海についてからまずはビーチに行った。
ビーチパラソルや椅子などはホテルについていて、勝手に使うことができる。
日本ではビーチパラソル、椅子、シャワーも有料だがここではホテルに全てついていたのでそれらを改めてレンタルする必要はなかった。
こういうのって大事なこと。あとから払うとなるとストレスに感じるからね。
海では二つのアクティビティをすることに決めた。
一つ目、バイクで島を一周する。
二つ目、アイランドホッピングツアーに参加する。
他にもダイビングツアーやフィッシングなどもあったようだけど興味のあるツアーを一つのみに絞った。
島をバイクで散策するのにはホテルにお願いしてバイクを持ってきてもらった。
表の通りにはたくさんのレンタルサイクル・レンタルバイク屋があったが詐欺に合わない方法としてはホテルのフロントで様々なものを手配してもらうという方法を取るのが得策だった。
午前9時ごろだろうか、バイクを借りて島一周へ出た。
道路は舗装されていたが道路の周り店と道路の間は砂利や土でまだ舗装がされていない。
そのため車やバイクが走ると砂埃が立つのだ。
太陽の光と併せて避けたい砂ほこり、サングラスは必需品だ。
走り始めてすぐに道が分かれて、小道へと入って行った。
そこにはビーチこそないが、やはり海に囲まれているため港があり、店は海の上に出来ていた。
とっても可愛らしいお店が並んでいて、センスの良さが伺えた。
さらに30分ほど行くとオールドタウンへと差し掛かった。
町は小さな小さな通りのことでおそらく150~200m程度ほどの短い通りだった。
そこにはほとんどすべての家が2階建、濃い茶色い壁色に染まっており、窓や街灯のデザインがタイっぽいというよりは少し西洋っぽさを感じられる古さよりも洒落感を感じられる街並みになっていた。
このゆったりとした雰囲気に人が集まるのだろうか、ビーチの周りにいる愉快で明るい若者たちの雰囲気とはまた違った意味で柔らかで穏やかな人々がいるように思われた。
店先にはシルバージュエリーやお土産が並び、タイ式の魚サンなども置いていた。
ちなみにこのあたりには公衆トイレが無いのだが、ゲストハウスやレストランにトイレを貸して欲しいことを伝えれば快く貸してくれる。
都会ではいくらかお金を取られてしまうこともあるがそれも無かった。
オールドタウンを離れると更に奥へと進んだ。
そこは私たちが訪れるべきでは無かったのかもしれない。
顔に深いしわを刻み、こちらからの微笑みに対して全く反応のない地域に入った。
恐らく、この島の最貧困層に当たる地域なのだろう。
海辺のギリギリのところに家を建て、家の裏側はゴツゴツとした岩と石に追われていた。
津波注意地域の看板もそこら中にあったが建物は全て住居だった。
嵐が来たら真っ先に襲われてしまうギリギリの場所に家々が並んでいたが、海を正面に見れば、引き潮の際には道ができておりそこから小さな無人島へも行くことができそうだった。
しかしながらそこにいる人たちの雰囲気により長居することは賢明ではないと判断しサッサとそこを出ることにした。
こういう場所からは早め早めに退散する方が安全だ。
島を一周しようと思っていたが思いのほか、道は途中で終わっていた。
一度引き返して今度は島を横断した。
不安になりながらも道を進み続けていたが、2時間ほど原付バイクの座席に座っていたせいだろう。
H氏にお尻が痛くなったと伝え道端ではあったが休憩を入れてもらった。
そこに小さなBARの看板が見えた。
そしてそこには「mong BAR Jungle party 11,DEC」とあった。
今日?ジャングルパーティー?しげしげと見ているとここのオーナーだろうか、女性が声をかけてくれ、是非来てくれと言う。
試しに会場を見てみた。
竹や木でできたテーブルと手作り感溢れる装飾、メニューなどで可愛らしくていい感じだ。
毎年6月に行われる野外音楽フェス「ZIPANG」の様だとテンションも上がった。
音楽のジャンルを聴くとDEEPHOUSEにTechnoと私たちの大好きなジャンルとのことだったので夜は再びここに来ることに決めた。
一休みすると再びビーチへと向かって走り始めた。
逆側のビーチに向かって走り続け、その先端と思われる場所に着くとなぜか受付がありそこにいる人がここからは国立公園だから入場料1,000円が必要だと言う。
とっておきの場所はどこも有料らしい。
観光客からは取れるだけ取りたいってことなのかな、という感じの金の取り方だ。
国立公園にわざわざ毎日のように行く必要もないので引き返したもう一度来た道を進むと来た時には気づかなかった小さな脇道があり、そこを進んでみた。
素晴らしい景色が広がっていた。
波もなく穏やかで静かな場所だった。
日本人はおろかアジア人もおらずいるのは西洋人ばかりでその数も20数名程度だろう。
なんて美しい場所なんだろう。
海でプカプカと浮いてはビーチで寝そべる、を繰り返した後バイクでホテルに戻りビーチのすぐそばにあるシャワーで砂を落として部屋に戻った。
全ての流れが計算されているかの様にとても快適だった。
太陽が傾けば温度も少しずつ下がっていき夕方になると陽が海に落ちていき、夕焼けに染まった。
海を見ていなくても目の前に生えている木々たちが夕焼けを背景に色を落としていき美しい景色にただただうっとりとしていられた。
聞けばヤシの木以上の大きさの建物を作ってはいけない条例があるらしい。
なるほど、通りでヤシの木が一番背が高く目立っていたわけだと納得した。
夜は予定していたMong barに出かけたが、音はそこそこなものの12時前になっても盛り上がりにかけていたためすぐに退散した。
ちなみにこの手のpartyっぽいbarはビーチ沿いにいくつもあり、どなたでも散歩すれば必ず好きなbarを見つけられるのではないだろうか。