19歳、女一人でインドに行ってみた【Vol.5】

最終の日

私はタージマハールへ連れて行かれた。

記念撮影をした以外は溢れるインド人の中をかき分け一人で列に並びに行った。

タージマハールインド北部アーグラにある、ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが、1631年に死去した愛妃ムムターズ・マハルのため建設した総大理石の墓廟。インド・イスラーム文化の代表的建築だ。

大理石を傷つけぬように、汚さぬようにと靴を脱ぐか専用のカバーをつけるように促された。

それからインド人の人々は普通に列をなして歩いていた。

これについては日本と同じ文化であったため特に気にならなかった。

大理石の墓廟の中にはシャー・ジャハーンと愛妃、そして息子の棺が並んでいた。

川に死者を流すことが普通のインドに壮麗な棺が三つも並んでいることはインド人にとってもなかなかのものらしく、人々はゆっくりと見て回っていた。

中の様子を見終わると、大きな広場が広がるタージマハルの裏側に出た。
そこには大きな川が流れていた。
私は腰より少し高い位置にある舞台のようになっている場所に腰を掛けて周りを見回し、満足すると腰を掛けたままそのまま横になった。
息をついた瞬間に天井にも素敵な文様が織り成されていることに気づき、美しさのあまりそれを見つめては目を瞑ることを繰り返した。
世界遺産の上でこんなにもリラックスできるなんて日本ではなかなかできない体験だな~なんてのんびりしていた。

ガイドからは1時間後に待ち合わせと聞いていたので、ゆっくりとそこで時間が過ぎることを楽しみそしてこの旅をすることになったそもそもの理由に考えた。
インドという国が「好き嫌いが分かれやすい国だと聞いたから、その理由が何なのか見分けたくて来た!」ということだったが、特に私は好きも嫌いも感じることが出来なかった。
特に嫌でもないし、すごい良い!とも思えなかった。

 

その理由は恐らくインドについての勉強不足では無いかと私は考えた。
19歳ではそこまで深く感じ考えることができなかった。

少しモヤっとした気持ちを抱えたままガイドの元へ戻ると昼食をとり、アグラ城を見て、最後の土産物屋巡りをし、空港へ着いた。

夜の8時ごろだった。

チェックインを済ませ、空港ゲートをくぐり適当な椅子に腰を掛けて、離着陸スケジュールを見ているとTOKYO行きの電光板に「DELAY」の文字が並んでいることに気づいた。

それから数時間置きに電光板を見たが、やはり「DELAY」の文字は消えていなかった。

長い長い待機時間を一人で乗り切ると日本へ戻った。

25歳になった私が、もう一度インドに行ってみた【Vol.6】

2017年10月24日

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