カッパドキアは気球の絶景、トレイル、アバンの町などかなり見どころのある町だ。
デリンクユという最大の地下都市と呼ばれるこの町もカッパドキアの一部。
私たちはその大きな地下都市を見るためにここを訪れた。
カッパドキアは広いせいなのか、それとも見どころが多すぎるのか、ここにもそこまで多くの人が詰めかけているようには見えなかった。
町は地下8階まで広がり、数万人を収容できる。さらに、その9km先にある別の地下都市ともつながっているとか・・・。
内部には、身をかがめなくては通れない狭く低い通路が続き、住居や台所、食料貯蔵庫、教会、墓室などのさまざまなスペースが並び
なんでも揃っていた。
現在でも洞窟まで行かなくとも、山肌に家を彫って住む人たちがいるそうだ。
70年代には日本と同じようにヨーロッパ式の家が流行ったそうだが、結局のところ、気候があまりにもヨーロッパ式の元のは合わず、夏は暑すぎ、冬は寒すぎると敬遠され、今までの様式に戻った人もいるのだとか。
日本なら茅葺の屋根の家が夏は涼しく冬は暖かいと言ったところだろうか。
機能性が勝ったわけだ。
私も日本の田舎に住めるなら、そんな昔ながらの家に住んでみたい。
実際冷房暖房なんて昔は必要なかったんだから、その国に合った建築を使うのがいいってことなんだろう。
大きな移動がなければ原付バイクで移動。コレが楽しかった。いつも自分たちが行きたい方向へ。気の赴くままに行けるのがいい。
とはいえ、この地下の真っ暗な街の中に暮らすのは私はお断りだ。
翌日から別の場所へ動くことに決めた。
カッパドキアを出て、パムッカレに行く。
その後、イスタンブールに行こう!と決めた。
本当は沢木耕太郎氏も通過したアンカラや海辺の街、イズミルなんかも行ってみたかったが、全てを巡っていては次の国へといけないからね。
ちなみに、トルコの後は久しぶりに飛行機に乗って、遂にアフリカ大陸に突入するつもりだ。
もう一度気球と写真を撮ろうと丘を登ってみたけれどこの日は強風で何も飛んでいなかった・・・
やっぱり運みたいなのってある。
パムッカレはカッパドキアに続いて、人気の観光地だった。
一昔前、その場所には温泉水が溢れて、白い炭酸石灰の棚田がある。
また、ヒエラポリスと呼ばれる古代都市が近くにあり、この白い棚田と石で作られた神殿が一度に楽しめる複合世界遺産としても有名な場所である。
さらに昔から温泉が湧き出ていたこの場所では遺跡が沈むプールもあり、そこで昔々の人々が温浴を楽しんでいたとのこと。
そんな昔の景色にも想像を膨らまして楽しむことができるのがこのパムッカレの地だ。
私はこの古代都市・・・というより、奇景の白い棚田に期待していた。そして、夫の久にもその素晴らしい眺めについて話していた。
この場所については私の期待値がかなり高かったので、私がカッパドキアからの行き方、入場料、その歴史などを調べて夫にプレゼンしていた。
「へースゴそうなところだね。」と楽しみにしてくれていた。
ただし、最近は温泉水の量が前ほどではないという情報は私も知ってはいたものの、そのことは秘密にしていた。
信じたくなかった。
そして、その景色が変わっていないことを祈った・・・。
昼に到着。私たちは少々寂れかかっている温泉街みたいなものを発見。そこで昼食をとった。
トルコ料理はトマトや玉ねぎ、オリーブなんかの野菜がたくさん入っていて食べやすい!オリーブオイルが効いていて、体に良い感じがした。
ホテルに荷物を置くと私たちは早速棚田に向かって歩いた。
さあ。水の量はどうかな・・・。
歩く道にぬるい水が流れている。
少し滑りそうな道をさらさらと流れ落ちる水。
真っ白な床に壁。
もしかして、想像より水出てそう!
うーん・・・でもちょっと思ってるほどでもない・・・?
きれいだけど、、、。
やっぱ、水、足りてないね!
全然水ないし青くない!
石灰の白と水のブルーのコントラストが美しいって楽しみにしていたのに・・・。
その水が空を反射して、夕方には夕焼けが映ってさらに美しいと聞いていたのに・・・。
久「全然水ないね・・・なんだコレ。」
私「実はね。こうらしいってのは前情報で知ってたんだよね。」
久「え?そうなの?」
私「うん、実はね、他の旅ブログ書いている人の情報でも最近はずいぶん水の量が減っていて、想像しているような写真は撮れなかったって情報は読んでたの。だけど信じたくなかったんだよねw」
久「まあそりゃ信じたくないよな。。」
私「でも実際に水なかったね(笑」
久「まあ、自然遺産だからね、仕方ないよ。オーストラリアのTwelve Apostlesだって波に削られて、年々12本から減ってるらしいしね。実際俺たちも12本は見えなかったんだし。」
私「まあね〜でも期待してたよね〜。水追加してくれればいいのにね〜」
久「そうだね〜でも半端じゃない量が必要なんじゃない・・・?」
私「そうかもね。
そんな中でもここならではの景色となりそうな場所で、精一杯美しい写真を撮ろうとした。
中でも最も美しく撮れた写真がこの一枚。
うん、まあもっと美しかったことを知らなければコレでも美しいかな。
そして、古代都市も一緒にめぐる。
入る気にはならなかったけれど、噂に聞いていた遺跡が沈むプールもあった。
大きな競技場なんかもあった。
まあ色々みたけど、古代都市ってその時代の歴史とかストーリーを知らないと単なる石の塊と彫刻の集まりにしか見えないんだよね。
あの時代の誰々皇帝がなんとかって男を殺したのがこの場所で・・・・
そこにはとにかく大きな温泉街があった・・・以上のことは私たちにはわからなかった。
ネットで調べようにも、コレ以上の日本語の資料は特に出てこないのだ。
最後に私たちはカラハイットという地元民に人気の温泉街にもいった。
こちらは別に白くもないし、ヒエラポリスも無い。普通に温泉水が出てるだけだった。
ただ、その温泉水が出ていて、足湯ができる場所に行くと現地のおじちゃんおばちゃんがいた。
普段は足なんか絶対出さないような女性たちもここではふんわり柔らかそうな脚を出して、のんびりしていた。
男性たちはペットボトルを持って、温泉の吹き出ているその中心へ。
お湯を飲むために汲みに。
みた感じ、熱くはなさそう。
私も怖いもの試したさに、近づいた。
私「あっつーーー!!」
どう考えても40度をこえる熱さ。
やっぱりどこの国のおじさんたちも熱い風呂が好きなのね。笑
おっちゃんたちは私を見て笑っていた。
そんな熱くなかろう!とでも言ってるようだった。
そういえば、トルコにはお風呂以外にハマムというサウナを楽しむ文化がある。
公衆浴場的な場所で、あかすりをしてもらうこともできるとか。
金額はそんなに高くは無いらしい。
でもトルコはなんだかやることも多いし、見るべき観光地も盛り沢山できれば行ってみたいな〜なんて言っていた。
足湯は無料だったし、観光する場所自体もこじんまりしていたのでのんびり温泉街を歩いた。
私は温泉水を使ったローズウォーターが有名でそれが美容にいいんだとかいう情報を得ていた。
旅中は肌のことなんか気にする余裕なし。
持って来ていた日焼け止め以外は無くなったら現地でまあまあ良さそう・・・と思えそうな安物の美容化粧品を買って、顔に塗る程度だった。だから、もう乾燥が目立って仕方なかった。
さらに歩き回って痩せていたからほうれい線も今まで見たことがないくらいにくっきり出ていて、気になり始めた。
それでも、ローズウォーターが本当に効くかどうかもわからなかったから結局購入できず。
バスで10時間半。30ユーロほどかけて、移動した。
トルコは次の街へ。次の街へ。と移動するたびに10~12時間かかるのが普通だった。
大きな中東の西端、最後の場所は首都イスタンブルだ。
そうそう、ここに来たら、必ず見なきゃいけないのが、アヤソフィアだった。
沢木耕太郎氏もここに来ていた。そして何をするわけでもなくそこで過ごす。
私が18歳で訪れたインドのタージマハルみたいな場所。
あの頃はまだ、飛行機が今ほど安くなかったし、あの頃はそんなにたくさんの人が観光地に押し寄せていなかった。
だから、広場には寝転ぶこともできたし、座ってもゆったりできた。
彫刻とかそこにある彫像品を眺めて、ただそこに流れる雰囲気を楽しむことができた。
そのイメージが沢木氏のアヤソフィア。楽しみだ。
バスが到着すると、久しぶりのメトロへ。
どうやってOOへは行けばいいのか?と通りすがりの男性に聞いた。
すると、その男性がこの番号にのって、その後この番号の電車に乗るんだよ。と教えて切符まで買ってくれた。
久「え、おかね返すよ。」
男「いいよ、大したお金じゃないから、君にあげる。」
久「え?そういう訳に行かないよ!」
男「いいんだって!じゃあ僕は予定があるから行くね!楽しんで。」
爽やかな笑顔で男性は去っていった。
私「いい人すぎない・・・?」
久「ね、トルコ人って優しい人多いよね、なんか素朴というか。すごい。」
私「ありがたいね。」
久「うん。」
世の中がハートフルに見えた。世界は全員いい人だ・・・。
ホテルに到着し、疲れていたけど、それでもやっぱり時間を無駄にはできないので、外に出た。
近くにあった寺院を見て、市場にいった。
エジプシャンバザールだ。
たくさんの人がいて、まるで正月の初詣のようだった。
地元民にも大人気のようで、狭い道が人で埋め尽くされている。
何故かここに入った瞬間、悪い予感がした。
これまでもトルコでこのような人混みはあったのに、何故かこの日は「気をつけなきゃ」と危機感が強くなったのを覚えている。
H氏も後ろから歩いていると思い、そのまま突っ切って行ったが、人混みのせいで私とH氏の間には数メートルの差があったらしい。
斜め左にいた男性が何故か私のすぐ後ろを歩きながら右へ移動して行った。
そして、私のお尻を触って行った。
絶対にコイツだ!!!
怒りのままそいつの腕をつまみ上げた。
私「あんた今、私のお尻触ったでしょ!?」
男「触ってないよ。」
私「嘘だ、触ったでしょ!」
日本語と英語を混ぜながら、怒りをぶつける。
私「絶対触った!私あんただってわかってる!触ったでしょ?」
最初僕じゃない、と惚けてた彼は私が本気で怒ってると思ったのか、それとも謝れば済むと思ったのか、急に手を合わせてきた。
『認めた!!!!』
本当はぶん殴ってやりたかったけど、これ以上やるのは危険。と判断し、許した。
それにしてもムカつく!
本当にムカつく!女性軽視!女性差別!男尊女卑!クソみたいなお下劣野郎!!
コレだから女に免疫のない国の奴らは・・・。
インドでも同じようなことが起きた。
大して肌を露出しているわけでもないのに、異教徒だったらなんでもしていいと思ってる輩が後ろからついてきて、肩や腰に手を当ててくるのだ。
注意していてもこういうことが起きる。
触れたから触った。コレで大事にならなかったからラッキーで済まされる。
一発かましてやればよかった。
なんで我慢しなければならないんだろう。
午前中に切符代を払ってくれた男性のことはもう私はこの時忘れていた。