ペルー首都リマの観光スポットと言えば、世界遺産の歴史地区やワカ・プクヤーナが定番だが、リマのオシャレな若者が集まるエリア「バランコ(Barranco)」をご存知だろうか?
若いアーティスト達や流行に敏感な若者が集まるエリアでオシャレなショップやカフェ、レストランが点在し、いたるところにアートがある。
中でも訪れる人を魅了するのは見事なストリートアート(ウォールペインティング)たち。
筆者のお気に入りの町の一つにチリのバルパライソという町があるのだが、そこと少し似ている雰囲気を持ったアート好きにはお勧めなエリア。
ペルー最大のストリートアート・ギャラリー
バランコ地区は19世紀に本格的に作られた。ビーチに比較的近いことからお金持ちが住みはじめ、コロニアル様式の建物や細部にアートデコが施された豪華な家が建つエリアとして始まった。
日本では考えられないことだが、バランコ地区は昔からストリートアートにとても理解があり、空いたスペースを積極的にキャンバスとしてアーティストに提供し壁画(ウォールペインティング)を書いてもらっていた。
そんなバランコ地区はカラフルなストリートアート・ギャラリーとして多くのアーティストやミュージシャン、若者を惹きつけた。
ウォールペインティングとグラフィティの違い
ここでウンチクをひとつ。ウォールペインティングとグラフィティの違いをご存知だろうか?
ウォールペインティング英語で「Mural」は市やその壁の所有者から、許可、または依頼を貰い合法的に絵を描くこと。逆にグラフィティは無許可でやることが一般的。
またウォールペインティングは様々な道具、手法を使って描くのに対してグラフィティは主にスプレーだけで描く。
どちらもストリートアートと呼ばれる。有名なバンクシーの作品の多くはグラフィティ。
ウォールペインティングにとって重要なのは、誰でも見に行くことができ、読みやすい文字を使い、見る人にしっかりメッセージを伝えること。
Las Paredes Hablan (The Walls Speak)
2015年に当時の市長が、「世界遺産に登録されているリマ歴史地区の景観にとって悪影響」という理由で60を超えるストリートアートを無断で消してしまった。
それに反発する為にブランコ地区の住民が取った行動が機知に富んでいる。
その方法とは、ブランコ地区でストリートアート・コンテスト”Las Paredes Hablan” (The Walls Speak)を開き、アーティスト達にスペースを提供し、住民のメッセージをこめたアートを描いてもらうというもの。
そのコンテスト以降、バランコ地区はペルー最大のパブリック・アートギャラリーとしてさらに発展し多くの人々を魅了している。
アクセス
下の地図の場所辺りから散策スタートするのが良いだろう。
後は気の向くまま適当に歩いていこう。そこら中にストリートアートがあるはずだ。有名なアーティストの作品や2015年のコンテスト作品も多く残っている。
筆者たちが見たストリートアートはごく一部。時間の許す限り歩き回りお気に入りの作品を見つけよう。
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