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“The Travel Story 49” -宇宙と交信する国- 【マチュピチュ ペルー 3】

サシと過ごすのは最後の日!(前日)

私たちはサシが見つけたレイブパーティーへ行こうとクスコから車で5時間ほどの場所へと向かうことにしていた。

ホテルにサシを迎えに行ったが、どこにも出かける雰囲気はない。

「行くよ!!サシ!早く!」とツッコミ、旅ののんびり気分も吹っ飛ばした。(笑)

ポップコーンを買うサシ(選択が可愛く感じる)

こういうマイペースなところ、その場では「なんで!?」と反応してしまったけど、パーソナリティと思うと憎めなくて好きだ。

コレクティーボ(乗合タクシー)を見つけて乗り込む。

ここでもスペイン語が使えない私たちは後ろからついて行くだけだった。

乗合タクシー コレクティーボ

こんな感じの普通の車に乗る

コレクティーボの中にはアジア人がひとり。

名前は「チーヨ」(韓国出身)でボリビア在住。

住んでいる村はヒッピーが住んでいるとか。ほとんど電気なんかも通ってないと話していた。

とにかくチーヨは話好きで、しかも私たちが行こうとしているレイブパーティーに行くのだと言う。

右手前が韓国人のチーヨ。韓国中国日本人て全然見分け付かないよね。

挨拶が済むと、今日この車がどこまで行くのかチーヨとサシが確認し始めた。

私たちがまず行く場所は “SANTA MARIA”。そのあとは別のコレクティーボを使うと聞いていた。

でも、チーヨは違ったらしい。

私たちが行けると聞いていた “SANTA MARIA”からさらに先の “SANTA TERESSA”というところまでで、金額を決めたという。

すると、ここでドライバーがゴネ始めた。

D「そこまでは行かない。そこまで行きたいなら俺は連れて行かない。戻る。」

なんだと!?ここで私たち3人もそれは無いだろ!と加わる。

と言っても相手はスペイン語しか伝わらないから、話しているのはチーヨとサシだけ。

私たちはこれは困ったと自体を見守るだけだった。

そして、チーヨが激怒して喧嘩したのちに、チーヨが折れることで自体は収束した。

食い違い

(ここからはドライバーと乗車した4人のバトル!写真は撮影出来なかったのでクスコの景色を一緒にご覧ください。)

時刻はちょうど12時ごろに出発して一悶着を終えてから、3時間が経って16時を過ぎていた。

が、ここでドライバーが店の前に勝手に車を止め、同乗していたペルー人とともに食事をオーダーし始めた。

チーヨ「いやいやいやいや!聞いてないよ!私たちはノンストップで行くと思ってたんだけど!」

怒り始めた。が、何食わぬ顔でドライバーたちは食事を待っている。

サシも一緒に怒って話をしてくれていたが、全く聞かない。

私とH氏は二人で黙って自体の成り行きを見ていたが、フツフツと怒りが込み上げてきた。

こっちはこの後もまだ先があるっていうのに・・・。

説明もしないで、自分のことしか考えないで、コミュニケーションも取らないで!ひどい!

なんだか腹が煮え繰り返ってきた・・・。

この怒りは一体誰にぶつければいいんだ?

私は自分の心と話しているうちに何か吹っ切れた。

日本語でいいわ!怒ってることが伝わればいい!!

「最初にランチの時間を取るなんて説明しなかったでしょ?

こっから目的地までどのくらい離れてんの?ちゃんと教えてよ!

あなただけの時間じゃ無xXoOAjurJAGIPidjhk!!!!!!!!」

同時に3人のアジア人に責め立てられて、当然ダメージも受けていると思いきや、ドライバーは何も感じてないような顔で私たちを見ていた。

私の方は英語も交えながら、声を張り上げたためか体がワナワナ震えていた。

ペルーでよく見かけたチーズ

怒りを声と態度でぶつけることに慣れてないから、エネルギーの消耗が激しい。一息、ため息をつくと外に出た。

私の後はチーヨとサシがスペイン語でドライバーとやり合っていた。

別にご飯を食べるくらい大した問題では無い。もちろん、そう。

だけど、どんなに言葉が通じなくても、コミュニケーションって不思議なもので、気に掛けてくれてたり、気遣いを感じるだけで本当に安心感が違うし、お互いにスムーズに行くんじゃないか。

一言言ってくれるか言ってくれないかの違いで全然、違う!!!

反面教師め、学ばされた。

最終的にはチーヨがトドメの一言を浴びせたらしく、ドライバーともう一人はスゴスゴとお弁当を片手に持って車に戻ってきた。

こんな山道を走った

その後、1回乗り換えをして、目的地到着。

日は沈んだ後で、もう暗くなりかけていた。

私たちは宿を決めると夕食を取り、お酒を買ってパーティーの会場へと向かった。

Psytrance Party

パーティーは23日続くらしいが、私たちは一泊だけ。

この後はマチュピチュへ向かう予定で、一泊分だけの入場料を支払った。

2000円。

中に入ると、ヒッピーらしい格好をした白人たちが何人か輪を作っている。

巨大なアボカドを半分にして大爆笑中の男の子がいた。

挨拶して、ここに座ってもいい?と聞くともちろん!と即答してくれた。

輪がすぐに大きくなる。そして「どこからきたの?どこに住んでるの?名前は?」などと世間話 。

ゆったり話をして、誰かが何かをするのを見て、笑ってる。そんな時間が続いた。

チーヨはこの間寝床を作ると言ってキャンプサイトに消えてしまったが、パーティーの方も一向に盛り上がりを感じなかった。

人数も数えられる程度で関係者含めて40人くらいだろうか。

これだったら、ホームパーティーとしてやってたほうが格好よかったんじゃないか・・・という規模感。

これにはサシもがっかり。

「ちゃんとやれよ!」と心の怒りを空に当てていた。

三日間もやるなんて信じがたかった

アヤワスカ (Ayahuasca)

そういえば、南米を旅している間よく話題に昇ってきていた言葉の一つに「アヤワスカ」がある。

サシはこのアヤワスカを試す体験のツアーに行ったそうで、そこでスペイン語も勉強したのだそう。

彼がいうにはこのアヤワスカ。それはアマゾン北西部で伝統的に用いられている幻覚剤、だとか。

ArtGrafx FREE Wallpaper / artgrafx2
画像はイメージです

その幻覚を見るのには魔法を使うシャーマンがこれを与えてくれる。

飲んだ人は嘔吐する人もいれば無意識と意識の間を溺れる人もいるし、赤ん坊に戻る人もいる。

歌ったり踊ったりする人もいれば床を這い回る人もいるらしい。

こういうものの先に、植物のささやき、宇宙、体内、超生命体、霊的なものを見せる全世界の目であるとも言われている。

The Shaman / adavey
画像はイメージです

Wikipediaに詳しく載っているので、気になる方はぜひ読んでみて、新たな世界の予感に身震いしてほしい!

サシはいい体験だった。と話し、私もこの無意識と意識の間、そして植物や宇宙とのつながりを感じられる異次元のものを試してみたい!と思ったが、H氏によって、その希望は絶たれた。

「そんなにやりたいの?俺はCが吐いたり唸ってるところ見たくないよ。」

そんなに悪いことばかりじゃないから、みんなやるんじゃないの?

「人生が変わる、世界の見え方が変わる。」そんなことを言う人もいるらしい。

もちろん、気持ち悪くなって終わりって人もいるらしいけれど。

このアヤワスカをやるには通常3日間が必要で、その間は村の中に入るのだが、H氏にしたら、3日間もアヤワスカだけに使うのは勿体無い、もっと別のことに時間を使いたい!とのことで、結局私が経験することはなかった。

/ brindle95
画像はイメージです

無縁だったらしい。これはこれでいい結果だったのかも知れない(人生知らなくていいこともある)。

でもそういうものが世界にはあって、これを体験したいと思う人も一定数いて、そしてそれをやったからと言って特に変わらない人もいれば大きく転換する人もいること。

そして、そういうものが観光ビジネスの一つになっていることを知れたのもいい経験に思えた。

世界にはまだまだ知らないものや知らない常識があるんだ!と心が踊った。

パーティーは午前2時頃にやっと盛り上がってきたところで、大雨が降って来てしまい中止。

仕方がないからと夜中に部屋に戻って、少し眠り私たちは早めにマチュピチュへ向かうコースへ。

お別れ Bye bye Sashi!

ちょっと疲れた顔で記念写真

サシとは翌日の朝、ホテルの前でお別れした。

この先いつ会えるのかはわからないというのに私たちの別れはあまりにもドライで。

それが旅をたくさんしてきたってことかな、なんて納得させて先の景色をじっと眺めた。

目指すはアグアスカリエンテス

マチュピチュがある山、その山の奥に温泉の湧き出る町がある。

アグアスとはお水カリエンテス温かいという意味で、温かいお湯がそのまま街の名前になっているのらしい。

そして、今日はそこを目指す。

Stand by me Course

タクシーが近くの村に到着すると、

「ほら、ここからだよ!」と、車から降ろされた。

ここから全長10kmの通称スタンドバイミーコース、インカレイルの線路を辿るトレイルの旅が始まった。

歩くのは10km、私たちが1km歩くのには早足でだいたい30分くらい。

だから、全部で5時間くらいを想定して、歩き始めた。

クスコで購入した軽食用のお菓子

パーティー明けの体には少し応えるけれど、前に足を出すだけのフラットな道だからそこまででもない。

足元も見たくなくなるようなひ弱そうな橋をいくつか渡ったりして、南米らしさを感じる。

かと思えば、私たちは歩いたほうが楽しそうだから乗らない(高すぎる)と決めた豪華な客室のペルーレイルがポーッと高い音で汽笛を流しながら細い道をすり抜けていく。

途中で休憩をしながらも、私たちは順調に進んだ。

足場は安定していなかったり、砂利が多かったり、大きな水たまりがあったりと少しもたつくこともあったが、周りの自然は本当に豊か。

この時期は5月でもう南米は秋に入っている頃だったが、緑が豊かで空気もしっとりとして、クスコで感じていた乾燥は全く感じなかった。

疲れてきたな。と思う時があると、休憩を入れ関係のない話をしていた。

この時期、H氏は水滸伝(北方謙三 著)翔ぶが如く(司馬遼太郎 著)を読んでいたのだが、そこに出てくる人々は今の人間では考えられない距離を歩いていたらしい。例えば鹿児島から東京までとか・・・。

その人たちの歩き方は今とは全く違っていて。

ただ長く、早く歩くために考案された歩き方を実践していたとか。聞いただけでは想像できない。

C「そんな歩き方、本当にあるの?」

H「あるんだよ、俺が前に一緒に仕事していた英樹さんも少林寺拳法の黒帯だったらしいんだけど、力を入れなくても人を倒せる方法があるんだって!前に DVD見せたでしょう?」

確かに東京に住んでいた時代に見たことがあり、そこでは力を入れずに、姿勢を変えずに襲い来る相手を瞬殺で床にひれ伏す方法なんかを実践していた。

今の私たちには想像も付かないことやってたんだな〜なんて関心した。

アグアス・カリエンテス

歩きにあるきもう着く頃だろう?とふと顔をあげるとアグアスカリエンテスの街に到着した。

5時間も歩き続けたんだ。9時ごろからほとんどぶっ通しで。

宿を決めるとアグアスカリエンテ(熱いお湯)の源の温泉に行くことにした。

水着着用で男女一緒のプールのような水槽に入る。

湯加減はかなりぬるい!もっと熱々で入りたい・・・けど長風呂にはちょうどいいのかな。

それに中でビールやカクテルなんかも飲めてリゾートな気分で楽しめる!

湯上り後は更衣室で着替えだが、これまたプールの更衣室って感じで、日本人の私にしたらかなり味気なかった。

あー!温泉が恋しい!

マチュピチュに登るなら早朝がいい!

なぜならそこで見る日の出が最高だから。

そんな先輩談があって、その日は早めに就寝した。

そして、6時前には頂上にいられるようにと朝は3時半に起床し、準備をして見たが、外に出ると大雨。

3時間後に外に出ると、まだ雨は降っているけれど、出れそう!ということで雨が降っている中、頂上まで連れて行ってくれるバスを利用した。

雨はまだまだ強かったけれど、前売り券に変更は不可能。

行くしかない!

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