアップや飛行機、宿泊、食事まで全部込みの値段だと考えれば、日本の旅行会社と同じくらいかな、と思いました。
自分バカだなーと思いますが、値段以上の経験をして取り返したいと思います!笑
怖いですよね〜。警戒するって大切ですよね。何人かに事実確認するとか・・・
海外の経験って本当に学びになります。