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“The Travel Story 67” -おとぎの国- 【スロベニアクロアチア】

チェコを2泊した後、私たちは北に向かうか南に向かうかを悩んだ。

北に向かえばポーランドがある。

ポーランドに行くなら間違いなく行くべきは

『アウシュビッツ強制収容所 -Auschwitz Concentration camp-』だろう。

人を丸太として扱っていた場所だ。

死について、人間のやることについて考える旅が待っている。

ポーランドに行くならそれをやらないともったいない。

でも・・・私たちはこの旅でやらなくてもいいかな、と。

そしてポーランドへ行った後は、どうやって南へ行くのか?という問題もあった。

だから、私たちは旅の進路に南を選んだ。

スロベニアだ。

スロベニア Slovenia

チェコからスロベニアへはバスで9時間ほど。早朝に出発して夕方に到着する。そんな寸法だった。

昼間はオーストリアを駆け抜けて行く。

オーストリアをスキップした理由?それは高いから。

ジュネーブ条約にも入っていないヨーロッパでも独立した経済を持つこの国はバックパッカーの私たちが訪れるには高すぎた。

そして長距離バスが到着し、今度は路線バスへと乗り換えて予約した宿に向かった

もうすぐ・・・もうすぐ・・・と到着した宿泊先はどう見ても個人宅。

しかも周りには何もなかった。

この国は世界にあるおよそ196カ国の中で150位くらいの大きさで、140位くらいの人口。

隣国にはオランダ、スペイン、クロアチアと言った国が並んでいるが、森林に囲まれた小さな国だった。

こちらが街の大きな広場

私たちはなんだか来なくてもいい国に来た?と感じた。

これまで、90年代まで内戦をしていたこともあったために東欧の国々というのは観光客や世界経済から置いてけぼりを食っていたのかもしれない。

周りの強い国たちに占領されてきたという事実もあったせいかもしれない。

小さな小さな町

家の周りの寂れ具合に驚きつつも、スロベニアのリュブリャナの町を見て回る。

家々は大きく、そこまでこの国の経済は悪そうに見えない。

ただし、どうしても小さな国であるせいで、若者はフランスやドイツ、イギリスなどの国へ渡るらしい。

確かに田舎な小さな国よりも大きな国へ行った方がチャンスは多い。

町はこじんまりとはしているものの、雰囲気は良かった。

東欧の国の中でも治安がいいのらしい。

ヨーロッパでは当たり前に取られるトイレの料金もお金を取られなかった。

山の上にはリュブリャナの城があると聞いたから、登りに行ってみた。

立派なエントランスがあったが、金額のせいかどうにも入ろうとは思えず。。

そのままランチに持ってきていたサンドイッチを食べると私たちは家へと戻ってしまった。

スロベニアには眠れる国の森の姫?の舞台があるらしいが、あまりにも首都のリュブリャナが小さな小さな町なため延泊せずにすぐにバスを予約した。

こうして私たちのスロベニア極短滞在は終了し、すぐにクロアチアへ。

C「次は見所のあるいい国だといいね。」

H「クロアチアは結構観光地もあるし楽しめると思うよ。」

C「国立公園と、魔女宅の舞台は行きたいね。」

H「入場料と相談しながらだな。」

クロアチア  Cloatia

スロベニアのリュブリャナからザグレブはバスで約2時間半程度。

森が続いていたようだが、私はいつものようにぐっすりと眠っていた。

ザグレブではbooking. comで予約していたホテルへバス停から歩くと、airBnBのような形態らしく宿のホストが家の前まで迎えにきてくれていた。

そして、部屋の中といろんな注意だったり物の使い方もわかりやすく教えてくれて、わざわざ洗濯剤まで買って戻ってきてくれた。

これがHもホスピタリティーがすごい!と気に入った部屋だ。

確かに狭いのにいろんな場所に工夫があって、とっても居心地が良かった。

4人も泊まれるように引き出し型のベッドがあったり、折りたたみテーブルもあった。

翌日、私たちはザグレブの街へ。

遂に夏が暑い国に戻ってきたと感じられる温度で私は黒いワンピースに黒のストールに日傘で外に出た。

日傘が目立つんだ・・・

ここで、日傘について。

日本では夏になると当たり前のように女性たちが日傘をさして日陰の中に収まろうとしているが、これは西洋各国の人々にしたらヘンテコりん!

彼らは日を浴びて健康的な肌色になることの方が価値が高いと思っているし、そもそも太陽を浴びれない冬はビタミンDが不足するからとサプリを飲むほど。

だから、日を避ける日傘は「ちょっとおかしい・・・」のだ。

なかなか日本ではこれする人最近はいないよね

日本人にしたら美白の為!美肌のため!だからそんなに変なことではないんだけどね~。

だから、日傘をさして歩いていると結構な確率で振り返られたりしていたよ。

ブラジルでは普通の傘を日傘にしている人たちも結構いたんだけどな。

Zagreb ザグレブ

ザグレブの街はリュブリャナよりも大きかった。

街の中に入るとすぐに目が入ったのは赤の傘がひしめく市場だ。

もう15時になろうとしていたせいだろうか、人はまだらで、半分近くの店が閉じていた。

店と店は隣りあい、店の人たちは前後左右のご近所さんと楽しそうに世間話をしながら店番。

私は大好きなぶどうを見つけてゲット。

それをつまみながら、街を歩いた。

海外にいると歩きながら食べていても大した問題に感じなくて助かるしブドウはちょうどいい水分補給だ。

市場を通り過ぎて街のはずれまで歩くとお馴染みの光景が広がった。

教会だ。

ヨーロッパのどこの街にもあるけれど、ここの教会もなかなか大きい、そして実に真剣にお祈りを捧げている人がいた。

どんなことがあったんだろうか?

私はじっとその人を眺めた。

涙を流すわけでもなく、ただその人は神をいたわるように撫でて手を合わせて、去っていった。

私にはあんな風に祈ることがあっただろうか・・・。神なんて信じたことないと思う。

3.11の時も思ったけれど、神は何もしてくれない。傍観するのみ。

外に出て、ケーブルカーに乗り、少し小高くなった街の上の方にきた。

歩いてみるとハンガリーで見たような可愛らしい屋根の建物が。

そういえばクロアチアに来たら、やたらとチェッカーズ柄を見る。

そうだ、この国の国旗にはチェッカーズを使ったマークで、その意味は旧ユーゴスラビア連邦時代の赤白青の三色、その上にクロアチア王国時代の紋章を画いたもので、王冠をかぷった獅子や山羊が描かれている。

これがなかなかかわいくて、国旗入りのキャップを被ってるおじさんなんか本当にオシャレに見えたりして。

日本で国旗マークのキャップなんか被ってたら、何かボケたのか?もしくは右翼だと判断されるのだろう。

極右と思われるのだろうけど今となっては飾るのは海上自衛隊くらいだが日章旗はやはりクールだと思う。

いつか国旗にもリバイバルが許される日が来ればいいのに。

最高!

帰り道にはヨーロッパでお馴染みのスーパーSparに寄る。

そしてここで私たちは良いものを見つけた!

C「ねえねえ、これビールかな~?」

H「え・・でかいね。」

C「でもPIVOって書いてあるよ?」

H「ペットボトルのビールってアリなの?」

C「確かに。缶か瓶だよね、普通。」

H「へ~面白いね。」

C「アルコール度数もほら!5%って書いてあるよ!しかも・・・これ、いくら?300円くらいじゃない?

えーーーーー日本の1/4じゃん安い!」

H「すごいね、飲んじゃう?」

C「1人1L?・・・あ、でも500ml缶2本か。行けるね。」

H「爆。行けるか、じゃあ行こう!笑」

というわけで!ジャジャーン!

ビールー2Lボトル~!

ごめん、風呂上がりだけどジャジャーン!

リキュール系のお酒を飲まない私は海外ではもっぱらワインとビール派だからビールたくさん飲めるのはなかなかの高得点。

プリトヴィツェ国立公園へ

朝6時に起きてバスターミナルへ。

予約していたバスが予定の場所にいるのかどうかドキドキしながら、バッグにサンドイッチと充電を満タンにしたカメラ、Gopro、2Lの水を入れて出発。

3時間ほど寝ているともうあたりは森の中だった。

すでに絵みたい

この大きな公園を1日で全部見て、そしてまた帰りのバスに乗って帰らなければいけない!と私たちは走るようにして入口へと急いだ。

中に入り順路を巡っていく。

なんだか湿地帯のような景色。ここが紛争の場所として使われていただとか、地雷があったなんて信じられないほど美しくて、澄んでいて清らかな場所に見えた。

何度も何度もシャッターを切る。

きれいな場所だね。

午前中のうちはゆったりと人が巡っていて心地よく、鳥や魚を見ることもできた。

船に乗って次のルートへ向かう途中、持ってきたサンドイッチを広げる。

それを食べ終わったH。

H「ハチミツっていいよね。俺こんなにハチミツ使ったことなかったよ。」

C「美味しいよね、パンにかけるだけでいいし、サンドイッチはご飯だけどハチミツだったらおやつになるもんね。」

H「そうそう、味が変わるから同じパンでも飽きない♫」

C「よかったよ、気に入ってもらえて。」

私たちって本食べること対しての期待値が高いと思う。

特にHなんか2食同じものを食べれないらしい。

公園の中はひたすらに美しい景色が続いた。

この公園は世界の訪れるべき公園の一つだと思う。

Spilitへ

今日も移動~!クロアチアは見所が多い。だけれど一つ一つの街はこじんまりとしているから長居できないんだな、いやしてもいいのだけど。

今日は4~5時間の旅~。

Spilitは海辺の町で、古い町並みも残る場所らしい~。

私たちはまたバスに乗って、映画を見たりポッドキャストで英語の勉強をしながら時間を過ごし、Zagrebよりもさらに南のSpilitに到着した。

海が近い町のせいか、物価がまた上昇したので中心地にある宿は取れず。

仕方がないので私たちは町の中心から20分ほどの場所にある宿を借りた。

小さなアパートメントだった。

そこにいくために、バスに乗ったが、これがまた曲者。

クロアチアは英語もまあまあ伝わるものの、やはりクロアチア語が主流。

暑い中重い荷物を前後につけたままあっちへこっちへ行きながら、バス停を聞く。

こういう時、Hが調べてきた内容に「多分、ここだと思う。」と言われると、気になってしまうことがある。

こういうところ、直さないといけない。結局私は自分の足で行ったり来たりして確かな情報を掴んだ!とHを手招きした。

バスは予定通りに来て乗車しようとする。

すると思っていたところに止まらない、その上、あると言っていた目印のマークも見当たらない。

どういうことだ?

私たちは運転士と用事も無い終点のショッピングモールまで向かった。

運転士に聞くもこれまた彼も英語がわからず・・・。

あーでもなく、こーでも無い、と長々話した後、やっと!あ、それならここで降りるんだぜ!

と教えてくれた。

本当に、バスで目的地に着くって作業だけで半日終わるような、そんなやっとのおもいでホテルに到着。

この部屋は建物の真ん中にあるらしく、窓がなかった。

それでいて、クーラーもなかった。気温は30度を超えているというのに。

ここにだって、今日と明日しかいないんだ。

今日はもう夕方だからと軽くネットの作業をするだけに止めると次の日は朝から出かけた。

古都らしく、古代ローマの様式に似た建物がたくさん並んでいた。

疲れた体に無理を効かせながら、出て来ていたのだろうか。

それともやるべきことのイメージが湧かなかったせいだろうか?

あまり興味が湧かず、ただ、可愛らしい小さな町、と言うイメージだけは残った。

昼ごはんは東欧に来てからよく見かけるケバブまがいのサンドイッチ。

夜ごはんは小さすぎるキッチンに立つのが面倒になったからビールにピザ!

私、チーズ好きだからピザって結構嬉しいんだ。たくさん歩いているから、罪悪感も0♫

今日も特大ビールボトル、いただきま~す!

翌朝、いつものようにパッキングを済ませて、出かける。

またね~Spilit~!なんでかわからないけれど、クロアチアは物価の安さとか人の良さとか景色の良さだったり、人の多さだったり全体のバランスが良かったせいかヨーロッパに住んだらまた来る国に心に決まっていた。

心優しいMarioがいるせいかな。

ついに魔女宅の舞台!Dovrobnik

そう、ここがあの魔女の宅急便の舞台となった町。ドブロヴニク。

期待値が上がっていた。すごい綺麗なんだ。きっとあの宮崎駿が書きたがるくらいだもん。

と、魔女宅を全く知らないHに気持ちだけを教えておいた。

魔女宅のあの可愛さは私が説明するのではもったいない。

今日もひどい暑さの中を歩き重い荷物でホステルを目指す。

今日は1日だけしか滞在しないから我慢!とクロアチア屈指の観光地ではプライベートルームを我慢してドミトリーに泊まることにした。

ここでドミトリーについてだけど。

昔の相部屋とか、ドミトリーって本当に汚くて、金のない奴の吹き溜まりみたいなもののイメージがあるとおもう。

けれど、今って本当にそんなことない。

確かに、男女一緒だったりするし(選べる)、二段ベッドには変わりないけど、カーテンが付いていたりロッカーがあったりトイレやお風呂も頻繁に掃除に来てくれてすんごい快適でオシャレだったりする。

その上共有部分には無料のお茶やコーヒーがあることも多くてそこまで辛くない。それが1泊~2泊で夜中に大音量でいびきをかいたりする奴がいない限り。

そんなわけで私たちも荷物を置くと早速!

ドブロヴニクの街へと出た。

道が綺麗だ。ほとんどゴミもない。

ゴミがないって日本では結構当たり前だけど、世界に出てみるとそれが普通ではない。

人間はそこらじゅう荒らしまくってるから、こうきれいだとついつい驚いてしまう。

空も晴れて。海も。ターコイズブルーっていうのな。

この街にも旧市街があって、そこへ向かうと様々な国の観光客がいた。

大きな通りにはお土産屋が並んで、どの店もたかそうだった。出たな、観光地価格。

私たちは見向きもせずに裏道へ、裏道へとそれた。

そこには私たちが愛する小道が、どこまでも続き、ある場所に行けばアドリア海の息を呑むような爽やかな青色が見えたし、ある場所に行けば家と家の間に洗濯物を干すあの憧れの景色があった。

地面から屋根まで続く同じ石と、どの家も同じオレンジ色を使った統一感のおかげか、街はどこまで歩いて行っても美しく見えた。

そして、きっと!上に行けばその景色はもっと美しいに違いなかった。

私たちはそこで上へと向かった。

横にはケーブルカーが走っていたが、そんなの関係なかった。

私たちは私たちの足で登るんだ!と嬉々として登った。

ちょっとテンション上がっていつもと違うポーズ

C「あんなのはね、足腰が悪くなったおばさんが乗るんですよ!」

H「お、いいね!」

C「私たちにはあんなもん、必要ない!ふぅ」

H「暑いな。水、、。」

C「はい。水分補給してさあ行こう!自分の足で登った方が景色が美しく見えるよ!」

H「そうだね、ネパールはそうだったもんね。」

C「そう!楽しちゃだめ!」

H「お金があったらどうかわからないけどね。」

C「時間があったら?」

H「歩く。」

C「わ・・・・・!」

H「お~ビューポイント!」

嬉しい!こういう場所の発見!

C「ニヤリ)見つけてしまったね!超いい眺めじゃん!椅子まで置いちゃって!見てくださいと言わんばかり!」

H「あるんだね、やっぱり!綺麗だな~」

C「これは綺麗だね、いい景色だね〜。無料!」

H「そうだね~、無料!」

美しい景色を見てお腹いっぱいになった私たちはほとほと使い続けて疲れていたが今日もSparに寄ってビールとソーセージを購入するとパスタを作って、乾杯。

今日の日もお疲れ様でした!

明日からは、東欧の小さな国たちをめぐる。

嬉しい!こういう場所の発見!
ちょっとテンション上がっていつもと違うポーズ

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