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“The Travel Story 68”史上最強に怠惰を誇る国【モンテネグロ】

おとぎの国クロアチアを出る

クロアチアでは絵本の中の世界を歩いているような旧市街の景色を楽しんだ。

あまりにも美しい、家々の屋根はオレンジに統一され、海はコバルトブル〜。

物価は最近旅行先として人気の場所なだけあって、スペインよりは安いものの、まあまあ全てが高かった。

とにかく2Lのビールが300円というのだけは忘れられない。

ドブロヴニクは、有名な旧市街をみただけで終わってしまったけれど、それでも美しい景色をゆっくりみることが出来て、2人のいい顔の写真も撮れて大満足だ。

さて、今回泊まったホステルでは、中国人の男性と少し話した。

昨日到着した瞬間に、彼が話しかけてきた。

日本のいいところを矢継ぎ早に言って、「中国はきたことある?」と聞いてきた。

「あるよ、いいところだよね。日本よりも道が広くて、本場の中華料理はとっても美味しかったし、そこで学生の2人に観光してもらったりして、とても楽しかったよ!中国人のがあんなにフレンドリーだって知らなかった。」

と話した。

これでも褒めちぎったつもりだったけれど、彼的には「フレンドリーだと知らなかった。」

というワードが気に入らなかったのか、ちょっとムッとした顔をしていた。

行ったことのない国について質問するのも難しいけれど、行ったことがあっても突然の出会いでうまく褒めちぎるのは、相変わらずなかなか難しい。

それに拙い英語でマトを得て、話すのはこれでも頑張った方だった。

でも世界に出ていろんな国人たちと話すと結構「日本っていい国だよね!どのあたりから来たの?私は日本のOO好き」とかってサラサラ話す人たちがいる。

インターナショナルに話すってそういう物の見方を養うことも大事なんだと知ってから、その国の特徴とか人の雰囲気とか居心地の良さ(なぜ良いか)とかって直感で感じることが大切なんだと思ってる。

彼は世間話もほどほどにすると

「僕これから写真を撮りに出かけるから!」

と揚々と出ていった。

ちょっと安心した。

言葉が上手で話が上手い人には緊張してしまう。

そもそも私はベラベラ話続けるのが上手い方でもない。

大して面白いことを言うわけでもないし、いい感じに話のキャッチボールができるわけでもない。

だから日本ではお酒を飲んでる時間の方が好きだったわけで・・・。笑

チェコぶりのドミトリーは緊張したけれどベッドやシャワー室が清潔に保たれていて快適に過ごせた。

そして、毎度のパッキングタイム。

キャンプなんか行くときにこれは何かのパズルでしたか?と思うほどきれいに上手に隙間を使って、収納する人たちがいるが、そうではない人たちもいるのが事実でそれがうちの夫ヒサシだ。

目についたものから詰めていくので、閉まらない・・・・。と途方に暮れるのだ。

というやり取りは何度か喧嘩してやっているので、今や私がやるお決まりの作業を今日もササっとこなし、

午前中に泊まっていたホステルをチェックアウトし、重い荷物を引き下げて、バス停まで行く。

本当に、毎度毎度荷物が重くて大変だった。

いつも一番重いバッグはヒサシが汗だくになりながら、運ぶ。

私はその後ろを具合悪そうに重い荷物を前後に背負ったまま、目に止まる景色たちを撮影しながら道をゆく。

この市場の写真もそうだ。

朝が早いと昼通ったときには何もなかった場所に人が活気付いていたりする。

市場って、朝だけしか無いから好きなんだ。

時間限定だから。なんか幻をみてるみたいで。ちょっと刹那的で。

それでいて、新鮮だし、人もワァッとたくさんいて。

私は何を買うわけでもないのに、通路をざっくりと回りながら、写真を撮って、バスへの道へと戻った。

H「何が売ってた?」

C「ん?花とか野菜とか。ラベンダーのポプリはここでも売ってたよ。この辺の名産なんだね、きっと。」

H「フーン・・・」

荷物が重くて会話は続かなかった。

バス移動2時間

2018年9月22日からモンテネグロに決〜めた!

クロアチアのドブロヴニクからモンテネグロのコトルへは2時間。

ここへ決めた理由は・・・

「遠すぎないから。そして町が世界遺産に登録されているから。」

バス移動が長いと乗ってる時間についても考えるようになる。

気分的にバスに長時間乗ってもいいな〜って言う時と。

そうでない時があって、今回は近いけど、でもちょっと移動しようか。

と、そう言うような気分だった。

それに調べてみると、コトルはフィヨルドを持った地形で、とても美しい場所とあった。

長居はしないけれど、少し物価の低い場所でゆったりするにはちょうど良さそうだった。それに次の目的地も比較的決めやすそうだった。

コトルへは、2時間だったので昼頃にはモンテネグロに到着した。

ヨーロッパと元ソ連の境界とか、中欧と東欧の間がどのあたりにあるのか?なんて考えたこともなかったけれど、その雰囲気をこのモンテネグロあたりから私たちは感じ始めることになった。

そういえばモンテネグロという名前。

実は、「Monte(山)Negro(黒)」で黒い山という意味。なんか単純に付けられた名前・・・って感じ。

日の登る国「日本」みたいなロマンは感じないかも・・・笑

ファーストトラブル

到着後、私が荷物を持って歩いていると、タクシーを止めようと歩いている人がいた。

私はそこまで広くない歩道をまっすぐ歩いていた。

その女性もそこまで車道側を歩いていていなかったので、そのまま私は直進した。

すると、勢いを増した女性は手を車道側に出したまま、こちらに歩き私にぶつかった。

重い荷物を持っていた私はよろけたが、彼女は驚いた顔で怒った。

「何処みてるのよ!危ないじゃない!!」

何を言ってるのかわからなかったけれど、おそらくそんなことを言ってるように見えた。

結構な勢いで叱られた私としては、タクシーに気を取られて、こちらを気にしていないのも悪いと思うけど・・・。

と腑に落ちなかったけれど、一言

「sorry」

と言ってその場を去った。

H「なんだあれ、、すごいな、勢いが。」

C「ね、あんなヒステリックにならなくてもいいのにねえ。」

私たちはBooking.comで予約していたホテルに到着するとホストの話が始まった。

ホストは暑いのと汚いのが大嫌い

「ここがシャワーで、ここがキッチン。お茶は自由に飲んでいいわよ。ここがあなたたちの部屋ね。

それから絶対に守って欲しいんだけど、ここでは絶対に絶対に料理しないでちょうだい。

見て!ここには換気扇がないでしょう?だから、すごく暑くなるのよ。

それにね、ここでは料理はしないで!って言ってるのに、前に料理した人がいて、そしたら本当に掃除はしないし、汚くなるし、暑いしで最低だったの。

だから、お願い、料理はしないでちょうだい。」

C「わかった。料理禁止ね〜。即席のスープとかはいい?」

ホ「そうね、でも絶対に終わったら掃除して頂戴ね。汚さないで。」

ホテルの近所

潔癖・・・?

H「まあたまに酷いやついるもんな〜ホステルとか泊まると。自分の部屋じゃないからなのか、そもそも掃除することを知らないのか。ってやついるもんな。」

C「でもそれならそうって書いてくれればよかったのにね。キッチン無しって。困るよね〜。ご飯どうしようかね。」

自炊ができると思っていたので、これは困った。

適当にその辺でサンドイッチとか買って食べるんだな。

仕方なく、私たちは外で何か食べれないか考えることにした。

と、ここでモンテネグロに関する重大な十戒を夫ヒサシが見つける。

モンテネグロ人の十戒

H「これ見て。モンテネグロヤバイ国かもしれないよ・・・?」

1. Čovjek se rodi umoran i živi da bi se odmorio.

(働くべからず。労働は汝を死に追いやる)

(人間は疲れて生まれてくる。そして休むために生きるのです)

2. Ljubi krevet svoj kao sebe samog.

(汝自らの如く、汝のベッドを愛しなさい)

3. Odmaraj se danju, da noću možeš spavati.

(夜によく眠れるよう、日中はよく休息を取りなさい)

4. Ne radi, rad ubija.

(仕事はやめなさい。自殺へ追いやります。)

5. Ako vidiš nekoga da se odmara, pomozi mu.

(誰かが休もうとしているのを見かけたら、手伝ってあげなさい)

6. Radi manje negoli možeš, a ono što možeš prebaci na drugoga.

(労働はなるべく少なく。他人に与えられる仕事は分け与えてあげなさい)

7. U hladu je spas, od odmaranja još nitko nije umro.

(日陰は救いである。休息を取って死んだ者などいない)

8. Rad donosi bolest, ne umri mlad.

(労働は人を病気にする。若くして死んではならない)

9. Kad slučajno zaželiš raditi, sjedni, pričekaj, vidjet ćeš, proći će te.

(労働の意欲に駆られたら、まずは座すのです。そして待ちなさい。じっと様子を伺うのです。そのうち意欲は消え失せるでしょう)

10. Kad vidiš gdje jedu i piju, primakni se, kad vidiš gdje rade, izmakni se da ne smetaš.

(飲み食いする者を見かけたら、その輪に加わりなさい。働いている者を見かけたら、遠ざかりなさい。彼らの邪魔をしてはならないのです)

C「すごいね・・・。一つ一つの怠けっぷりが!日本人とは全く別の考え方!こういう考え方する人たちもいるんだね。笑」

あまりにも面白かったので、一つひとつを声に出して読んだ。

面白すぎて、笑いが止まらなかった。

私は

C「この中でね〜一番好きな十戒は3番目の「夜によく眠れるよう、日中はよく休息を取りなさい」かな!

でも休みすぎたら、眠れないよね?」

H「チカ、寝るの好きだもんな〜。本当よく寝るもんね。移動中。景色とか見なくていいのかなっていつも思うよ。俺寝れないからいいけどね。」

C「でも日本人の私たちは8番の「Rad donosi bolest, ne umri mlad.

(労働は人を病気にする。若くして死んではならない)」

は、覚えておいた方が良さそうだね!」

H「たしかに。俺は過労死も鬱病にもなる気しないけど。」

C「そうなの?」

H「だってそこまでして働く必要なくね?」

C「まあ、嫌ならやめればいいよね」

H「そんななるくらいなら辞めて、どっか違うとこ行ったり、違うことした方がいいよな。死ぬって本当意味わからない」

C「でも、周りが見えなくなってわからなくなって声を上げられなくなっちゃう人たちもいるし、そういう人が自殺したり、過労死になるんでしょう?でも、たしかにヒサシに自殺は考えられないね。」

H「日本人は働きすぎなんだよ!」

C「でも給料低いしね。」

H「選んでるからでしょう?」

C「男はガテン系でいい給料もらえばいいかもしれないけど、女の人がやってきた職業で給料がいい職種なんてないよ?

看護師くらいじゃない?

保育士も、介護士も、国家資格まで取れなければただのヘルパーで、それで食べていける人なんていないじゃん。」

H「保育士なんか、国家資格までとって安月給なんてやる人の気持ちがわからないよね。」

C「でもやってくれる人がいないと困るし、みんなができる仕事じゃないけどね。」

働いてない私たちの職業選択論議は延々と続いた。

コトルの観光

中世の街並みが残る旧市街の上には救世処女教会があり、さらにその上まで道は伸びている。この場所からの景色が素晴らしいとの情報があり、まずは腹ごしらえにレストランに入る。

しかし、このレストランがまた、怠惰を極めている。

入って20〜30分。メニューと店員が現れることがなかった。

流石にヨーロッパの国々ではこうも長く待たされることは続いていなかったせいか、少し「長い・・・。」と感じたものの、南アメリカでこういう状況には何度もあって耐性も付いていたから、腹は立たなかった。

店員にオーダーを伝え再び待つ。

やっときた!と思ったらサイズの違うものがきた。

レストランのメニューに200g,250g,300gと書いてあったので肉の重さかと思いきや、なんと「トータルで」という意味だったのらしい。

付け合わせの野菜も入っていたから、250gの肉が来るかと思いきや、小さな小さなお肉だった。

なかなか理解に苦しむ。

H「なんでなんだよ、それじゃあなんでもありじゃないか!!」

憤慨するHを横目に見ながら私は自分のパスタを食べた。

不思議な国・・・モンテネグロって。

ご飯を待っている間に夕方になってしまったので、仕方なく城壁の山の上に行くのは明日に変えて、旧市街の街の中を歩いた。

C「クロアチアに似てるね」

H「ほとんど一緒だね」

C「ヨーロッパの隣同士の国は違う歴史はあるのかもしれないけれど、同じようなことやってんだね、やっぱり。」

こじんまりとした街並みは可愛かったけれど、やっぱりドブロヴニクの方が歩きまわる楽しみがあった。

フィヨルドへ行ってみる

コトルの町はフィヨルドという地形で、海だけれど湖のような景色になっている。

海、だけれど湖。というのも山々が海を囲んだ地形で、海水はもちろん入ってくるし、船の行き来も海とつながっているので自由にできるけれど、その風景は湖そのもののこと。

景観が美しく、波がないのが特徴。

コトルではその地形を生かして、プールが作られていた。

プールだけど海、海だけどプール

私たちもここで少し水浴びをしてみたけれど、底の無い海はやはり少しこわかった・・・。

コトルの観光2

城壁を登りに行く。水分補給用にペットボトルと、私のウエディングドレスをバッグパック に詰めていく。

ここから上へ上へ

ちょっと人が少ないくらいの方がやっぱり、撮影しやすい。

あんまり人が多いと恥ずかしいしね。

モンテネグロの気候はその他の南欧の国と同じで昼間は30度近くに達する。

ちょっと記念撮影!

朝は早めに出発したものの汗だくになりながら、登った。

小さいけど可愛らしい街並みが少しずつ遠ざかっていく。

何があるってわけでもなかった。

景色が綺麗だったので

途中でウエディングドレスに着替えて、2人で写真をとる。

ドブロヴニクで撮ってたらこんなリラックスして撮れてなかったかも・・・?

結婚1年目!の夏♪

夕食と癇癪

例によりキッチンが使えない私たちはテイクアウェイができそうな店を目につけておき、そこでケバブ?とポテトを買って帰ることにする。

注文してから結構な時間がかかっていたので「そろそろできる?」とヒサシが聞くと

「黙って座ってろ!」というようなサインを送られたそうだ。

モンテネグロ。さすがは手強いな!笑

どうも私たちは運が悪いのか、それとも真のモンテネグロ人と出会えてラッキーなのか・・・こういう扱いが多くされた。

やっと購入した夕ご飯を提げてホステルに戻り、外のテラスのテーブルで広げて食事を始めた。

シシカバブとポテトにサラダがたっぷり!

美味しいね。と食べていると、隣に宿泊していたカップルが来て、4人で話し始めた。

どこから来たの?何してるの〜?ここにはどのくらい滞在するの〜?とそんな内容だった。

2人はロシアから来たのらしい。

さすが、このあたりは旧ユーゴスラビアということもあるせいなのかロシア人はそこそこいる。

クロアチアでも英語、そしてスペイン語、ロシア語の観光案内をちらほら見たから、ロシア人がいることは気づいていたけれど。

そうして4人で談笑してると、ホテルのオーナーが帰ってきて、私たちを見て怒り始めた。

「もう、こんな時間にそんな話声で話してたらうるさいじゃない!静かにして!それに何この食べた後は!」

私たちがまだ片付けに入っていなかった皿も文句をいいながら全部持っていった。

あ、それはこの後洗おうと思っていたのに・・・。

次の日もこの人に散々怒られた。

チェックアウト後もバスに乗車するまで時間があるから5時までここの共有スペースにいてもいいって言われていたのに、それも物凄い剣幕で断られてしまった。

料理をしたと勘違いしたらしい。

すぐ怒らなくてもいいのに・・・。

モンテネグロ人はちょっと恐い・・・という印象に終わった。

明日からはバッキバキの元社会主義国マケドニアへ!!!

ちょっと記念撮影!

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