それは南オーストラリアにある人口3,500人の小さな町Coober Pedy(クーバーベディ)。別名「Opal capital of the world(オパールの都)」とも呼ばれ世界最大のオパールの産地で市場の70%がここから発掘されているという。
過酷な気温と地球上で最も乾燥している地域でもある南オーストラリア州のこの街は、一見するとただの荒野で何もないように見えるが、住民は暑さを逃れる為に洞窟を掘りそこで暮らし地下にコミニティーを作っている。
この地下から無数に伸びている煙突が、地下で暮らす人々がコミュニティーを築いてる証拠だ。
クーバーベディならではの注意書き。足元に注意してないと無数にある縦穴に落ちますよ。
白人が来る前からここにはアボリジニが住んでいた。クーバーベディの名前の由来はアボリジニの言葉で「白人が潜る穴(kupa piti)」。オパール採掘で一攫千金を狙った人たちが各地からやってきて住みだしたのがこうした地下コミニティーの始まり。
この写真のような家は「dagouthouse(ダグアウトハウス)」と言い、夏場は40度を軽く超え冬場の夜は-10度にもなる過酷な環境の中でダグアウトハウスの中は常に一定の温度に保たれる。
ちなみに3LDKのダグアウトハウスを作るのは地上に同じ間取りの家を作る値段とそう変わらないらしい。
地下にある教会。普通の教会なのだろうが、地下にあるだけでカルト的な雰囲気。
もちろんお土産屋さんも地下にある。
こちらは本屋。
洞窟のレストラン・バー。
洞窟に間接照明と黒い家具で統一されたリビングルーム。
マッドマックスやピッチブラックなどの映画の撮影場所としても使われた。写真はピッチブラックのセットで今でも置いてある。こんな荒野なのにゴルフコースもあり、ティーショットの時には人工芝を使うらしい。
オーストラリアの中でも一際異彩を放っている町、クーバーベディ。一番近い町まででも370キロという少々行くのが難儀な場所だが、洞窟ホテルやオパール採掘ツアーなどもあり人気の観光地だ。このとてもユニークな地下都市は一見の価値がある。