“The Travel Story 54” -許し、愛する国- 【ブラジル 3】

BOIBUMBA

真夜中に準備

前回の章で、このパリンティンのお祭りに行くことに決まった。

あんなに嫌だった船にもまた乗らなきゃいけなくなった。

しかも、5日間・・・。

ホセが言う、この祭りの日程。


(木)出航→夕食・パーティー

(金) 夜〜朝→スタジアムでお祭り

(土) 夜〜朝→スタジアムでお祭り

(日) 夜〜朝→スタジアムでお祭り

(月) 出航→マナウスへ


 

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月曜日にまた、ここマナウスに戻ってこれる、とのことだった。

もう決まってしまった以上仕方がない。楽しむと行くか!と言うことで、ホステルで使っていないであろう、ハンモックを借りることに。

ホステルに戻ると、あの日本人女性2人がオーナーのお父さんから買ったあの、”アヤワスカ”をやったらしく、ポワンと間の抜けた顔で空を見上げていた。

南米ってそう言う場所なんだな~、何でも経験できちゃうんだな・・・。

ホセはササッとハンモックを持つと、もう11時も過ぎているのに「行くぞ!」と声をかけてきた。

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全員が客というわけではないとこが面白い!

C「もう明日でいいんじゃないの?」

ホ「いや、絶対に今日行ったほうがいい。今から行こう。」

ホセの真剣そうな目につられ、夜の港に出かけた。

すると、最悪の景色が待っていた。

写真には残したいと思えない、全長6cm以上あるかと思われる、ゴキブリ。

それから全長20cm以上はあるかと思われる、ドブネズミ。

これが、どこに隠れるわけでもなく、悠々と地面を這い回っている。

恐るべしアマゾンの生物・・・。

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そんなのもう慣れっこの人たち

アマゾンでナマケモノやワニなんて一度も見ていないけれど、これだけで生き物たちの逞しい勢力を感じられた。

ホセが船を見つけてくれ、その船の中に入ると、思っていた以上のハンモックがすでにかかっていた。

ここも、ここも、使えない!と言う状態。

まるで小学校の運動会での場所取り合戦のようにそれぞれ自分の城をここに作るぞ!と陣地を張っていた。

私たちはなんとか、スペースを見つけると二つのハンモックを引っ掛ける。

さっさと終わらせて「さあ、もう遅いから戻ろう!」と船を出ると、いつもホセが「ママァ!」と呼ぶ、あのレストランのウェイトレス2人が夜のお仕事をしているようだった。

昼はレストランでウェイトレス、夜はここでビールとタバコを売っているらしい。

ホ「一杯飲んで行こうぜ。」

ホセの元カノという女性とその友達のオネエの2人は私たちのことを覚えていてくれて、元気?といつもやってくれる。

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もちろん、彼女たちは英語を話さないので、何と無く、ジェスチャーとかで。

椅子を出してくれたけれど、もちろん、そこにも大きな大きなゴキブリさんたちが歩き回っていて、そこに死んでいるゴキブリさんがあれば、他の者が群がりに来て、それをむしっていく・・・。

もしや、人間の方が居候させてもらっているのではないかというほどの量が行き来していた。

もちろん、彼らは毎日のように見てるらしく気にしてなかった・・・。

いざ出発、パーティー

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祭りだ!祭りだ!と賑わうマナウスの港

夕方になり、ホセに月曜日は迎えに来てね!などと甘えたことを言いながら、乗船。

もうすでに、大騒ぎだった。

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レースのように船がずーっと続く

夕食を食堂でいただき、

(今回もあまり味のないチキンとファロファ入りのお弁当)

とりあえずはハンモックで休むも、上からどんちゃんどんちゃん大騒ぎの声が聞こえて来る。

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お弁当はまあまあだったな、前回の船よりはよかった

これは・・・参加しない理由はないんじゃない?と夫Hと上に上がってみると。

なんとなんと、バンドはいるわ、ダンサーはいるわ、フロアは人だらけにビールの缶!

こんなにパーティーしてたの?

そして、後ろからは何隻も明かりのついた船が!

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まだいるの?

ホセが言っていただけある。

これぞ、アマゾンのパーテイーボート!

期待のブラジル音楽

そうして、輪の中に入り込んで周りの様子を楽しんでいると、どうもH氏の顔が浮かない。

一度は放っておいたものの、あまりにもつまらなそうな顔をしている・・・。

C「どうしたの?」

H「・・・ブラジルってこんな音楽が流行ってるのかな。全員同じフリで踊ってるし、歌ってるよ。。。」

C「楽しそうでいいじゃん、老若男女混ざって。みんな笑顔だし、踊りまくってるし。」

H「いや、でもボサノヴァとかさ、、そういうイメージが。。」

C「ああ!確かにね、それは全然ないね、言われてみれば!やっぱり、アマゾンって田舎なのかね。」

H「なんかちょっと残念。。」

C「まあ、まだ先は長いことだしさ、期待しておこ!」

H「うん・・・。」

こんなに寂しそうな顔をするとは思っていなかったので、驚きだったけれど、H的にはブラジルはきっとボサノバとかサンバとかが聞ける国。

というイメージだったらしい。

確かに、ブラジル以外にボサノバ・サンバをバンドでやってる国なんてなかなか想像つかないし、あれを聴きたい気持ちもわかる。

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でも思いっきり楽しんだ!

H「それにさ、ボリビアで出会ったブラジル人の集団が「やっぱりブラジリアンミュージックが一番だぜ!」って言ってたのにさ。

これなのかな、、て。。」

C「きっと、あるよ。そういうのもあとで見れるよ!ビール、飲む?2本買うと1本付いてくるらしいよ!」

H「じゃあ3本買おう。」

ブラジル人は本当に馬鹿騒ぎを年齢も性別も関係なくやっていて、それが私たちであっても寛容に受け止めてくれていた。

こういうのってなかなか日本には無いんじゃ無いかと感じる。

お神輿とか、そういうのが当たるのかなあ。

日本てカテゴリがすごく細かく別れてしまってるから、ここはシルバー!ここはJK!ここは主婦(夫)~!こっちはオネエの!

というような、見えない壁があるように感じる。

それぞれ違いがあるのも面白いけれどね!

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赤チームと青チームにビールも衣装替えしてる!

夜まで遊ぶと、さすがにまだまだ先は長いのだから寝ようと、ハンモックへ。

今日からまたハンモックの日々が始まった。

朝食、昼食を済まし、ボヤーっとしているとどうやら目的地に到着したらしい。

お祭りの会場 パリンティン

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ほとんどの人が陸にホテルを取っているらしく、船の中はがらんとした。

私たちは一旦、あの汚くて苦手なシャワーを浴びた上で、町を散策することに。

シャワーは前回、ブラジルの西端のからマナウスまで乗った時の船よりもだいぶ清潔で、水も臭くなかったせいか、そこまでのストレスではなかった。

人間の慣れってすごいものだよ。

電波もないし、やることがない時はこんな感じで・・・笑

これまでの習慣や基本や常識はその場その場でどんどん変わって行くもんなんだなと体感した気がする。

当たり前だけれど、ここも30度越えらしく、かなり暑い。こういう地域では水上にいる方が、本当に楽なんだ。

お祭りは夜の9時だか10時だかが祭りのスタートらしい。

町を歩き始めてすぐに気づいたことが、ほとんどの物が赤と青に分かれていること。

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それは建物も、道路も、トゥクトゥクも缶ビールも、何もかもそうだった。

この祭りのためのグッズも売られているし、頭につける羽の装飾なんかもあった。

「ヨー!どっから来たんだ?」

不意におじさんに話しかけられる。

C「JAPANです。」

「日本人か!コンニチワ~はっはっは!で、どっちのチームを応援するんだ?」

C「え・・・?」

「祭りに参加するんだから、青か赤のどっちを応援するか決めないとダメだろう?」

C「はあ、確かにそうですね、じゃあ私は青い服が多いので青で!」

H「俺も~!」

「おお!いいな、俺も青だ、ボイブンバ!ボイブンバ!」

「ボ・・・・ボイブンバ!」

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もうよくわからないけれど、楽しいから、いいか~!

まちのにぎわいは延々に続いているのでは無いかと思えるほど、ずっと先まで続いていた。

悪い狼が現る

一度戻り、今度は夜ご飯を食べて、メイン会場へ向かおうとすると、、、

「コンニチハ~日本人デスカ~?ドコカラキタ〜?ボイブンバァ!」

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左から二番目の大きな人が自称:悪い狼

なかなかのレベルの日本語を話すおじさんが登場。

あまりにもにこやかに話しかけて来るものだから、通常なら無視する相手だけれど、答えた。

C「東京だよ!あなたは?どうしたの?」

「僕はここいらの出身で、祭りを見に来たんだよ。君小さいね~。子ども?」

C「子どもじゃないよ!何?」

「これからお祭り行きます?」

H「そうだよ、今から飯食べてから行くところ。」

「一緒に行きましょ~、ワタシは悪いオオカミです!ガッハッハ~」

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C「何それ、、、、いいけどさぁ、なんなのその悪い狼って・・・」

狼「日本には悪い男のことを、狼というでしょ~?」

C「そうだね、」

狼「ワタシは悪い狼です~!ガハハハ!」

これまたよく分からない人が出て来たけれど、まあいいか、だれか一緒にいる人がいてくれるのはありがたい!

ちょっと言ってること変だな~とは思っていたけれど、どうやらアニメオタクらしい。

なるほど!ガッテン小吉!そりゃ、悪い狼とか言い始めるわけだわ・・・。

奇祭と呼ばれる所以

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入場口には厳しい検査門が。
ここでは青、もしくは赤の洋服をきちんと着用してるか?を厳しくチェックされる!

この無料席は、おそらく2万人分あるらしいが、定員があり、それを超えると新たに人が出て来るまで人を入れることができないシステムらしい。

私たちも結局これに3時間は並んだ。

そして、満を持してスタジアムに入ると。。。

観客の声援も点数に入るらしく、全員ガチで大声を出して応援してる!
勝ったからといって、賞金などはない。とにかく楽しんでる、それだけなのだ!!

この熱気。

そもそも何をお祝いしているのかよく私たちは知らなくて、それだけでも訳がわからない。

けれど、この熱気は何!?

「キャー!アナタどこから来たの?

アタシ、このお祭りが大好きなのよ!もう最高!最高!もう、ワタシこれのために生きて来たのよ!

ヒャッホー!ホゥッ!!!」

オネエの方が私を抱きしめた。

あまりの盛り上がりっぷりについて行くのも大変な気持ちになった。

こちらが赤チームの演技!古典的と言われるらしい

でもとにかくこのお祭りが好きなんだよね!すごいよね!びっくりだよ!

と、飛び跳ねながら、気持ちに応えたつもりだった。

その人たちのテンションは子ども?小学生?のような盛り上がりっぷりで、これを2時間半は間違いなくやるらしい。

考えて見たことあるだろうか?

社会人になってから、フェスに行って、ぴょんぴょん飛び跳ねて、見知らぬ外国人にキスして。

ワタシは今されたよ・・・。されただけだけど、すごい開放感と多幸感!

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キスしてくれたのは私の隣のお姉さん!

こんなに素晴らしいことって無いよ!

ああ、ブラジル、やっぱりいい国だ!

私、子どもの頃、この国とキューバ人は血液型がO型ばかりで、おおらかで歌って踊るのが好きな人たちだって聞いて、多分私そっち側の人間だな。

多分、あっちに仲間がいるんだ・・・。と思っていた。

やっぱり、そうだったんだな~。

この山車の大きさ、クオリティ、本当にアマゾンの田舎町の祭りとは思えない。
もちろん職人さんの手で一つ一つオリジナルで作られている。

そして、2時間が終わると今度は後攻の紅組の攻める番らしく、青チームは沈められ、座るように求められた。

こうなると、もう興味が無い人たちは帰って行くのらしい。

私たちも一頻り見ると、疲労困憊でホテルに、違った。船に戻った。

朝3時、ようやくハンモックに乗ることができた。

寝ない!踊る!騒ぐ!遊びたいんだ!

このタイトル見たら、あああ、ちかちゃんのことか。と思う人もいるかもしれないですね。

ううん、私じゃ無いんです。

ブラジルの人たちが・・・・。

昨日のお祭りは4時、5時くらいまでやっていたらしく、人が寝静まったのは午前6時ごろ。。。

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朝3時前でこの状態。誰も寝る気なんぞない!

なのに、スピーカーを使った大音量が聞こえて来るのは午前8時!

C「なんで、そうかなあ!寝ないんかね?

しかもこの曲、昨日も聞いたじゃ無い・・てか一昨日も同じ曲歌ってたじゃん、同じようなおじさんの声で。」

H「これ、きっと同じような声出す人が何人かいるんだよ・・・。」

C「え!?そうなの?」

H「じゃ無いと、うちの船にだけ歌手がいるとかおかしいじゃん。」

C「え~!?!?じゃあ、あの何百隻とある、あの船のほとんどにあの人たちがいるってこと?」

H「それか歌手なしの船は安いとか、そんなことじゃ無いの?」

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この数日は本当にお祭りだから、寝なくても大丈夫!というような雰囲気が街全体に広がる。

C「は~なるほどね、、もう寝れないね。

H「いいよ、どうせ夕方までやる事ないんだし、適当に起きたり寝てたりすればいいんじゃない?

俺はシャワー浴びて来るよ。」

C「へ~ぃ。本当に、寝ないんだな~。。。」

よくテレビの中で「海外のOOでは三日三晩寝ずに踊り、祝うんです!」

なんて話を聞いていたけれど、本当にあったとはな~、この暑い中、本当、元気だわ。

うたた寝をしているうちに時間がすぎて生き、今日も、ヨッシャ!と出て行くことに。

アマゾンの食べ物

このアマゾンで食べられるものって一体なんだろう~?とフラフラと歩いていくと、見つけたのが、コレだ!

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ガメラ!!

いや、魚の名前はわからないけれど、コレを手とフォークを使って食べて行く。

最初に驚くのはもちろん、この顔とかたち。

なんかもう、亀?ワニ?

H「コレ、食べれるの?」

C「魚だし、、みんな食べてるから大丈夫でしょ、多分この辺りを・・・」

バキッバキッメキメキメキメキ!!!!!!

本当に、一体私は一体何を、何を食べようとしているのだろう・・・?

空いた。

カパッと外れたカバーのような鱗の中からは、想像していなかった普通の魚の身が現れた。

味は、淡白で泥臭い。

オレンジを一緒に煮て、内臓もとってあったからそこまでは気にならなかったけれど・・・・

もう一度食べようとは思えないものだった。(もう一度見て!)

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一番最初にこれを食べようとした人を尊敬する。。。

でも、ご馳走なのかもね。結構な人たちが一緒に食べていた。

H・C「Obrigado!(ありがとう!)」

提供してくれたおばちゃんたちは笑顔で送ってくれた。

ハイ!それじゃあ、次。

と食べたのが、またコレ。。

海老と薬草の入ったスープ。

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コレが酸っぱい塩っぱい!なんだこれは〜・・・。

だけど、私たちのルールで、基本的に味が無理で残すはナシ!

どうしてもお腹いっぱいで残すことはあるけれど、味が不味い、合わない!はコレは作ってる人に対してもっとも失礼だという事で、とにかく何も言わずしても食べることになっている。

結局無言で、2人でなんとか食べきった。

H「あ”ーーーーしょっぱかった。」

C「ありゃないね、、」

H「あんなん出すなよな。。。」

食べといて、散々言うのだから結局失礼・・な私たち。

ま、コレも一つの経験だ。

この後も、アマゾンの小さな町パリンティンスの奇祭、ボイブンバは続く・・・。

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