【スペイン在住者が語る】アウトブレイク〜ロックダウン、医療崩壊の事実

コロナウイルス

はじめに

私たちスペイン、イビザ島でラーメン屋を営んでいる夫婦から

これから同じことが起きるかもしれない日本の方に知ってほしい事実です。

スペインでのアウトブレイク(感染拡大)とロックダウン(外出禁止令)、そしてコロナウイルスの現実について。(完読:3分※動画を除く)

医療崩壊の現場と患者たちのインタビュー

イビザの状況と私がしたこと

3月30日(月)-現在-

[感染者:85,195] [死者:7,340]

・スーパーマーケットは1人ずつの入場制限があり、手袋と消毒スプレーすることを店員から指示を受ける。

・売り切れている商品は卵・消毒用アルコール。(食料、トイレットペーパーなどの必需品は枯渇していない)

・マスクは元々ほとんどの場所で販売されていない。薬局、スーパーでも一度も見かけたことがない。

・出かける必要のない外出→仕事を含める全てであり、食料、日常の必需品の確保以外は控える。

・全ての支払いを停止、銀行からの引き落としを含む。

・家賃交渉はどの家庭も行なっており、私たちも交渉した。

・銀行からの融資などは早いうちに手を打てば可能性がある。

・友人の知り合いに感染者が初めてでた。

日本の感染者数と死亡者数はスペインの3月11日に近いです。今日から振り返っていきましょう。

逆時系列で何が起きたか

3月28日(土)

[感染者:78,797][死者:5982]

重要ではない経済活動の全てを禁止。

3月24日(水)

[感染者:42,058][死者:2,991]

5400人もの医療従事者が感染するもウィルスから医者・看護師を守る防護服・ゴーグル・マスク等が不足。

24時間で514人が死亡。

マドリードのスケートリンクが死体安置所に。

コロナ臨時病院

3月23日(月)

[感染者:35,136][死者:2,311]

老人ホームで老人が放置され遺体として発見

感染者が1日に4000人を超える。

3月22日(日)

[感染者:28,768][死者:1,772]

ロックダウン(外出禁止令)が4月11日まで延長された。

死者数・感染者数の増加が日々止まらないことを日々ニュースや情報収集をしていたのでやっぱりかという気持ちになった。

3月20日(金)

[感染者:21,571][死者:1,093]

3月18日(水)

[感染者:14,769][死者:638]

3月17日(火)

[感染者:11,826][死者:533]

スペインのGDPの20%に当たる2000億€をコロナウイルスの打撃の緩和に使うことを発表。

空港と港をいくつかの例外を除き封鎖。

3月16日(月)

[感染者:9,942] [死者:342]

国境を封鎖。(例外:物資と特別な理由がある人は例外。)

マドリッドではまだ若者たちがホームパーティーを開いているとのニュースが。

いくら調べても政府からの保証、免除についての具体的な発表はなく、怒りを感じました。
会計士からはアドバイスとして「状況が長引く可能性が高いので4人の従業員全てを解雇しなさい」と言い渡され、事態の深刻さを知ることになりました。

3月15日(日)

[感染者:988][死者:533]

 ロックダウン(外出禁止令)開始。

13日から14日の1日で、感染者が66%増加。3146人が5232人に。

3月14日(土)

[感染者:6,391] [死者:196]

ランチにお客さまが一人として来店しなかった。
夜の営業を中止し、店の掃除、しばらく開店しないための準備として食材を従業員に分け、夜9時には終了しました。

そのあと収入がなくなることに対して覚悟を決めたことへのお祝いと2週間後までのお別れパーティーとして隣のカフェの集まりに参加した。(日本ではぜひコレを控えてほしいです。こういったパーティーもスペインパンデミックの原因の一つになりました。)

3月13日(金)

[感染者:5.232] [死者:133]

政府から議会での承認が済み次第、3月15日(日)から15日間のロックダウンを実施すると発表された。

執行される前にたくさんの人々がウィルスを持ってマドリードを離れ他の場所に拡散させた。

マドリード市長がマドリードのレストラン、バーの営業停止を命令。

私たちは感染者の多い都市には絶対に行くべきではない、ここに留まるべきだと考えたが、知り合いの一人が休暇に合わせて、バルセロナへ向かいました。

この行動がウイルスも持った人もこの島に入って来れることを実感させました。
ここで注意したいのはバルセロナの感染者数、だけではなくここに人の往来が可能だったということ。その為にたくさんの人が国内を移動し、爆発的なパンデミックの原因の一つとなった。

ロックダウンで誰もない通り
お店の前も人が消えました

3月12日(木)

[感染者:3,146] [死者:86]

スペイン全土で学校が休校。生徒の自宅待機を要請。

サクラダファミリアが立ち入り禁止に(建築作業を含む)。

ほとんどの店が21時で店を締め始め、私たちも22時に店を締めることにしました。

3月11日(金)

[感染者:2,277] [死者:55]

WHO世界保険機関によるパンデミック宣言がされた。

感染者が拡大しているカタルーニャ地方もマドリードに続き1000人を超えるイベントの禁止に。

パンデミック宣言を機に客足が目に見える形で遠のいた。売り上げは通常の8分の1にまで下がりました。

日本の今がこの日に近い数字だと思います。

3月10日(木)

[感染者:1,695] [死者:36]

スペイン、イタリア間の飛行機が全キャンセル。

マドリード1000人を超える集会の禁止を発表。王族のフランス訪問や様々なイベントが延期または中止になる。

イビザでは夏の観光シーズンに向けて島全体が活気付き始めていました。

2月26日(水)

[感染者:13] [死者:0]

スペイン各地で徐々に感染者の発生が報告される。

イタリアでアウトブレイク(感染の爆発的拡大)が起こったきっかけとされているのサッカーのチャンピオンズリーグ試合(イタリア VSスペイン2/19開催)の観戦者の何人かから陽性反応。

2月13日(木)

スペインで初めてコロナウイルスでの死者が69歳の男性

外出自粛すべきかどうか?

最前線で戦う医療従事者への拍手(病院が戦場と化している)日本はこうならないで!

私たちは2週間の外出禁止を経験しても、コレでよかったと思っています。

想像していた以上に、外出禁止という名の軟禁状態は厳しいです。

楽しみは食べること、酒を飲むことくらいに制限されました。

会いたいと思う友人を一目見ることも出来ません。

誰かと自由に会えたことを思い出し、自由に出かけることが出来た日々を思って涙することもあります。

特に子供がいるご家庭はさらに難しいでしょう。

辛いとは思います。それでも私たちはこの現状を受け止め外出しないようにしています。

これが感染拡大を防ぐ唯一の方法で私たちの「生きぬく、周りにも映さない」意志です。

感染したら?

肺機能がおかしくなり、酸素をうまく吸えなくなります。

溺れているような状態になります。

「コロナウイルスは本当にヒドイ、一度として感染するチャンスをウイルスに与えないで」

あなたはたった一人、家族に手を握ってもらうことも出来ずに戦わなくてはならなくなります。

病人が少ないうちはまだいいです。

人工呼吸器を使いながらウイルスと闘うことができます。

病人が多くなりすぎた場合はスペインやイタリアのように医療が崩壊します。

医者が助からないと判断したら、人工呼吸器を与えてもらえません。苦しみながら、そして誰にも看取られることなく、ただ死ぬのを待つ世界が待っています。それがあなたのご家族になり得ます。

コロナウイルスの感染力は想像を絶するものです。そして感染者が死ぬ確率も高く、死なないにしても肺や呼吸器系、嗅覚・味覚に後遺症を残す人たちが多く、完治する確率が低いです。

周りの人と手を取り合って戦う

外出禁止令が出なくても外出禁止状態を自ら実施する方法を考えてその方法と勇気を他の人と共有して、会社や社会に訴えなければなりません。

本当に恐いのは、外出禁止になってお金が入らないことでしょうか?

収入がない今、私たちは周りの人たちと協力しあって、家賃の交渉をしています。

一人ではできないことも、多数が集まれば打破できることもあるのです。

私たちは絶対に感染しない方法を選択します。

そして私たちの故郷であり大切な人たちがいる日本のみんなにこれを推薦します。

会社や学校が休みになった人へ

仕事や学校がなくなったからといって実家には戻らないでください。

スペインではこの行動が感染を広げました。

コロナウイルスは感染した瞬間に発病するわけではないところが恐いのです。私も今も感染しているとは思っていないです。

それでも、感染している可能性はあるし、そして移動して自分より年上の人たちに会うとそれが感染と発病につながるのです。

あなたが感染してももしかすると発病しないかもしれない。でもあなたの父母や祖父母はあなたからウイルスを受け取り、発病し息苦しさを訴え病院へ搬送され、完治するかどうかはわかりません。

あなたとあなたの周りの人を守るための行動として自宅待機を選択してみてください。

医療従事者へ向け賛辞の拍手

ヨーロッパのいくつかの国ではこのようにある毎日一定時刻になると各家庭の窓から市民たちが医療従事者への感謝と敬意の意を込めて拍手を送ります。

自分も感染しながらも患者を回復させようと戦う人たちがいるということです。

日本にはこうならないでほしい、と私たちは心から願っています。

コロナウイルス

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