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ウロス島ツアーに行ったら残念な気持ちになった。【プーノ・ペルー】

チチカカ湖畔の町「プーノ(Puno)」。プーノ観光の目玉といえばチチカカ湖に浮く葦で出来た人工の浮島「ウロス島」。

そこで生活する先住民のユニークな生活を見れるツアーが人気で、行く前はとても楽しみにしていた。

だが実際に行ってみて残念な気持ちになってしまった。

お金が欲しい先住民とそれを見に行くたくさんの観光客。

毎日毎日繰り返される消費活動のうちにどんどん見世物と化していき住民もスレていったのだろう。

ウロス島 (Uros Islands)とは?

島全体がトトラ葦と呼ばれる植物で出来た島の集まりで、その島にある家などの建物もほとんどトトラ葦でできている。トトラ葦を束にしたものをブロック状にし、何層にも重ねて島を作る。島と言うか大きな船。

島どうしをくっつけたり切り離したりするのも自由なので、60ほどある浮島は、住民の都合によって数が変わる。

島には学校や病院、レストランや商店、観光客向けの宿泊施設もあり宿泊も可能。ソーラーパネルもあるので電気もある。ウロス島の住民は元々漁業などをして生計を立てていたが、現在は収入の大半は観光業だという。

ツアー

たくさんのツアー会社がウロス島ツアーを扱っており、一番短いもので2時間くらいのツアーで値段は約10USD(朝発と夕方発があり)。他には宿泊できるものや、1日かけてウロス島とタキーレ島を回るものもある。

残念なツアー内容

筆者たちは一番短い10USDのツアーを行った。(長いものでも内容はほぼ変わらないだろう。)チチカカ湖畔に集合し、ウロス島へ向かうボートの中でスペイン語と英語でウロス島の歴史などの説明を受ける。

程なくしてウロス島に到着。先住民のおばちゃんがボードやミニチュアなどを使い、島の作り方や暮し向きなどを彼ら言語で説明し、それをガイドに英語とスペイン語に通訳をしてもらう。

その後、家の中を見せてくれると言うので、おばちゃん先導で家の中へ。まったく生活感がない…そこでも多少の説明を受け、お土産を買うように促される。しかもさきほど通訳を使っていたおばちゃん、英語とスペイン語がある程度喋れるようだ。何のための通訳だったのか…

外に出るとまたお土産の前に連れて行かれ、営業。無視して島内をウロウロし、写真撮影などをしていると、今度は葦で出来た船に乗るように促される。もちろんこれもツアーの一部だと思い船に乗り込んだ。

しばらく船が進むと船の上で遊んでいた子供たちが歌を歌いだす。それも色んな国の歌をその国の言語で歌い出す。その中には日本語もあり、歌は「チューリップ」。おそらく毎日やらされているのだろう…乗客が拍手をしても気にすることなく無表情で歌い続ける子供たち。

歌が終わると子供たちが被っていた帽子を持ってチップをねだりに来る。一生懸命歌ってくれたので、船に乗っていた観光客は全員幾らかあげていた。筆者たちもほとんどの人がそうしていたように持っていた細かいお金を全て帽子の中にいれた。

子供たちの表情は変わらない…

すでに多少残念な気持ちにはなっていたが、子供たちも毎日やらされていて辛いのだろうと思い気の毒になった。

しかしここからがさらにえげつなかった。船が浮島に戻り降りようとしたところ、今度は船を漕いでいたおばちゃんがチップを要求。

すでに子供たちにあげてしまったので、細かいお金がない。払わないで降りようとすると、さらに執拗に要求してくる。払うまで動かない。

最終的に筆者たちを含めた全員が渋々またチップを払う。細かいお金がないので仕方なく大きめのお金を。しかもおばちゃんも無表情で「ありがとう」もない。ガイドも終始見て見ぬふり。

ツアーの初めから最後まで特に歓迎されている感じもなく、観光客からお金を取ろうと、あの手この手でくる感じが筆者たちをとても残念な気持ちさせた。

こちらも物珍しさで実際にそこで生活している人たちを見に行っているので、ある程度は我慢するし、お金も払うべきだが、観光客からお金を貰って生計を立てているならもう少しやり方があるのではないだろうか。

ウロス島の基礎知識

ツアーは残念な内容だったが、ウロス島とそこに住む住人の生活はとても興味深い。ツアー内容をわかった上で参加して、生活様式やトトラ葦で出来た島や建物を体験するのは面白いだろう。(実際に筆者たちがツアーに行ったときにも内容を知っているのか船にのるのを頑なに断っていた欧米人が何組か居た。)

その時に少しの基礎知識があるともっと楽しめる。ツアーに参加する際は、少しの知識と小銭をたくさん持っていくことを忘れないようにしよう。

歴史

ウロス島に暮らすウル族は元々はチチカカ湖畔に住んでいた。約3,700前にこの地にやってきたインカ帝国の侵略から逃れる形で、湖畔の生活を捨てチチカカ湖に浮島を作り移り住んだのが始まり。

大きいチチカカ湖の真ん中に浮島を作って住んでいたウル族は、1986年に起こった嵐までは忘れ去られていた存在だった。その嵐によって壊滅的な打撃を受けたウル族の多くは陸の生活に戻ったが、幾らかの人がウル族の伝統を守るため残り現在の姿がある。

現在の姿

ソーラーパネルの普及により見た目より現代的な暮らしをしている。島にはテレビも普及していて、携帯電話も普通に持っている。

さらにウロス島にはラジオ局もあり伝統音楽などを流しているそうだ。また病院や小学校もある。子供たちは小学校を卒業すると、島内にはないので陸地の中学校、高校に通うようになるという。

食事

観光からの収入が大半を占めるが、それでも伝統的な方法でチチカカ湖にいる魚やナマズをとったり、コウノトリなどの鳥を飼い卵を産ませ食べている。またトトラ葦の根本の白い部分は食べれるらしく、それは痛み止めなどの薬としても利用されている。

浮島の作り方

数千年前に考え出されたとは思えないほど技術水準が高い。チチカカ湖にはトトラ葦がそこら中に生えてるので、それを刈り取り、しっかりと何層にも編み込む。(その厚さなんと2メートル!)そうしてできたブロック状のものを何個も繋ぎ浮島を作る。浮島はロープを使って湖底に固定し流されないようにする。

浮島のメンテナンス

時間が経つと下の方の葦から腐って行き湖に流れていく。浮島の上を人が歩けば歩くほどメンテナンスの頻度はあがり、早いもので3ヶ月毎に新しく上からトトラ葦を編み込んだものを重ね行く。ちゃんとメンテナンスがされている浮島は30年は持つらしいというから驚きだ。

最後に

観光用に作られた浮島の生活や、あの手この手でお金を取ろうとしてくる住民たちにうんざりし残念な気持ちになる。

しかし誤解がないように言っておくと、葦で作られた浮島、そこで生活していたウル族の伝統や暮し向きはユニークで面白い。ツアー内容がどういうものか理解した上で、何を見たいのかをハッキリさせてから参加すれば楽しめるだろう。

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