北欧のパーティーボートへ
フィンランドのオリジナリティあふれる結婚式を終えると、CarlEricの父、Carlに連れられて私たちはフィンランドの港に到着した。
ここから人身売買、されるのではない。
車ごと船に乗って、一泊してスウェーデンへと抜けるのだ。
車ごと船に乗るとは言っても、車中泊するわけではなく、きちんと部屋をとった。
お部屋自体は2段ベッドが二つある4人部屋だったけれど、今回はカップル別にそれぞれの部屋に宿泊。
部屋に入ると、何と!シャワーとトイレがついている!
しかも空調完備!当たり前か。
Carl「どう?この部屋は?」
C「・・・(笑顔で首を横に振った=言葉もでない。)」
それはアマゾンのことを思い出したからだ。
部屋はない。壁もない。ハンモック一つのスペースを4泊5日。
汚くてゴキブリのいるシャワールームを思い出した。
まあ、あれはあれで面白かったし、あんなに何もしなくていい時間なんて今後なかなかないんだろうけれど。
やっぱり、汚かったな。(笑)好きだけど。ああいう旅。
でも嬉しかった。今日は清潔なシーツと快適な空調の中で寝れるんだ!
そしてブュッフェへ。
キャビア取り放題!が売りのブュッフェを予約しに行くと、受付手前でシャンパンを売っていた。
こんな豪華客船乗ったことない。
Carlは歓迎の印にと乾杯のシャンパンをくれた。
ブュッフェの予約が済むと船内にあるDuty Free Shopへ。
酒類の税金が高いのに大の酒好きのCarlとLineはDuty Free Shopでは必ず最大購入制限量まで購入する。
今回はウイスキーやラム、ワインなどを購入した。
時間になって、ブュッフェへ雪崩れ込む。
レストランに入ると、Carlの後ろをついていき、初めて3種類もいっぺんにキャビアをお皿へ。
クラッカーは数え切れないほどの種類があって、それぞれ入ってる穀物やナッツの種類が違って、香りも食感も違う。
これは日本ではなかなか見られない食文化だな。
サワークリームとピクルスなんかを一緒に盛る!
ワインもサーバーから注ぎたい放題!
そして、いざ!いただきまあ〜す!
爽やかなのと、味が濃いのとまろやかなのと、それぞれ違う味。
Carlに習ってかなりの量を盛り付けてしまったおかげで気持ち悪くなるほど食べた。
こういう時、Lineは涼しい顔して
「私はいろんなものをたくさん食べるわ♩」
とニコニコとまたお皿に盛り付けにいく。
なんとも自由で大人な女性な感じ。
キャビアだからってがっついてはいけないよ。
お腹いっぱいになると、今度は部屋で飲み会!
ボトルのラムをみんなでグイグイ飲み、4分の3くらいを終わらせると、みんなでディスコルームへ。
酔っ払いの四人組が誰にも怒られなかったのがラッキーなほど全員ではしゃいで踊りまくった。
私は裸足になって、そこら中を走り回り。
酔っ払い四人組のその勢いは誰にも抑えることができず、それぞれ一部の記憶をなくしながら、やっとの事で2時ごろ部屋に戻った。
そして、気づいたら朝になっていて、Carlに起こされ、大量の酒で満腹状態のまま朝食へ。
明るくなった外の風景はとても美しくて、海には小さな島々が浮かび、その所々に海に面した大きな家が建っていた。
別荘だ。優雅だなあ、北欧ってのは・・・まったく。
他のどこの国と比べるに値しないほど。
別格・・・。
ストックホルム・スウェーデンからオスロ・ノルウェイへ
船から車ごと出ると、運転席に座っているCarlと乗車している私たちは背筋を凍らせる。
そこには黄色いアルコール検知器をチラつかせる検問の男がいた。
一瞬で空気が凍り付いたが、Carlは大人しく息をアルコール検知器に息を吹きかけた。
警察の男が数値を見る。
彼は嫌なことに一呼吸を置く。冷や汗がでる。
警察「よし、行っていいぞ。」
全員が胸をなでおろしながら、出発。
パーティークルーズの後に検問は無しだろう。絶対捕まる人いるんじゃないだろうか。
Ca「朝食を食べておいてよかったね、危なかった・・・。」
長い道のりだったが、二人の運転により、夜に到着。外はまだ明るかった。
この日はCarl・Lineの愛犬を迎えに行くために、2人の友達の家へ。
ここはどんな地域だとか、ここは本当に高い地域。とか、そんなことを教えてもらいながら、車で向かった。
確か、到着したのは7時前。
ノルウェイの古典的な料理も食べに行くと聞いていたから、このあとすぐに帰るのかと思いきや、そのまま散歩に出かけることに。
この家にはたくさんの犬がいた。
Carl・Lineの2人は母犬のSanthaとその息子の一匹、Togoを飼っていてここにはそのほかのTogoさんの兄弟達数匹も一緒に預かられていた。
それから私たちは全部の犬たちを連れて、ビーチへ。
奥さんの方が、オスロの海やら立地やら地形のことなどを色々と教えてくれた。
もう他の国の人たちがするようなものとは比べものにならないほど詳しく。
H氏となんでこんなにも北欧の人たちは自分の国や生活の話を熱心にするんだろうね、、、。と話していたのだが、
H氏の予想的には、「スカンジナビア(北欧)の人たちって世界政治にもほとんど関与しないし、経済的にも恵まれているから、世界経済の波にも飲まれない。
しかも物価がめちゃくちゃ高いから、自分たちの国に人が来ないことも、知られていないことも知っているんじゃない?
でもせっかく来てくれた人には惜しみなく教えたいんじゃない?」
なるほど、そうかも・・・・!
犬たちを預かっていてくれたお家の奥さんは嬉しそうに充実した生活やこの周りの環境のことを説明してくれた。
「この家からスノーボードできる山も、綺麗なビーチも、森もすぐに行けるの。
それに、この場所はね・・・・。」
色々と聞かしてくれた。
スカンジナビア(北欧)の人々は自分の国が大好きなようだ。
物価の恐ろしく高くて、雪国。
冬は暗くうつ病になりやすい、酒飲みの国・・・と認識していたが、住んでいる人たちはこの環境をもっともっと幸せに過ごしているらしい。
訪れると、住むとではやっぱり違うということだろう。
そうだ、恐ろしく高い物価について分かりやすいように説明しておこう。
エクセOシオールなんかのカフェでコーヒーとサンドイッチを頼んだとしても700~800円程度でしょう。
でもこちらでは1500〜1800円くらい。
この値段ならもっと美味しいものが食べれるだろう・・・と思う。
が、この国の人がもしも日本にきた時には「やっすぅ〜!」の声が止まらないだろう。
物価の高い国に生まれたという、人生の幸運は羨むほかないな。
金持ちの家に生まれたのとは全く違う次元の幸運だ。
国の全員が同じような高い水準にいるんだから。
そしてその後は、猫のケオス(Khaos)もお迎えに。
三匹がやっと揃って家の中は賑やかになった。
フィゲル公園へ
彫刻の公園。
今までにこんなに綺麗な公園には行ったことがない。とH氏。
私はこの公園に連れてきてもらうのは2回目。
前回来たのは夕方で薄暗くてそこまで感じられなかったけれど、今日はこの晴天だ。
何度見ても美しい公園。
しかもこの公園はドッグラン(囲いなし)もあれば、BBQもしていいのだとか。
ボール遊びもなんでもしていいのらしい。
三宿の世田谷公園みたいだけど、それよりも大きい。
ルールなんてほとんど無いのらしい。最高だ。
日本の公園ってルールあり過ぎじゃないか。
私たち夫婦は議論を始めた。
公園って子供が遊ぶための場所だったのに、今やルールだらけで、ボール遊びが出来なくて画面を見つめる子供達がいればまだいい方なんてのはおかしいよね。
「うるさい。迷惑だ。困る。」なんかのネガティブワードばかり優遇されてたら、今後の社会を背負う子どもたちはつまらないってきっと思うだろう。
やっぱり都会に住むなら大きい公園があってこんな風に自由であってほしい。
家に戻り夜ご飯を食べると、酒を飲み始めた。
みんなベロベロになるまで飲むのが大好き。
特に一番誰が飲むかって?
Line≧Carl≧H> 私
の順かな。だからまあ、私以外はほぼみんな同等に飲む。
Santhaの子どものTogo
彼らが飼っている二頭の犬のうちの一頭の名前はTogo(トゥゴと発音していた)。
以前に私たちとフィンランドのロヴァニエミで犬ぞりをしたときのリーダー犬が同じ名前で、彼のように強く賢いリーダー犬になってほしいという願いと、日本の歴史的人物、東郷平八郎という人の名前を知ったそうな。
この二つを決め手に、Togoという名前にした。
それを聞いた途端、私はTogoが東郷にしか聞こえなくなった。
そして、私が「Togoさん」と呼び始めところ・・・。
「なんかその響きいいね~、今日から彼の名前はTogoさんにしよう~!」
といつしか名前が変わった。
Togoさんは生まれてまだ8ヶ月の子犬なのだそうで、動きがぴょこぴょことしていて可愛い。甘えんぼさんだ。
大きな体なのに中身は子どもで、力の強さをわかっていないあたりが子どもなのらしい。なんでも噛みついて壊してしまう。
彼の母親、Santhaとは3年前に初めて会ったが彼女もその時はまだまだ子供ではしゃぎ回っていたが、今はもう母親として子どもたちを常に優先させていた。
母になったSanthaはもう違う犬にも見えて、ちょっと寂しく思ったりして。
勝手な話だけれど、私はまだまだ少年少女のようにはしゃぐSanthaが好きだった。
ロードトリップ
CarlとLineが計画してくれたロードトリップ。
SanthaとTogoも連れて行く。
昼前に出発して4時間、5時間くらいだろうか。やっと川べりのキャビンと呼ばれる建物のホテルに到着した。
このホテルは大人二組で泊まって15000円くらいだった。
1人、3500円くらいと考えればノルウェイでは断然安い方。だろう。
川は少し白っぽいブルーだったが、ミネラル成分のせいらしく汚れているわけではないそうだ。
美しい色だ。
買い物に出て、私の料理がすごい好きだ!と言ってくれる2人のために、鳥の照り焼きをマヨネーズ付きで出した。
ハチミツと醤油は2。酒は1の比率で混ぜれば作れると教えた。
本当はみりんと砂糖が欲しいとこだけど、まあ、無くてもね。料理は感覚だよね。
こういう料理の話は本当に楽しくて、英語でも一生懸命話そうとできる。
Carlも料理が大好きでなんでも作るから、スーパーに行くのも私とCarl、部屋に居残ってベッドメイクしたりするのがHとLineの役割になっていた。
こういう即興的なチームワークってすごい楽しいよね。キャンプしてる時みたいにその人のカラーが出て。
トレッキング
翌日にはホテルを出て、トレッキングへ。
トレッキング自体も久しぶりだったけど、ちょっとだけ冷えた空気に久しぶりに冬を感じた気分だった。
たった2、3週間の夏をスペインで過ごしただけなのに、すぐにまた、冬になった気がした。
でもノルウェイ人にとってはまだ秋なのらしい。これから雪が降り続けるんだもんね。
犬と一緒に山を登ること3時間。
この山の頂上に着いたら、ほかの山の頂上が続いていた。
このまま進んで行ったら、どこい行き着くのだろか。Carl曰く、この場所を目指して、ずっと向こうの山から何日も掛けてトレッキングしたんだ。とCarl。
この日は次の目的地へ!ということで、これを終えると更にドライブ。
車で進むと、今度はトロールが使うはしごというのが見えてきた。
グネグネの蛇行する山の上を走る道路をハシゴと比喩したのらしい。
トロールというのはスカンジナビア(北欧)の国に住む妖精たちの総称。
大きいものもあれば小さいものもいる。
そのトロールをイメージして作られたお土産がこんな風にわんさとある。
ただ、このトロール、自然の中から自分の目で見つけ出すゲシュタルト。
だから、トロールを信じないと見えない。
ちなみに私には見えた。
もちろん。本当に。
そしてCarlはこの場所に到着すると言った。
Ca「ここでウェディングドレスとスーツを着たらいいんじゃないかと思うんだ!世界のウェディングフォトの中でノルウェイは是非ここで撮って欲しいね!」
そんな風に言ってくれた。
旅を続けてきた数ヶ月のなかでフォトウェディングの場所をセレクトしてもらったことはなかった。
だから本当に嬉しくって。
Hはいつも半袖Tシャツにハーフパンツで、荷物を増やしたくないからと、普段と変わらない格好をしていたのに、今回は友人の結婚式があって衣装があるから。
と、珍しくスーツを着てくれた。
こんなにちゃんとしたスーツは予想していなかったからとっても幸せな気持ち。
私のウェディングフォト。いつかおばあちゃんになった時に目を細めながら見るのかな。
今日のキャビン
フィヨルドを目の前にしたキャビンに到着し、私は目の前にあるフィヨルドで釣りをすればシャケが釣れると聞き楽しみにしていた。
早速、CarlとHが釣りを始めると数分で「竿が壊れた!」と二人の大きな笑い声が聞こえた。
結局私は一度も挑戦することもなく終わってしまったが、
大の大人の二人が、壊れた壊れたとはしゃいでるのをLineと見ながら、笑った。
暗くなっていくフィヨルドと、外に見える他の宿の暖かい光が穏やかな気持ちにさせてくれる。
夜はいつもの通り、ワインをしこたま飲み、SanthaとTogoに話しかけたり。
みんなで話し込んだり。
疲れると私は雪崩れ込むようにしてベッドに入り、ふかふかのシーツと枕に飲み込まれた。
フィヨルド
ノルウェイで一番のフィヨルド。と呼ばれる場所へ車ごとクルージングへ。
海、だけど見た目は湖。
陸で囲まれた海に、山の上から細い細い滝が何本も降り注ぐ。
美しい、景色。
「崖っぷちに立っている家は昔、税金の取り立てをする人たちから逃れるために使われてたんだ。」
という昔話しや
「水の上に跳ねる魚は下から別の大きな魚から逃げて上に飛び出てるんだ。それを見つけた鳥が逃げている魚をキャッチ!」
結局逃げられない、ってな話を聞きながら映画Avatarにでも出てきそうな景色を眺めた。
これが4~9月ごろの短い春~秋にしか見れない、最高に美しいノルウェイの景色、の一つだそうだ。
こんな景色は見たことがなかった。
最後にフィヨルドの一部が綺麗に見えるポイント。
それから。このロードトリップの最後に、最も美しい場所の一つ。
と紹介してもらった場所。
原っぱ。そして、小川。
それだけ。
なのだけど、なんだかとても美しい。なんだかとても清潔で、おしゃれに見えた。
置いてある椅子なんかも毎度綺麗で。
この場所にはショップなんかはなかったけど、観光名所の随所で見かけるショップの建築なんかも全てが美しく、よく整備されていた。
この場所にはブルーベリーが生えていて。
自然に生えていた。
フィンランドの人のように、手軽にブルーベリ狩りを楽しんだ。
東京ではない感覚。
それから6時間くらいかかって、オスロに戻った。
次の日からは街をぶらぶらして、オスロの街を楽しんだ。
思っていたよりも大きくて、見る場所もあったし、私が思っていた以上に綺麗な街だった。
一体前回は何を見たのだろう。
ま、そうやって人は記憶を無くしていくってことだ。
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