ニャチャン自体はリゾートと聞いてたので色々な場所には出かけなかった。
行った場所といえば昔の市場と、お寺へ行った。
DAM市場
印象に残ったのは市場の方で名前はダム市場。先に”昔”とつけたのは地元の人がOld Marketと言っていたから。
行ってみると本当にOld(古い)で雰囲気が寂れている。
今はもう昔の話、という雰囲気で市場自体はとっても大きいのに活気がまるでない。
その理由は検索するとすぐに判明する。
「他のスーパーマーケットなどで買った方が安い。(by:TripAdvisor)」という口コミがあった。
こういう市場って多少交渉が必要でも他よりも安いことがやっぱり魅力のはず。
でもそれが全く通用しなくなってしまったんだろう。
昔は土地も安かったし、とか周りの環境も違ったし、とかあったんだろうけど周りの状況に流されてしまって今までと同じような雰囲気を保つが難しくなっちゃったんだろうな。って感じ。
中に入ると更に状況は深刻気に見えた。
中にいる人のほとんどが店の人だけで、声をかけてくるんだけどそれもなんか亡霊みたいに「マダ~ム、マダ~ム」って声をかけて来るもんだから振り返るのも怖い。
そんな感じなもんだからこの場所へはもうすでに新たな買い手がついてて、ベトナムで大手の百貨店のVinmartがここに建つらしく誇らしげに建設予定のビルのジオラマが乗っていた。
ビルの前にはかなりのスペースがあって、これだけの無駄スペースがあっても私たちは売上十分上げられますよ、という雰囲気。
やはり大きな資本は強い。日本のAE●Nみたいなもんだ。
便利になることは本当にありがたいことだし、個人店みたいなのが勝てないのはそれなりに理由があるんだろうけど、どこの地方に行っても中身が同じEA●Nだらけになるのは本当に味気ないし、「文化を残す」という意識の薄い日本らしい動きだな。と思う。
伝統文化やAKB、マナーなどだけが日本文化ではないはず。
米粒みたいな抵抗かもしれないけど、日本では町にあるそれぞれ専門の商店、八百屋とか豆腐屋さんとかお茶屋さんで物を買うようにしてた。無くならないでくれると嬉しいな。
次の目的地
ニャチャンというリゾートまで来てリゾート気分を味わなかったのはもったいなかったのかも知られないが、私が持っているベトナムの印象といえば国のほとんどが海に面していて、お隣りの国のラオスに一ミリも海岸を渡さず全ての海の恵みを享受しているイメージ。
上から下までよく知られている町といえば全て海沿い。
それに前にも訪れたことのあるムイネーなんかも興味がわかなかった。
そこで調べたのが山側。
北側から入っていれば棚田に行ったり、モン族などの少数民族へ会いに行ったりとかいうことも考えられたのだが、我々がいるのは南側。それに動物園ぽい感じに観光地化された少数民族を観に行くのもなんか微妙ってことで調べると出てきたのはダラット。
この街はベトナムの南部の山間部に位置し、ニャチャン行きやサイゴン行きのバスもあり、フランス植民地時代にフランス人の避暑地として栄えた町とのこと。
これは今まで見たベトナム とは違う顔が見れそう!
ということでホテルでバスの予約を取り、ダラットへと向かった。
バスはラオスで乗ったようなオンボロミニバスではなくかなりちゃんとしたツアー用のバス。
バスの料金は大体600円程度で乗車時間は3時間半ほど。3時間半ほどといえば静岡の沼津あたりまでだろうか。
その距離を600円でいけるのだ。なんともありがたい。(某記事で読んだのだけど日本てバス・電車の公共料金高すぎらしい。)
道中に休憩時間はなく、山道でも容赦ないスピードでカーブし、ハンドルを切りまくるドライバー。
途中猛スピードの中、勇気ある一人の女の子がトイレのためバスを止めると他の女性たちも続々と野外トイレへ。
私は自分の胃腸では絶対にこの長距離移動に耐えられないと朝の一杯の水以外何も口にしていないのでそのまま待機。
すぐに全員が戻ってくるのが確認され、また猛スピードで走り出した。
道中窓の外を見ると削られた山の道を走っているのがわかる。
山の側を見ると斜面から水が吹き出している部分がある。
日本でも四国をロードトリップしたときに見たものと同じだ。地下水が豊富なのだろう、とめどなく溢れていた。
ベトナムの避暑地
そうして街に入って行くとベトナム人だっていうのにみんなダウンやフリースを着ている。
H氏「いやいやそれはやりすぎでしょ、冬の格好してみたいだけでしょ、おしゃれしたいとかさ。」
C「ね、そんなに寒いのかな。」
なんて話すくらい本当に半袖短パンで歩いている人はほとんどいない。
間も無くして到着して降りてみると確かに、なんだか肌寒い。
やっと春が来たような肌寒さで風が冷たい。
時刻は13時前で、お昼の時間のためランチを取ることに。
とりあえず・・・と言って入ったお店にフォーとおかゆがあるようで、そこでH氏はフォー、私はおかゆを指差してオーダーした。
おかゆというと病人が食べる味のないものか、もしくは鍋料理の最後にお米と卵を足して出汁を活かして作ったおじやが日本でのイメージ。
H氏もおかゆってなんか好きじゃないと言っていた。
でも私は日本にいるときからおかゆ大好き!
ダイエット中とかに夜食をどうしても食べたくなったらボトルに保管しておいた鰹出汁のスープとご飯を一緒に茹でて最後に少しだけ醤油とごま油を足して食べたり、卵を入れて食べるのが好きだった。
で、ここでそのおかゆを頼んでみるとこれが想像以上に美味しい。
私の感覚ではフォーなんかよりも美味しい。
”日本人の舌にあってる”って感じ!
かなり美味しかったのでH氏にも味見させてみると
H氏「ここはお粥だったな。。。」
としょんぼり、お粥は興味がなかったらしいH氏も喜ぶ美味しさだった。
やっと食事を終えると、ホテルへ。
ダラットの格安ホテル
ホテルはドミトリー付きのホテルで私たちはいつも通り個室を予約。
なんと!この部屋は23㎡もある上に欧米式のシャワーブースがついていて、何より嬉しかったのは床が綺麗なこと。
きちんと床が清掃されていて、どこで寝転がっても問題がなさそうだった。
これまで汚いということについては特筆していなかったが、アジアの国ではそんなに雑巾掃除・モップ掃除のようなことをしないようでほとんどのホテルで床が埃っぽかった。
なので裸足で部屋の中を歩いていて足の裏が汚れないだけでもとっても嬉しかった。
それでいてホテルの宿泊費はなんと1300円程、もちろん2人で。
安すぎないかと疑いたくなるが平均月収が3~5万程度らしいのでそんなのもんなのかも・・・?
チェックインをしているとオーナーから「今日は泊まっている人たちも多いからベトナミーフードをうちの妻が作ってみんなで食べるんだ。一人1$だよ、よかったらどう?」とのお誘いをいただいたので食い気味に「もちろん参加する!」と答えた。
ダラットの町歩き
その日はまだ時間もあったので少し町歩きに出た。
ホテルから一番近いアートハウスへ。
地図上には「アートハウス」とあったのでどんなアートがおいてあるのかと期待していたが行ってみると、刺繍の作品がずらりと並んでいた。
ベトナムでは女の子が生まれるとお金に困らないようにとお母さんが教えていたんだって~。
今でもその名残でこういう素晴らしい技術が残っているよう。
ハウスの中には刺繍とは違う技法を使ったアートもおいてあったり、最上階にはバーも併設していたりとなかなか日本では考えられない作りになっていて面白かった。
夕刻になって歩いているとやっぱり寒い。
そこで路上で人が集まっているところに行ってみるとスープを売っている。
たけのこと卵の入った中華風のSUP(すっぷ)。
寒かったのでこれは嬉しかった。
しかも60円ほどで安い、この後隣の屋台の方が人が集まっているとそのまま行くとなんとライスペーパーを炭火の上に置きその上にウズラの卵を割って、溶いている。
さらにそこに魚肉、ネギなどを入れてそれを何回か折って焼いていた。
かなりの人がバイクでわざわざ来て食べているのを見てこれは食べておこうとおやつ追加。
サクサクに焼いたおやつみたいなものをカットしてくれてハイっ出来上がり!と食べてみると、これがすんごい美味しい!
しかもなんとここにチーズやチリなんかも入ってるからスイートホットスパイシーbutマイルド!的な感じで色々な味がするのが面白い!!!
かなり面白かったので聞いて見たもののベトナミーズpizzaとしか返ってこなかった。ふ~ん・・・。
少しお腹も膨れたなので少し遠回りして帰ってみる。
すると、なんか高級住宅街みたいな家が並んでいる。
すごいじゃん、ベトナム!こんなところあるんだ!!
そのまま歩き続けると、湖に当たった。
これがダラットの中心にある湖か。
この湖を中心に囲んで街は形成されているらしい。
さすがフランス人が作り込んだ街なだけある。
その日は予定通りにホテルで他の宿泊者と一緒にディナー。
ホテルのオーナー家族が作ってくれたベトナム料理は私たちはまだ試したことのないものばかりで美味しくて新鮮だった。
そして、ダラットは町が大きい上に観光スポットが散らばっているのでここでもレンタルバイクを借りた。
霊福寺
ある日はダラットからレンタルバイクで20~30分の場所にある寺へと向かった。
霊福寺、別名をLinh Phuoc Pagodaという寺だ。
このお寺はかなり異質で異彩を放っている。
どう異質なのかというと特に色使い、そして装飾の激しさだ。
入り口からこれだ。
このような賑やかで荘厳さとは別の方向へ走っている寺をいくら見たことがあるだろう。
たくさんの色が使われているようだがよく見て見ると茶碗などの破片が使われているのがわかる。
龍や孔雀それにぐるっと回れば桃太郎伝説。さらに階段を上ると梵鐘があり、紙と糊が置いてある。世界各地から訪れた人々の願い事が貼られていた。
私たちも願い事を書いた。そしてH氏は鐘を一突き。
「きっと旅がこのまま上手くいってみんなが健康でありますように。」
さらに歩いていくと今度は大きなお部屋が。
黄金色の大きな仏様がど真ん中に立ち、その周りをカラフルな彫刻的建築で飾り立て、さらにその周りを小さな仏様が並びその前に胡座をかいた僧達の像が立ち並ぶ。
一つ一つの像を見るのにも、壁を見るにも、天井を見るにも絵や柄が途切れず見るに飽きない。
口を開けて、なぜこうなった?の気持ちを発散するべく写真と動画を撮った。
さらに地下へと進む階段を降りるとまた別の雰囲気のスペースが。
こちらはエメラルドブッダが三体。そしてまたも僧侶の像が・・・。お経のCDも流れていてなんだか不思議な雰囲気。
そして、さらにこのフロアを見ていくとなぜかおどろおどろしい馬?が。
さらに地下があるようなので入って見ると
そこは地獄・・・?
どうやら一番下の階は地獄巡りのフロアになっている様子。
日本でもこういうものは見たことがある。たしか静岡にあるものだっただろうか。
伊豆地獄極楽巡りがあった。それと同じかそれ以上の規模で地獄の世界が表現されていた。
こんな怖いのなら悪いことはできない、とそういう気持ちにさせられる。
考えて見れば確かに階数が上がるほどに極楽の美しい世界だったかも。
とても面白いお寺だった。
それからまた別の日、面白い家とBarがあると聞き調べて見ると「Crazy house」という家が出てきた。
なんと宿泊施設になっているようだが、中を見学できるとのことで行ってみた。
へんてこな家とBAR
Crazy houseというダラットで有名な家があるので行ってみると入場料は140円くらい(30000VDN)だった。
朝10時前には到着していたがロシア人の観光客が多くいて、エントランスの前は果物やおもちゃを売る人が多くいた。
中へ入るとなんだか不思議な形の建物が並び、どこが入り口?と悩んでしまうが特にここが入り口!という場所も無いようなので適当に階段を見つけて登っていくと全体を一周することができる。
ロシアに留学していたというオーナーがここを設計し1990年から建設され今も建設・増築が続いている。
おそらくベトナムに建築安全法など無いのだろう、かなり高いところなのに柵が腰より低い位置までしかなかったり、通路だというのにかなり細い道になっていたりする。
気を付けて歩かなければ落ちてしまいそうでヒヤヒヤした。
宿泊施設と言われている割には観覧者が多いのでゆっくりできるイメージはない。そして柵ごしに部屋の中を見ることも可能。
部屋の中はなんだか木の中にある家のような感じでおとぎ話の家みたいだ。
部屋自体は10ほどあり、そのそれぞれにテーマがある。テーマは動物でその動物たちは特定の国とイメージが結び付けられているそうだ。
例えばトラであれば「中国人の強さ」、アリの部屋は「勤勉で赤蟻のように反撃する場合もある」ベトナム人を示すとのこと。
曲線が多く直角などの角を用いないことはアントニオガウディの影響を受けてのこととか。
建築自体は非常に面白いのだが、部屋を見て回る以外は特にやることもないので、観光としてはまあまあ、な印象だった。
さらに同じように不思議な建築と言われているMAZE BAR。
入口のBARで飲み物を買うとそれが入場料のようになり、その後は店の中をグルグル。
階段もフロアもなんだか見通しが悪く、様々な装飾がしてある。
ちょっと迷路みたいな感じで、3階まで行くと普通の飲食スペースがあってさらに上階にはテラスもあった。
日本にはなかなかないタイプのスタイルで面白い。
一杯のビールでこれだけ楽しめるせいか、Crazy houseよりもとても面白く感じられた。
夜は夜で、ナイトマーケットがあるらしいと街の中心へ。
ナイトマーケット
昼間は花屋が営われている道に夜は洋服屋やら靴屋などが並びその向かいに屋台が並ぶ。さらに奥には海鮮料理店がある。
さらにその周りにはビルが立ち並び入って見るとお土産屋のドライフルーツ屋や酒屋など多岐に弥ものが売られている。
土日は地元の人たちも来るのか人でごった返していたが、平日はそこまで人も多くなかった。
夜、ダラットの寒く七輪が並ぶ海鮮料理店で夕ご飯を食べることに。
席に着くとメニューが置かれ、続いて七輪がおかれる。これで自分で焼いて食べるという形式か。
日本のホルモン焼き、焼肉の海鮮版かな、とメニューをみる。
貝やうなぎ、白身魚に海老、蟹、いかなど様々な海鮮があり値段も約500円~とそこまで高くない。
好きなものを食べていいということだったので大好物のうなぎと貝をチョイス。
ビールも一緒に頼む。
缶ビールが氷を入れたプラスチックのジョッキと一緒に運ばれてきて、自分で注いで飲む。
続いて小魚が来た。中ぐらいの平たいプレートの上に山盛り乗って来る。
そしてうなぎ。今日のメインディッシュである。
「うなぎ=eel」うなぎは英語でEelという。
その意味はへびのような魚。だからもしかしたらアナゴだったかもしれない。
どちらか見分けはつかなかったが、身を開いてバサバサとぶつ切りにしたものをにんにくやハーブを使ったソースで和えたものが出てきた。
焼いて見ると弾力がすごいことがわかる。
ひっくり返すために箸でつついただけでも跳ね返す強さを感じるのだ。
そして遂に実食~。
口の中に入れると、うなぎやあなご独特の苦味と身の甘さがあるがやはり前述の通り硬い。硬くてかなりの弾力。ただし身が薄いので食べれないというわけではなく私はとても気に入った。
ダラットは涼しくてちょっと寒くて乾燥していて南国のベトナムで冬を味わえる場所だった。
日本人ウケはあんまりしないのかな。日本人ってやっぱり南国好きだし。
ダラットはフランス人と韓国人、それにロシア人がほとんどだった。
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