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“The Travel Story 60” -美食の国- 【スペイン 1 】

南米から移動、スペインへ

7月31日、私たちはアルゼンチンからチリに飛び、そこからスペイン、マドリッド行きの飛行機に乗った。

翌日、8月1日にマドリッドに到着。

3日後には夫H氏のバチェラーパーティーがイビザで待っていた。

スペインでよく見かけた風景

バチェラーパーティーというのは、欧米の国々の文化で、

独身最後の夜を男たちだけで楽しむパーティーのこと。

彼の親友の一人であるAdamが企画してくれた。

実際には結婚したのは2017年のことだし、世界旅行中だから

妻同席ということで、正式なバチェラーパーティーとはいかなかったけれど。

私自身、男ばかりのバチェラーパーティーにお邪魔するのは、少しだけ気が引けていた。

とは言っても、今までよく一緒に遊んできた友達でもあるし、もともと共通の友達って人もいたし

世界一周旅の一つの目玉として楽しみにしていた。

マドリッド

話は旅に戻して、マドリッド観光。

2018年夏は異例の猛暑。

南米の冬から殺人的な夏の太陽に当たるのはかなり酷なことだったけれど、王宮に行ったり、美術館、そして念願のバルに行って楽しんだ。

そうそう、スペインといえばピカソ。

マドリッドにはスペイン内戦の模様を描いた現代絵画、ゲルニカがあった。

生で見たのは初めてで、こんなにも伝わって来るものがあるのか、と驚かされた。

ゲルニカは撮影できなかったから、気になる人は検索して見てね!

その絵はさみしくて悲しい絵だった。

「私の子供が死んでしまった、嘆き苦しみ泣き叫ぶ母親」の顔はどうにも忘れられない。

戦争の悲しみ、辛さ、重たげな空気。

逃げることが出来ない砲撃の凄まじさや、現実の苦しさを想像すると胸が苦しくなる。

想像や妄想の中で体験するだけでも、辛いものだった。

ピカソは1937年に起きた内戦の情報を追いながらこの絵を作っていたそう。

怒りと悲しみ、途方に暮れる気持ちをこの大きなキャンバスに残したピカソ。

人に何かを伝えられるだけで凄いことだと思うけれど、時代を越えられるってやっぱりアートってすごい。

この絵を生で見れただけでもスペインに来た価値を感じた。

バルでタパス!

スペインはタパス・ピンチョスが有名と聞いていたけれどそれをどうやって頼むのか、どうやって楽しむのかは、知らない。

日本でバルに行っても、タパスは前菜として好きなものを頼む形だったから、そんな感じ?と想像する。

そしたらほとんどお店でアルコール一杯につき一皿(一つ)のピンチョスがつく感じ。

日本のお通しのようなものかな。

おつまみ文化!最高!

それは全て作り置きされていて、見た目の彩りも美しくテーブルに並んでいた。

店員さんはそれを順々に運んでくれる。

多分地元の人が行くような場所があるんだろうけど、私たちが行ったところは1.5ユーロのビールにピンチョス、というのと。

ジョッキビール5ユーロに一皿盛り盛りのジャンクピンチョスがくるものとがあった。

学生に大人気というバルにはこのジャンクピンチョスがこれでもかと出てきて

「これは無料ですか?」

と何度も聞いてしまうほどのボリューム!

だってこんなに出て来るなんておかしい、騙されているのかもしれなくない?

あんまり美味しくはなかったけれど、お腹いっぱいになるのが学生向け!

聞くと、ニコニコしながら

「It’s Free!! Yours!(無料だよ!君のさ!)」と教えてくれた。

夫Hも大満足でこの笑顔だ。

ここぞの笑顔!

でもね、イタリアでは盛大に騙されたことがある。

「今日のオススメはなんですか?」

「え、今日のね、じゃあこれだよ!」

と出された料理が8人前で(4人しかいない席に)

普通の洋食店で一人1万円以上払うことになった最悪な気持ちになった。

イタリア人って、楽して稼ごうとするんだね、先進国だと思ってたけど、やることは随分陰湿!と思ったし、観光客に悪いことをすると、その国のイメージまで悪くなる!という方式が頭に焼き付いた。

気をつけないとね。

barで

イビザの愉快な7日間

あれが7日間もあったんだろうか?

毎日どこかに出かけリラックスしたチルアウトな毎日があった。

最初の日にboraboraに行って、レストランに行った。

ホテルに着いてるクラブみたいな場所へ。

友人たちの一人、Tommyが私に声を掛けてくれた。

彼は私と夫の久が14歳離れてることを心配していたらしく

「気をつけるんだよ!」

と言われた。

心配してるんでしょ?わかってる。

年上のみなさんと話すとき、まだ子供だからね~と思われることはあまりない様だけど・・・

周りの人にこんな年上と付き合ってて大丈夫?って思われるのは、ちょっと嫌。

でも私たち自身は幸せだし、いつか夫のほうが先にこの世を去る可能性が高いのはわかってる。

いや、もしかしたらそうはいかないかもしれない。

どちらにせよ、私は猫と犬と一緒に暮らす予定にしてるからさみしくならない!ハズ。

でも、本当に心配してくれたり、思ってくれる人ってなかなかいないから嬉しかったな。

それからTommyはこんなことも言ってくれた。

「なんで結婚式やらないの?やったほうがいいよ。

結婚祝い渡してあげたいのに。それはいいこと、いい文化なんだから!」

と。お祝いというのは恐らくご祝儀のこと。


この時、私たちは結婚パーティーはやる予定にしていなかったし、これからもやるつもりはなかった。

そもそも日本の結婚式は高過ぎるし、それにご祝儀で式やパーティーの代金を賄おうというのはおかしいし、無いお金をあると想定したく無いし。

結局結婚式というビジネスに儲けさせるのも嫌だ!

っていうのが私たちの考え方だったから。

日本式の結婚式は無しだった。

上機嫌の夫Hと絵になる男、Alex

そんな話をしてたせいなのか、イビザではかなり考え込んでしまった。

その後、Pachaに行こうぜ!ってTommy, Johnと外へ。

実際に街に出てみるとpacha €60と書いてあった。

Svrecaとか、Pan pot とかDub Fireがいるプレイするとは書いてあったけれど、う~んそれ日本でも聞けるのに3倍もするの?

今回は4人だけだし、やめにしよう!と4人でビール二杯!

チャーリーズエンジェルポーズで乾杯!

戻ってヴィラのプールにざぶ~ん♡

毎日暑かったから帰ってまずはプールにザブーンが恒例に。

とっても気持ちよかった。

毎日Alexが夜は一緒にいて、外のテーブルで飲みながら他愛もないことを話して寝る。

朝起きたらまたAlexが外のテーブルにいて、みんなとカルーアミルクで朝一から乾杯して遊んだ後に昼寝して、出かけるのを毎日を繰り返した。

映画の中みたいなランチ

ある日はTodがランチに誘ってくれた。

Todはオーガニックで繊細な食事を好む、エリート銀行マンのイギリス人。

この時Tommyも一緒に来てくれたけれど、イギリス人男性2人の英会話に全くついていけず、ぼんやり上の空に・・・。

本当に英語力なさ過ぎて悲しくなる時間だった。

ここで食べた料理はグリーンペッパーのオイル揚げとか、イカ墨のパスタとかなんだけど、本当に素材の味がし~っかりしてて、眺めも良くて、最高のデイタイムだった。

Todありがとう!あのグリーンペッパーは忘れられない味。

日本と同じくらい素材がしっかりしているって感じられたのはこの国くらいだったかもな~。

デザートも最高に美味しかった

仕事をしなさい、高みを目指しなさい

この言葉を言ってくれたのもJohnとTommyだ。

ちなみにそれを言われた時に、私が言った言葉は。

「そうだよね、わかる。そうしようと思ってるよ。」

多分、説得力は無かったかもしれないけど。

こういうのって、なかなか友達同士でも言えることじゃない。

自分の思う、私に対しての最善のアドバイスをくれた2人のおかげか、旅始めは仕事なんかしたくないと思って、稼ぐのはまあまあでいい。と思っていた私が、「絶対もっと強い女性にならなきゃ・・・」何かが芽生え始めていた。

日本はまだまだ男女平等の社会なんかじゃない。

だって、政治の世界を見ても、えらい人の顔ぶれを見ても一目瞭然。

それは、女性がそんなに有能じゃないから。じゃなくて、これまでの社会のあり方がそうだったし、なかなか新しい考え方を受け入れてもらえてないし、女性がそういう世界に向けて爆発的に戦ったわけじゃない。

から、だと思う。

マイケルムーア監督の映画、「世界侵略のススメ」を見て、ああ、そうだったのか。と納得したことがある。

世界侵略のススメ

この映画はヨーロッパや北アフリカをマイケルムーア氏が「侵略」のために訪れ、さまざまな国のさまざまな良い試みを学ぶ。そういう学びをアメリカに持って帰ろう!というお話である。

この話の中で労働者が強いドイツでは、週の労働時間は36時間。

イタリアでは有給休暇が年に8週間。

ポルトガルでは麻薬が禁止ではない、その上依存症になった場合には社会復帰に向けたリハビリ施設がある。

ノルウェイでは刑務所の環境が素晴らしく、人間としてどう生きるべきかを元犯罪者に学ばせ、考えさせる。

結果、凶器になるような包丁や縄がある場所でも受刑者たちは暴力を振るわないのだそうだ。

アイスランドには世界初の女性大統領がいる。そして、彼らは男性の社会は戦い、人より勝ることが重要だと考えられていると主張し、私たちは世界や社会の調和(バランス)が重要だと考えていると、語っていた。

こういうことを見ていると、日本ではまだまだ軽視されがちな人権がしっかりと考えられている。

でも、これは自動的にそうなったわけでもないし、勝手にそういう文化が根付いたわけじゃない。

ものすごい人数の人たちが権力に戦ったという事実があった。

きっと、いつか私たちが生きる社会も変わって行くし、きっと変わらないといけない日がくる。気づかないといけないんだ。

それに今日私が言われた言葉は、日本よりもはるかに男女平等な世界を知っているイギリス人の2人が教えてくれたこと。

きっと私も自分で生き抜く力を身につけたほうが、未来の私は笑っていられると思う。

この頃になって私は働くことに対して、旅に出る前よりももっともっとポジティブになっていた気がする。

クラブ

私たちが行ったのはRESIDENSEというクラブ。

日本だと、Ultra Japanでもステージが出ていたかな。

テクノフリークな皆さんはイビザでどんな遊びをしていたのだろう?と気になるでしょう。

イビザの空港にもブースが出ていた。

でもね、およそ250mlの水が1000円。

だから毎日のようにパーティーなんてする気にならなかったけど、この日だけはみんなでクラブに繰り出した。

今日のDJのヘッドライナーはAdam Beyer。

みんなでプリクラ機みたいなので写真をとって貰ったりしながら始まった。

酒はみんなで滞在しているビラで持ち寄った酒を飲んできたからほろ酔い状態だ。

懐かしかったのは、Ben、Todと私と夫H氏の4人でステージの前で踊ってた時間。

私たちが付き合いたての頃、私は行きたい!とは思っていたけれどまだまだクラブなんて知らなかった。

2012年、22歳の頃だ。

その時、BenとTodは日本に住んでいて、毎週毎週4人でクラブに出かけてた。

そのころ私は英語なんて全然話せなかったけれど、お構いなく和に入って行ったし、彼らも気にしないでくれてた。

Benには「H(私の現夫)は2年くらい彼女いないんだ、君たちが付き合って本当に嬉しいよ。仲良くしてやってね。結婚してね!」

と私に言ってきていた。

Ben、Tod、Alexと私たち

あの頃本当に結婚するなんて思っていなかったけれど、それはそれは嬉しかったのを覚えてる。

誰かにも「Hのこと頼むな!」と言われたことがある。

そういう言葉って、その時は「なんや、私だってお願いされたいやい!」なんて思ったりしてたけど。

今となっては、「頼まれてやるか!」という気持ちになったりして、そんなこと言ってくれた人たちのことを忘れられなかったりする。

ま、旅に連れてってくれたのは夫だから、面倒見てくれてるのは夫なんだけど。

Adam Beyer

Timは相変わらずすぐに疲れて、いつも通り私たちの護衛のようにずっと突っ立ってて

Johnは気づいたら、いつもの通り友達を作ってて、Tommyはいつも通り冷静で(あれ?今回はハグしてなかったね、H氏と)

Alexは珍しく飲みすぎて迷子になってて、Benはいつも通りPussy!ってなんか言ってくるし、Todは相変わらず先に帰ってて

私はいつものように「こいつは言う事を聞かない」的なネタで酔っ払いの夫に罵られていた。(笑)

こういう遊びができるのがうちら夫婦のいいとこなのかな。

反面、こういう男友達の集まり羨ましく思ったり。

ヴィラに戻ると今日もプールにそのままザブーン!と。

イビザにくるために!

この数日間私は長いこと考えて思ったことがある。

ibiza

ここにはもう来れないだろうし、こういう旅行はもう一生ないと思うし、こんなに友達が集まってくれる1週間はきっともう来ないだろう。

だって、言ったことを実行することはなかなか難しいことだから。

それでも

1人はibiza貯金箱を作って、お金を貯めて来たし。

1人は前々から決まっていた10月のヨーロッパ旅行との兼ね合いが付くつかないで会社と揉めながら、無理矢理休みをとってきたし。

1人は奥さんにお願いして、休みをとってきてくれたし。

ヴィラについてるプールで

1人はお金がないから、2泊だけと物価が馬鹿高いイビザに飛び込んで来てくれた。

フットワークが軽い!というのはもちろんあるかもしれないし、夏休みを利用して来てくれた!というのも、もちろんあるけれど。

それでもこの日、この場所で、お祝いして遊ぼうぜ!という気持ちを持ってくれた友人たちの心の熱さに感謝だ。

私は女だし、旅中でお金はこれっぽっちも持っていないけれど、こういう気概、根性、愛情、というようなものは、きっとその人の人生になる要素だと改めて考えさせられた。

old town

うん。集まってくれたみんなに乾杯。

来れなかった人たちもいるけれど、誘いに戸惑いながらも参加することを検討してくれた友達がいたことに感謝。

いい友達に恵まれて囲んでもらって、こんなに幸せなことって無い。

本当に、心からありがとう!

この章の写真

マドリッドは通りも綺麗だった
madrid


食べる?食べない?で喧嘩になったトリッパ
ここのパエリア激ウマだったな〜
old town


有名なCafe de mar! 高かったからバカバカしくなって入らなかったけど・・
夜のチルタイム
私たちのお部屋
私たちのお部屋2 (旅中にこんないい部屋がもらえるなんて最高!って夫と笑った)
バスルームも大きくて快適だった
タクシーが全然来なくて面倒だったんだよね
lunch
じゃあ、また会おうね!のbye bye
また会おうね!ありがとう!

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