2010年ごろ。まだ日本人も来ていない頃に上海から切符を買って日帰りで行ったのがこの蘇州という町である。
上海空港より
東洋のヴェニス(ヴェニスよりも歴史は古い)と呼ばれる水の都で、運河が生活に溶け込む。
蘇州という名前がついたのは西暦500年前後。
街並みは古き良き時代がそのまま残っている。
街の中には世界遺産も多く残っており、見所満載だ。
明の時代の正徳年間に建築された中国四大庭園の一つ。
最も歴史のある古典庭園。
明るく爽やかな趣が強い明時代の庭園はユニークな風景で組み立てられ、
飾り気の無い自然なスタイルを確立し中国古典庭園のスタンダードとなった。
緑が豊かでない時期に行くと若干物足りなさすら感じる質素な作りだが窓の装飾や屋根など、
細かな部分に趣向が凝らしてあるため見逃さない様に注意して見学していこう。
こちらも明の時代、万歴年間に建てられ、清時代の同治年間に再建された中国四大庭園の一つ。
庭園と邸宅が一体化しており、用途によって建物が別れている。
ワインディングした複雑な配置で「園中に園あり、景外に景あり」と謳われる庭園芸術傑作。
蘇州古典庭園の中でも独自の一派を成す。
最高の格式で完璧な蘇州庭園と言われ、庭園の設計者がお手本とした小園。
「夜の花園」というイベントでは崑曲や評弾(大衆園芸、日本の講談のようなもの)など、
蘇州の伝統芸能が披露され、江南音楽の独特のメロディとともに、夜の花園を楽しむことが出来る。
上海は東京のように技術やサービスが発展している街だが、蘇州は鎌倉や箱根の様な雰囲気が特徴。
古い文化や建物を生かした街並みのため、ちょっと足を伸ばしてみるには十分見応えのある街と言える。
筆者は7年前の2010年にこちらへ訪れたが、この頃には街にカフェなど無かった。
その上駅前にはきゅうりを丸ごとボリボリ食うおばちゃんが中国語で話しかけてきて、
ガイドツアーの交渉を中国語VS日本語×英語でやりあったりした。
結局そのときはお金がなかったので歩いて街を散策して世界遺産を一つだけ見て帰ったほろ苦い思い出である。
カオス状態が好きな方は日本のガイドブックには載っていない駅や街に足を伸ばしてみることをお勧めしたい。