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“The Travel Story 30” -光り輝く島-【キャンディ スリランカ 3】

ブッダ / 手塚治虫

このマンガを読むきっかけになったのはスリランカという仏教大国のおかげだ。

ガンガラーマ寺(スリランカ)のブッダ像

それも、ありそうもないブッダの歯を置いているという佛歯寺、それからありそうもないブッダの髪の毛があると言われるガンガラーマの寺。

そしてそこに押し寄せる地元の信者の数の多さのせいだ。

ここでろうそくの灯を頼りに絵を書いていたのだろうか。cave temple

どうしたって胡散臭すぎる!にも関わらず、人々はこんなにもそれを信じて、お参りをしに来るのだ。

それにアジアの国、タイ・ラオス・ベトナム・スリランカなどを回る中でブッダを見なかったことがない。

スリランカ Golden Templeのブッダ像

これは最早ブッダという人はいないとは言えないだろう。

と、胡散臭すぎる!と言ってる人間の感覚ではないが回り回ってブッダはきっといた!という発想に至った。

12巻を読み終わるのには大体1ヶ月ほどかかったかと思うが、かなりその内容は深く興味深いものだった。

そして読み終わる頃には大のブッダ好きになっていた。

ラオスのチャムパサックという小さな村で見かけたブッダ像(目が怖い)

ブッダの教えはこうだ。

・人に生まれながら階級などはない(これはカースト制度を否定する言葉)

・私たちは全ての生き物を愛し殺さない

鳥だって鹿だって虎だって何か辛いことがありながらも生きているのだ。動物たちは必要な量だけしか殺さない。

ベトナムの山の上に作られた白亜のブッダ像

・悲しみに暮れている人を救ってあげなさい、手を貸してあげなさい。

それができないのであれば、一緒に悲しみなさい。

そうすることがあなたとその人の心の癒しになるです。

とそういう内容だった。

そして、武力による戦いは何も生まないということを語っていた。

スリランカの洞窟寺のブッダ像(涅槃像)

要約してしまうとこんなものなのだが、悩み苦しみながら、人間の中に神を見出すまでのストーリーそして死ぬ寸前まで、教えを説く姿には感動せずにはいられない。

これを書いている間にももう一度読み返そうかと考えてしまうほど。

完全なブッディストには至らなかったものの、ドスっと突き抜けるような思想への高い影響力があった。

タイのゴールデンブッダ(タイのブッダ像の量はすごかった)

キャンディの街を散歩

    

キャンディの街には昔王様が作らせた人口の湖があり、この湖を中心に囲うようにして街が作られている。

その湖を約1時間ほど掛けて、一周して見た。

何もない、鯉みたいな魚がうじゃうじゃいる、気持ち悪い池だと思っていたが、歩いて見ると想像以上に野生動物があふれていた。

撮影して確認することが難しかったが、亀。

亀は何びきもいた。

そして大きな大きなトカゲ?

このサイズのものが街中にいていいの?

スリランカは動物に寛容らしい。

美しい青色の羽を持つ鳥。これも動きが早くて撮影できず。

長い足を持つ、これはサギ?だろうか。

とにかくたくさんの動物を目にすることができた。

これ以外にもホテルの近くでは猿やコウモリ(時間による)は頻繁に見かけた。

それにゴールという場所で雨が降った日なんかはスッポンが水路を泳いでいたり、どう間違えたのか、巨大なおたまじゃくしが道路を飛び跳ねていたりした。

気をつけて歩かないと踏んでしまう・・・。

お茶畑のヌワラエリヤへ

キャンディという街は昔、スリランカがセイロンという国だった時の首都。

だから日本でいう京都みたいな街、というわけなのだけど。

この街は国のちょうど真ん中にあることから、電車の便もいい。

ただし、ヌワラエリヤという地域に直接通じる電車は無いのでナヌオヤ駅まで電車で行き、ヌワラエリヤまでバスを使うこととなった。

そして、この茶畑巡りはスリランカ切っての観光でもある。またそこに向かうまでの電車からの景色が最高であるということで有名だ。

当然、自由席への乗車の際は現地人・観光客みんなで席取り合戦。

私はいつものように、左右のドアで空いてる場所を見分けて飛び乗り、いつものように席を確保した。

今回も4時間の旅なので、これは譲れなかった。

電車に乗って、少しすると飲み物や食べ物の物売りがくる。

「ワデワデー、ワデワデー」

低い声で、同じ言葉を何度も聞き、これは何かと覗き込むとオレンジ系の褐色の丸い揚げ物が。

後に調べると”ワデー”というのが揚げ物の意味だったらしい。

何度も目にするので、これを一袋購入する。

食べて見ると、コーンや豆が入っていて、味は魚味だろうか。

小麦粉に具材を混ぜて揚げたものだった。

油がうまく落ちていないのか、油っこい。

水で流し込むような食べ物だった。不味くはないけどもう一度食べたいとも思えない・・・。

ナヌオヤ駅に着くまで、綺麗な茶畑の景色が続きスリランカの車窓から見えるものでこの景色が一番だそうだ。

茶畑をずんずん進んで行く

本当に美しい世界が広がった。(ただ今回も後ろ向き走行だったので写真撮影は難しかった・・・)

ナヌオヤの駅に着くと、バスを探す。

しつこくトゥクトゥクのお兄ちゃんが声をかけて来るので仕方なくナヌオヤからバス停まで5kmほどをトゥクトゥクで行く。

曇っているが、先の方までよく見える。

お兄ちゃんは1日ツアーを持ちかけてきたがこちらはそんな予定は全くなく、却下。

5kmの間中ずっと営業を掛けてきてかなりうざかったが、ふり切って次の駅の食堂に入った。

メニューを渡されたが、実際はランチブュッフェしかないとのこと。

仕方がないので、それを2人分注文する。

ビーフカレー、豆カレー、ナスのカレーがあった。

とろっとして一瞬、時が止まったようになるのはナスのカレー。

日本で食べる煮びたしのようにクタッとしているところにカレー味は最高に美味しかった。

実のところ現在ボリビアに滞在して、7日を迎えるがが、ボリビアン料理を食べているとスリランカのカレーも悪くなかったように思えてきた。

今度はバスに乗って茶畑を目指す。

ヌワラエリヤのバス発着地点

私たちが向かったのはDamro Tea

ここは世界で飲まれるあのLiptonの紅茶を生産しているそうだ。

エントランスに行くと席に案内されて、紅茶を楽しむことができる。

これは無料のサービス。

時間になると、紅茶工場の中へと案内される。

これも無料だ!

そして、枝のどの部分を葉を使い、どのようにして生成されて行くか細やかに説明される。

この工場ではあのLiptonの茶葉も生産していれば、なんと100gで$51.2の高級茶葉も生産しているというのだ。

この茶葉は一番茶葉しか使わず、お茶の木の花がブレンドされた香り高いものになっているそうだ。

私たちは香りだけ、試すことができたが奥深く、華やかで上品な香りがした。

そこでちょっと高めの茶葉を購入すると帰りはバスで一直線にキャンディへと戻った。

コロンボへ戻る

スリランカといえばコロンボ、キャンディという町が上位に出てくるのだが、このキャンディという町は日本でいう京都で古都だ。

そして歴史深いキャンディではスリランカで最大のお祭り・ペラヘラ祭がある。これは毎年7月ごろに開催されるもの。

だが、コロンボでも同じペラヘラ祭が開催される。

この祭りは2月に行われ、ちょうど私たちが滞在している間に行われるものとの情報を得て、私たちはキャンディからコロンボの町へと戻った。

ペラヘラ祭り

このお祭りはスリランカのキャンディとコロンボの二箇所で行われるもので、キャンディで行われるお祭りがスリランカで最大のイベントと言われている。

コロンボで行われるペラヘラ祭りは毎年2月の満月の日(ポヤデイ)に行われるのだとか。

そして、何を祝っているのかというとブッダが初めて説法を説いたことをお祝いしているんだそう。

土曜日、日曜日と二日間に渡って行われるパレードとのことだったので、土曜日の夜にまずは下見に出た。

土曜日


7
時ごろに着くとすでにパレードは始まっていたが、観客はあまりいない。

道路沿いに置かれている椅子もガラガラだった。

適当な席に腰を掛けて眺めていたが、演者がどうもあまり力の入っていない様子がし暗い。

じっとみていても人が集まってくる様子がないので今日はリハーサルのようなものだということが理解できた。

静かな道路の中で長いロープが道を弾く音がする。

バン!バン!と演者が長いロープをもちそれをクルクルと回しながら床を叩く激しい音だ。

演者は全て男性で、伝統的な衣装をまとっていた。

じっとみていると、ポタリ。

嫌な予感が走る。

ポタっ

ポタっ

ポツポツポツポツ・・・

ボツボツボツボツ・・・

ヤバイ・・・。

大粒の雨が降ってきた。

急いで屋根のある場所へ避難する。

考えることはみんな一緒で、屋根のある席はすでに人で溢れている。

が、風邪を引くわけにもいかないので、回り込んで屋根のある場所へ入る。

なんとか避難すると、爽やかな笑顔の男の子が声をかけてきた。

?「日本人ですか?」

H「はい、そうですけど」

?「え1?日本人ですか?本当?嬉しい!こんなところで会えた!」

「僕の名前はニランです!すごい雨ですね!」

日本語を話すスリランカ人に出会ったのはこれが初めてではない。

そして他の国の日本語を話す詐欺師たちと違ってスリランカ人は全く押し売りせずちょっと話してその場を離れていくばかりなので、この時も警戒はしていなかった。

聞けばニラン君は日本に留学をしていたそうで、日本語はペラペラ。

そして可愛らしい笑顔で日本人向けブラックジョークもバシバシ入れて来てくれた。

雨宿りをしている間にオススメの場所や今の自分のお仕事の内容などいろいろと教えてくれた。

1時間ほどはおそらく待っていたのだろうが、雨は止まなかった。

かなり強い雨がボタボタと降り注ぎ、私たちはついに帰ることに決めた。

すると、このニラン君が驚きの行動に出る。

初めて出会った見ず知らずの私たちにトゥクトゥクを捕まえるまで案内してくれるというのだ。

先ほどよりは雨は弱くなっているとはいえ、まだまだ雨脚は強い。

その場にいた、ニラン君のご友人の傘を借りて、トゥクトゥクを探しに歩き、大きな交差点に出ると、彼はパッとトゥクトゥクを止めて、メーターを使うことを確認すると、私たちを乗車させて、足早にさっていった。

なんと、紳士な男の子なんだろう?

洪水並みに水が溢れ下水の匂いに包まれた道の上で、素敵なスリランカ人の男の子にもう一度会わなくては、と2人で話した。

日曜日

今日こそは!きっとちゃんと見れるはず!と7時からのパレードを前にブッダの髪の毛が奉納されているというガンガラーマ寺に向かった。

ガンガラーマには世界から送られて来たブッダの像や、キリスト教と融合しているブッダの部屋などがある。

ガンガラーマテンプル内部

その珍しさのせいか観光客もたくさん。

そして今日のお祭りのためにスリランカの伝統的な衣装を着た少年たちに出会った。

6時ごろになると私たちはお祭りの席とりをしようと大通りにでる。

まだそこまで人も多くない。

が、何か人だかりが・・・と見に行くと、トラックには「Maggi」の文字。

そして、中の店員がオタマで救っているのはインスタントラーメンだ。

これがかなりの人気で食べようかと見ているうちに売り切れた・・・。

カップにちょこっと持っただけのものだが、それが立ち食いにはちょうど良い。

かなりの人が次が出てこないかと待っていたようだ。

私たちは仕方がないのでトウモロコシとオリーブの実の辛味漬けを買い適当な場所に座る。

昨日座ったしっかりとした椅子の席は予約席だったらしい。

今日は本番、私たちは簡易に作られたひな壇に座った。

7時。まだ辺りはうっすら明るいが、どこからともなく音楽が始まり、仮装した男性たちが音楽に合わせて踊りながら出て来る。

かなりの人数が同じ衣装をまとい、踊りながら過ぎ去っていく。

初めはどのくらいの種類のグループがあるのか?と見ていたが、なかなかその列が終わりそうにもない。

その間におめかしした象や、アクロバティックな動きをする人、お面をかぶった人、足に竹馬を括り付けた人。そして女性も。

そして黄色のブッダがミニトラックの上に乗って来る。

一体これはなんだろうか。

ブッダが初めて説法を説いたことをこんな風に祝ってるのか。。。?

最後には炎を操る集団が来てクライマックスを迎えた。

時間は気づけば10時を回っていた。

キャンディの駅前のブッダ像

電車内(おしゃれ)

車窓からおもちゃのような列車たち

列車の車窓から見えるシーギリヤロック

ハスの葉をイメージした近代的な建物はコロンボの名物

謎の彫刻。電話。

涅槃像。ガンガラーマ寺

キャンディの電車時刻表(素朴)

ペラヘラ祭り5

ペラヘラ祭り6

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