コロナウイルスで受けた影響(飲食店)【スペイン イビザ】

コロナウイルスの感染拡大により、飲食店の営業に様々な営業が出ている。

もちろん影響が出ているのは飲食店に限らず、観光業、小売店、不動産業、言うなれば全ての人が多かれ少なかれ影響を受けている。

スペインのイビザ島に住み、この島唯一のラーメン店を営む私たちが受けた影響について時系列で共有して、多くの人といかに動くか、生き抜くかを考えることができたら嬉しい。

コロナウイルス感染拡大で死者急増につき・・・

何が始まるか謎知らずにクレープを食べていた14日の午後

3月14日(土)

政府より3月16日(月)からロックダウン開始が宣言される。

ラーメン屋では3月始まってからウイルス流行により客足遠のいていた。

3月16日(月)

税理士からの勧めで私を含め、社長以外の従業員全員を解雇。

退職金を含めて支払い。

スペイン語で有名な曲がいち早くコロナウイルスソングに替え歌されていた

3月17日(火)

スペイン大統領:ペドロサンチェズ氏が宣言する。

「雇用を守る!スペインは失業者を出さない!」

対策:ETREという有事救済の補助金を被雇用者にのみ与える。

その金額は通常の給与額の7割。

経営者に向けた補助金=なし

この決定で大混乱に・・・。しかし払った退職金等含め、この状況は何をすることもできず、次の一手を待つのみ。

私たちは16日に始まったロックダウンの影響を受けて、2週間店を閉めた。

この間、特に補助金・手当のアナウンスは無し。

このまま黙ってみていては、店が潰れる・・・。

4月に入る前日、私たちは行動を起こした。

メニュー構成の再編。

調理器具と材料を店から自宅へ大移動させ、デリバリーサービスの準備を整えた。

4月1日

もともとは無いデリバリーサービスをイビザ全域を対象にして始めた。

料理担当は妻の私。

配送は夫。

電話応対は、店ができる前から支え続けている従業員のT子。

3人のチームで、それぞれが少しでも多く稼ぐため、一度でも注文回数が増えるように努力した。

電話・配送チームは笑顔と清潔感を。

料理担当の私は、見た目を美しく、美味しく。

食べる前の準備にレンジでちん!などのメモを添えるなど。

それぞれが必死、そのものだった。

まさかそれを5月の半ばまで続けることになるとも思わず・・・。

5月に入りやっとロックダウンが徐々に解除されるとアナウンスが入る。

5月11日(月)

時間別年齢別に外出が許されるようになる。

午前中6時〜10時までは15歳から60歳までの人が外出可能。

それ以外の時間はそれ以外の人々優先。

それでもまだ空を眺めることすらままならず思わずアパートから思わず撮影した写真

5月25日(月)

時間制限が外される。

6月8日(月)

海が開放される。

6月30日(火)

スペイン 政府、被雇用者を解雇することを認める。

7月

周りの店がどんどんつぶれ、売りに出される。

周りの店のほとんどが潰れる。

7軒あった広場の店は3軒のみに減少。

8月現在

政府からの支援は変わらず無し。

それどころか、本当はストップしていなければならない税金の引き落としを間違って前月と同じ額で

観光客が怒涛のように訪れるようになったイビザには1週間に600便のフライトが到着するようになった。
だが、クラブは相変わらず営業不可。

多くの人は変わらず失業状態にあり、失業保険がいつ切られるのかは不明。

というのもスペインはヨーロッパ連合の中で最も厳しい財政難が長く続く国一つでもあるから、その意味でいつまで失業保険というシステムが機能するのかは誰にもわからない。

そして私たちの店は、売り上げは10分の1程度まで落ち込んだが、現在は去年の2分の1程度。

最悪の状況からは這い上がりつつあるが、油断を許さない状況が続く。

今後の目標と願い

  • SNS広告の強化で、新規顧客の獲得
  • Tシャツや箸などの小物販売
  • 自宅で調理用のパッケージ販売
  • 人気メニューのフレイバーを増やして販売量の拡大

日本では今、営業時間の短縮要請が再度発令されましたが、飲食店の状況はきっととても厳しいものだと想像している。

私たちの店は地元向けのローカルフレンドリーな店だからこそ観光客の増加の影響はほぼ受けて無い。よって売り上げも以前の半分からなかなか上がらずにいる。

それでも次の冬をどう乗り越えられるかはいまだに不明だし不安で一杯だ。

ちなみにスペインはBar、Clubを含む飲食店の営業を夜中の2時までとしている。

まだ夜の22時にで閉店よりは良い・・・とは思うし、島で唯一のラーメン屋という単走状態であるのと日本での勝ち残りを考えると厳しさは雲泥の差があるとは思う。

けれど、きっと慣れ親しんだあの店、この店が帰国後も残っていることを祈っている。

私たちは、イビザで唯一のラーメン店がコロナで無くなった・・・とはならない。はずだ。

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