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“The Travel Story 26” -共存する町-【メルボルン オーストラリア 2】

 キャンプのお買い物

メルボルンのフィリップアイランドを見て夜にメルボルンシティに着くとスーパーマーケットに行き明日からのキャンプに向けて買出しをした。

購入するのは肉、野菜、パン。

お酒はリカーショップに行かないと売っていない。

肉を買いに行くとその品数に驚く。

日本だったら、カルビ・シチュー用・薄切り、なんて何に使うかが書いてあるがオーストラリアではそういう表記はなく、フィレ、サーロイン、リブ、ラウンドなどと肉のパーツで書いてある。オーストラリアにきたら肉の部位名を勉強し直すのか・・・。どれがいいのかわからない。

するとChrisがすぐにこれがいいな、と決めてくれた。

彼はドカ食いするタイプというより本当に美味しいものが好きならしく研究熱心だ。

チーズの売り場に行くと私とChrisの2人ともがチーズが好きで、それぞれ好みが違うということでああでもないしこうでもないといくつもある中のチーズをいくつか手に持ったり戻したりを5分ほどやっていた。

チーズは人を幸せにしてくれる食べ物だと思う。

そしてその間BellaとH氏は黙って待っている。

1時間ほどして何を買うかが決まり、トイレに行って戻ると会計が済んでいた。

が、未だレジの人と話しているようだからどうしたのかと聞いてみると、Chrisが美味しいバケットの食べ方をレクチャーしていたらしい。

無限に見ていられそうなチーズの棚

「カマンベールチーズの上をとってニンニクとハーブ、白ワインを少し入れてそれを焼いてバケットをつけて食べると最高だ!」という彼の面白い効果音付きで話していたらしい。

生粋のチーズ&食べ物好きとはこういうことだろう。

夜中にChris宅に到着し、朝起きるとBellaが学校へいく準備をしていた。

ChrisとBella

Bellaはタイ人で語学留学生。

彼女は私の2,3歳年上でタイマッサージ店でChrisと出会ったのだとか。

なんとも微笑ましい話だ。

留学生と現地人が留学生のバイト先で出会って恋に落ちるなんて最高じゃない?

そして会話がなんとも可愛らしいカップルなのです。「Honey?」ってChrisのことを呼ぶBellaを見ているのがなんだか幸せ。

なんかいい。

キャンプへ準備

Bellaは急いでいるからとそのままでていき、Chrisは鼻歌を歌いながら、キッチンの物をプラスチックケースに詰め込む。

「マスタード、ジンジャー、ソルト、ペッパー、それと・・・あ~!ドレッシングも作らないと♪・・・ビネガーにこれこれ♪」

彼はとても気分が良さそうで見ているこっちも楽しくなる。

Chrisの可愛いココ。
すぐ逃げ出すおばかちゃんらしい。

私はそれを眺めながらコーヒを飲みつつ、

「あれ?バターは入れた?」などとツッコミを入れるとすかさず

「入れたよ、ここにチーズも全部入っている!」と自慢げに見せられるのを楽しみながら準備をしていた。

H氏はというと、寝たっきり起きてこない。

本当に彼は朝の「まどろみの時間」が好きらしく、この時間は邪魔してはいけないことになっている。

これについては私は閉口しているが、彼の贅沢な時間らしいので止めることはできない。

Chrisと私だけで着々と積み込みを行った。

キッチンの物が済んだら今度はキャンプ用具とバーベキュー用品を車へ積み込む。

彼の庭にはお庭と離れ、ガレージと車があってもまだスペースが余るほど広い。

彼は古い家を買い日々その家をリフォームしているらしく、本当に味があった。

家具の細かい部分や、ドアの大きさやお風呂の形。

使われているガラス。なんかが、特にオーストラリア版古民家といった感じがすごくよかった。

脱線してしまったが、Chrisと私は着々と荷物を車に積み込むと自分たちの用意を始めた。

そこでやっとH氏が起きたらしく、準備をして車へと乗り込んだ。

Drive & Blunch Time

車に乗り込んでほとんどすぐ私は寝てしまった。若干無理して起きていたせいもあり、これから最高のドライブだというのに深い眠りについてしまっていた。

私が寝ている間にH氏とChrisは話しながらグレートオーシャンロードに向かっていたらしい。

高速道路に入った頃には意識がなくなっていて気づいたらランチの時間だった。

起こされて、”ああ、またひどい乾燥。。口の中も鼻の中もカッピカピだわ・・・。と目を覚ますとレストランに連れていかれ、メニューが来た。

オシャレだからなのか、これまでの節制生活とのギャップのせいなのか、全てが映画の中のように見えた。

Chrisがちょっとその辺に座っただけでなんかコメディ映画かドラッグ映画のワンシーンに見えるのだ。

それほどに彼のキャラクターがいい。

そうこうしていると頼んだものが出て来て、やっぱり2食分程度のサンドイッチが一人前として出て来た。

値段も二食分。

そうか、二食を一回で買ってるということかな。

一休みするとドライブに戻った。

1時間ほど走ったのだろうか。「お嬢さん、起きなさい。」と言われて目を覚ますとと海が見えた。

青の色が深く澄んでいた。

調べてみると、植物性のプランクトンが少ないと水の濁りが少なくなり、澄んで青い色になるのだそうだ。

青色のグラデーションの幅が広く、綺麗に見えた。

さらにもう一度車に乗り込む。

キャンプ初日

ちょこちょことそんなことをやっているうちにキャンプ場についた。ついた時には既に17時を回っていたが、オーストラリアの昼は長い。

焦ることもなく、一度周りを一周すると、一番手前側に近い空いてるスペースを選んだ。

一応はお金の支払いが必要らしいが、国がやってる施設なのでほとんど払う人はいないのらしい。

管理人室のようなものもないので咎められたりもしないらしい。

場所が広くて無料なんて最高!テントを立ててキッチンを作った。

車のスペースが不足していたのでタープは諦めたが大丈夫。どうせ雨は降らない。

1日目はテントの横にキッチンを立てて、ビーフステーキを焼いて食べた。

それから私はホットワインを作った。

いくらかその辺を歩いていると靴の裏に何かがついている。

グミみたいなものがついていると思って何度も外すのだがその実は木からコロンコロンと落ちてくるのでエンドレスだ。

ガムの実みたいだった。

この間、2人はビールを飲みながら話しているのだが、間に何とは書かないが例のアレが回ってくる。

Chrisは例のソレを作るのにペーパーを二枚使うのだ。普通のサイズに1.5倍のものができる上に彼が作るのはやたらと太い。

キッチンに立っているときにソレを吸うと私は強烈に味を濃くする恐れがあったので、やらなかった。

が、何度か回している間に回ってくる。当たり前のように目の前にくるのでついついやってしまうと、寒くなってきたのに、なんとなく体内は温かく体外は冷たい氷の中のように寒く感じた。

マッシュルームやアスパラガス、ジャガイモなんかを焼いてオリーブオイルやハーブソルトと混ぜて食べたりしているうちにビールが終わり、ワインへ入ろうとし、3枚も買ってきたステーキを焼き始めた。

1枚、2枚と食べてお腹いっぱいになったのに、無理して食べる。

このお肉を1人一枚食べた。
大き過ぎじゃない?

 

旅に出てから4kgが痩せていた私もこのChrisと一緒にいればすぐに体重を戻せそうなくらい食べさせられる。

なんだか、食べる合宿みたいだ。

話したことといえば、食べ物のこととかれが好きな車のこと、日本で買った焼き鳥用の火鉢のことくらいじゃないか。

あれ?おかしい。シャワーを持ってきたはずなんだが・・・・と彼が出したのはシャワーヘッド。

そこにホースがついているが肝心の水を貯めるタンクがない。

というだけなのに大爆笑していた。

アレをしたおかげだろう。

二日目

翌日朝、目が覚めて朝食を作りながらビールを飲んでいると、Chrisが起きてきて、オレンジジュースをグビッと飲んだ後、やはりビールを飲んで座っていた。

H氏も起きてきたが、彼もやっぱり起きてくると当たり前に出されるビールに驚きもせず、「あぁ。」というと受け取ってぐびっと行っていた。

呑兵衛が集まるとこうなるのだ。

そして、朝ごはんを作っている間にChrisはまたアレを作っていた。

特大版のアレだ。

日本では合法ではないのでお披露目するのはやめておこう。

が、それを作って、朝食を食べてコーヒーを飲んでゆったりしているとそこでアレが回ってきた。

何がなんだかよくわからないのだがとにかく心は穏やかになっているので、どうでも良くなる。

ヘラヘラしながら、今日はどこに行くのか話を聞いていた。

12使徒(12 Apostles)

奇岩のある12 Apostlesに到着して車を止めるとすぐ横には何にもない荒野が広がっていた。

ここは乾燥地帯で高い木に大きな葉をつけても水がないし、海風が強いからなのか背の低い木しかなかった。

そのおかげで遠くまで空が見渡せる。遠くずっと遠くまでくっきりとした空が続いているのが見えた。

歩いてビーチに向かうと何のゲートもなくいきなり階段が現れた。

そのまま歩いて行くと水が何処からともなく湧き出し、ビシャビシャと濡れていた。

ビル4階分くらいの階段を降りると赤褐色の砂のビーチが広がった。

普通なら奇岩の方へと歩いて行くのだろうが、Chrisはどんどん人のないほうへと歩いて行った。

何処を見ろとも書いてないから、それでもいいのかもしれない。

日本の観光地に行くとやたらと紙を渡されてあそこに何があるとかどういう意味だとか書いてあるが、そんなの知らなくてもいいのだ。

わからなくても感性でいい!と思ったらいいし、なんだろう?と思えば調べればいい。

海は言葉にならないほど美しかった。

ああ、こうやって心を洗うのか、と眺める。

良く見ていると波の大きさがかなり不規則で時折予想もできないような大きな波がくる。

最初は警戒して波打ち際のなかには入らないようにして歩く。

傾斜が強いので注意して歩かないと下に引きずり落ちてしまいそうになるので上の方を歩いていると、Chrisが声をかけてくる。

「こっちにきて見たら?遠くまで浅いのが続いてる。」

Chika「本当だ、浅いね。」

Chris「向こうまで行って見たら?」

Chika「いいよ、行ってみる。」

ゴツゴツと固い岩の上に藻が生えていてそこをうまいこと歩いて行く。

波は不思議と大きくならない。

数枚の写真を撮り終えると、戻って写真の確認をする。

いいね!

なんて言っている間に波が来そうだったので戻ろうとした瞬間、本当に大きな波が来て腰まで飲み込まれた。

水に濡れないように片手を万歳して歩いた。手の中にはビーサンと電話だった。

二日目の夜もまた、バーベキューだ。

今日はラム肉のバーベキュー。

Chrisの提案でビーチで寒い夜の更に寒い場所だったがそれもロマンチックで面白いし火に当たれば大丈夫だと思っていた。

今夜もアレがまた回ってくる。

お皿は真っ暗闇で椅子の上においたり、ビーチの上において砂まみれになっていたが誰も気にしなかった。

トイレも、適当にその辺で。

もう青空便所は怖くなくなった。なんと自由爽快なことか・・・。

寒くて寒くて凍える中で、ラムを焼き、アレをして、赤ワインをいただく。

そして波の音に耳を澄ませ、時折星を見上げた。

薄暗い夜にいくつもの星が瞬いていた。

HouseTechnoが大好きで野外パーティーに行ってキャンプすることはよくあったけど、こんな風にドライブとバーベキューの3日間は初めてだった。

食べ物は潤沢に用意してあって、風の音に耳を澄まして、歩いているとふとコアラに会ったり。

私は見れなかったけど、私が離れている間に傷ついたワラビーがやってきて、私が作ったミートソースを美味しそうに食べて行ったとか。

Chrisが言っていたけどこんな風に動物が出てきても安全で襲われる心配もなく楽しめるのはオーストラリアやカナダとかくらいなんじゃない?と。

日本もそうだけど。と。

でも日本はキャンプに行くとかなり人が多いからか、なんだかちょっと違うような気がした。

それにここには住んでる人はいないようで、そのせいかなんだか自然の中に入っているっていう実感が強かった。

キャンプ終了 そしてDrive

3日目もまたドライブに出て、そのまま一つの街へと行った。

Chrisはこの日もずっと運転してくれた。

私たちは3日間シャワーを浴びずに海に行ったり砂埃にあったたりしていたので頭の先から足の先、耳の中までドロドロだった。

車の中も外もどろんこだ。

彼は何も文句も言わずに私たちを連れて帰ってくれた。

そしてこの日も疲れているにまた彼の愛する庭でベラと一緒にバーベキューをしてくれた。

素敵な友人でいてくれることを心から感謝したい。

ありがとう。

 

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