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ブラジルの東海岸の半島の先端に位置するサルヴァドール(Salvador)、現地人はバイーア(Bahia)と呼ぶ。
サルヴァドールとは「救世主(キリスト)」という意味で、中南米では同じ名前の地域がたくさんあり正式名称はとても長くSao Salvador da Bahia de Todos os Santos。
約200年の間ブラジルの一番初めの首都として栄え、多くのアフリカ人が奴隷として連れてこられ最初に上陸したのがこのサルヴァドール。
そういった歴史的背景から現在でも多くのアフリカ系ブラジル人が住んでいて、アフリカ文化とポルトガル文化が混ざったブラジルの他の都市と全く違う独特な雰囲気が漂う。
サンバと足で戦う格闘技カポエラ発祥の地としても有名。
世界遺産にも登録されているパステルカラーのバロック様式の建物が立ち並ぶ町並みがとても美しく、マイケル・ジャクソンのPVがここで撮影されたことも。
マイケル・ジャクソンの「They Don’t Care About Us」のPVが実際に撮影されたのが、このペロウリーニョ広場。
パステルカラーの町並みがとても可愛い広場だが、以前ここは奴隷の公開処刑や拷問、市場があったところ。
奴隷市場の建物は現在も残っていて、博物館になっている。また隣の建物では拷問器具も見ることができる。
そういった暗い歴史場ある場所だが、広場ではよくイベントが行われ、筆者たちが行った時はワールドカップ真っ只中。ブラジル戦の時には巨大モニターで大勢の人がサッカー観戦を楽しんでいた。
試合前後はバンドがステージで演奏する音楽の中、人々がビール片手に踊り狂っていた。
サルヴァドールは崖の上にある旧市街と崖の下の新市街に分かれ、上と下を巨大なエレベーター「ラセルダ・エレベーター(Elevador Lacerda)」が繋いでいる。
1873年に建設され高さは73メートル。約130人を収容でき、24時間営業の庶民の大事な足だ。
上の旧市街にサルヴァドールの観光名所のほとんどが集中し、下の新市街には港やメルカード・モデロ(Mercado Modelo)という観光客向けの市場があり雑貨やお土産屋がたくさん入っている。
このメルカード・モデロ、元々は奴隷を収容していた施設で、当時の収容部屋を見学こともできる。
付近に350以上の教会があり1日ひとつずつ回っても1年はかかると言われているほど教会だらけのサルヴァドール。
そんなサルヴァドールの中でも特にお勧めなのが、旧市街にあるサン・フランシスコ教会。
ブラジルのバロック様式の最高傑作といわれ、外観は至って普通だが入ってびっくり、黄金をそこら中に使用した豪華絢爛な教会。また教会内の回廊の壁に張り巡らせてある青と白のポルトガル・タイルも美しい。
アフリカから連れてこられた奴隷たちの唯一の休息日が火曜日だった。教会のミサに行きその後にフィエスタを行い束の間の休日を楽しんだという。
その伝統がいまでも残っていてサルヴァドールでは土曜日でも日曜日でもなく火曜日が一番盛り上がる。
太鼓を叩く団体が街を練り歩き大勢の人が太鼓隊に踊りながらついていく。中でも有名なのがオロドゥン(Olodum)という団体。マイケル・ジャクソンと共演したのもオロドゥンだ。
ペロウリーニョ広場周辺テラス席で沢山の人がお酒を片手に生バンドの演奏を楽しんでいた。火曜日以外の夜はさほど盛り上がりを見せないので、サルヴァドールへ行く予定の方は是非火曜日を日程に入れておこう。
治安はあまり良くない。筆者たちは特に何もなかったが、たまに変な人もウロウロしていたし、ホテルの人にも「人混みにはスリがいるので、カバンは絶対に前に背負い込み、貴重品は細心の注意を払うように。」と言われた。
もちろん夜は人気のない路地には行かないのを徹底しよう。筆者たちは火曜の夜は出歩いたが、中心地から外れずに人気がないところへは行かなかった。子供のスリも沢山いるので注意。子供が無意味に近づいてきたら警戒しよう。
ただししっかり気をつけていれば大丈夫という印象だ。
アマゾナス州やリオデジャネイロとも全く違う文化があるサルヴァドール。マイケル・ジャクソンがPV撮影に選んだのも頷ける魅力がたくさん詰まった町だ。
青の洞窟やテーブル・マウンテンがあるディアマンティナ台地へも近いので合わせて行くのもお勧め。筆者もサルヴァドールから2泊で行ってきたが、とてもキレイな場所だった。
とにかくアートと音楽に溢れている街だった。
サルヴァドールで食べた食事。マナウスから着たので食事が洗練されていて驚いた。