仏陀の犬歯が奉納されている寺院「仏歯寺(佛歯寺)」でプージャ(礼拝)を体験【キャンディ・スリランカ】

仏歯寺のお堂

スリランカ中部に位置する世界遺産の古都キャンディ(Kandy)に、スリランカの仏教徒にとって聖地とされている寺院がある。 それは「仏歯寺(佛歯寺)Temple of the Tooth」と呼ばれ、正式名称は「ダラダー・マーリガーワ寺院」。

そこにはなんと仏陀本人の犬歯が奉納されているという。

仏歯寺(佛歯寺)の歴史

仏歯寺

伝説によると仏歯は仏陀が火葬された時に入手されインドのカリンガ国に保存されていた。4世紀にヒンドゥー軍の侵攻から逃れるためにカリンガ国の王女が仏歯を頭髪に隠してスリランカに持ち込んだ。

持ち込まれるとすぐに神聖な物としして扱われ、特別な時にだけ象の背中に乗せられ信仰の対象として持ち出された。仏歯は王権の象徴として都と共に移動し、最終的にキャンディに落ち着いた。

1687年にこの仏歯寺が建てられ、幾つかの戦乱を修復をしながらくぐり抜け現在に至る。

プージャ(礼拝)時には仏歯が納められた本堂の扉が開く

プージャの時の仏歯寺

仏歯寺では1日3回(5:30、9:30、18:30)プージャという礼拝の儀式があり、この時だけ仏歯が納められた本堂の扉が開かれ、仏歯が入った黄金の舎利容器を拝むことがでくる。

せっかく仏歯寺に行くのだから是非プージャの時間帯に行き黄金の容器を生で拝みたいと思うのが人情だろう。しかしプージャの時は観光客と地元の人でかなり混雑していて、誘導されるがままにしていると、黄金の容器を見て満足してそのまま仏歯寺を出てしまう、なんてことになりかねない。(筆者たちがそうだった…)

仏歯寺には他にもたくさん見所があるのでゆっくり時間をかけて満足行くまで見てから出てこよう。

筆者たちはプージャの時間帯に仏歯寺に行き、あまりの混み具合に黄金の舎利容器を見て満足してしまい一度仏歯寺を出てしまった。後で他の部分を全然見てない事に気づいて夕方もう一度行ってみた。

チケットを見せると、渋々な雰囲気はあったが同じ日に買ったチケットだったので入れてくれた。その時はプージャの時間帯ではなかったのでゆっくりと周ることができた。これは毎回使える手では無いかもしれないが、2回に分けてゆっくり見たい方は試してみる価値はあるかもしれない。

お供え物の花を売る人

お供え物としてのロータスやジャスミンの花が売っている。 誰でも供えることができるが、花の匂いを嗅いではいけない。理由は、花の香もお供え物の一部という理由から吸い込んではいけないのだそうだ。

仏歯寺の2階

入り口からずっと仏歯が奉納されている2階まで人がたくさん。列が進むのをひたすら待つ。

黄金の舎利容器を拝む人々

写真の奥の開いてるところから黄金の舎利容器の見える。写真撮影は禁止。どんどん進むように促されるのでほんの一瞬しか見ることができないが、それでもプージャの時の荘厳な雰囲気は中々のものだった。

幼児連れが多い理由は、スリランカでは生まれて3ヶ月になるまでは一切外に出さず、初めての外出がこの仏歯寺への参拝とする人が多いのだそう。

その他の見所

仏歯寺、仏教の歴史が描かれた部屋

その敷地は広く仏陀の犬歯が奉納されている2階建ての本堂の他に、一階にある、仏歯寺で一番古いお堂の奥へ進むとたくさんの仏像が安置された大きな部屋がある。そこには仏歯寺と仏教の歴史が描かれた絵がずらりと並び、他宗教の外国人などが見ても大変わかりやすく描かれている。

また本堂から外へ出て奥へ進んでいくと、50回ものペラヘラ祭りで活躍したラージャという象の剥製や昔の写真などが展示されている建物がある。

他にも、よくガイドブックなどで出てくるシンハラ建築が美しい「八角堂」。元々は王の休憩所として建てられたが、イギリス植民地時代は留置所として使われ、現在は図書室になっている。

さらに近年の値上がりにより近くにある仏教博物館も仏歯寺のチケットで入場できるようになった。

服装に注意

仏歯寺に限ったことではないが、スリランカで宗教的な施設に入る場合は露出の多い服装は避けよう。例えば、タンクトップや短パンだと隠すように注意をされる。

入り口で足を隠す為のサロン(布)をレンタル、もしくは売っている人がいるので、短パンで行ってしまった人はそこで手に入れよう。

さらに他のスリランカにある多くの寺院同様、靴を脱がないと参拝できない。入り口に靴を預かってくれる場所があるのでそこで少しお金(確か20ルピーくらい)を払って靴を預ける。

足の裏がかなり汚れるので、ウェットティッシュなどがあると便利。観光客はそこまで気にする必要はないのだが、地元の人は敬意を払って白い服装でお参りに行くのが基本だそうだ。

黄金の仏像と象牙

仏歯寺はスリランカに来たら必ず1度は訪れたいところ。敷地は広く細かく見ていくと半日かかる。プージャと合わせて見学するなら大分時間に余裕を持って臨もう。

他にもキャンディには植民地時代の歴史的建造物や美しいキャンディ湖など見所はたくさん。また文化三角地帯の一部でもあり日帰りでシギリヤロックを始めとする世界遺産や紅茶の産地ヌワラエリヤへも行けるスリランカ観光の拠点でもある。

筆者も仏歯寺を知るまでは仏陀の犬歯の存在ももちろん知らなかったし、ましてやスリランカに奉納されているなんて全く知らなかった。仏教と関わりが深い日本人なら一度は拝んでおきたい代物ではないだろうか。

仏歯寺の入場料は1500ルピー(約1,000円)DVD付き。(筆者は旅の途中で、DVDを見る器具を持っていなかったので何が写っているかは分からない。)

仏歯寺のお堂

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