■目次
NorwayからEnglandへ
最後の別れの時、CarlとLineは笑ってサヨナラを言ってくれた。
前回私がノルウェイにお邪魔させてもらった時はLineは泣いていたけれど、今回は泣かないでいてくれた。
2015年の私はもっと若くて、子供で少女のようでどこに行くのも心配されていたのを思い出した。
Taxiに乗るにしろ、この紙を見せなさいとメモ書きをもらったり。
「本当にオランダに行くの?大丈夫?気をつけてね、色々と危険があるから。」と心配されたり。
私にしたら、ここまで一人で来たんだ!大丈夫だい!だったけれど、その頃の私は英語も今よりももっと話せなかったし、危険を知らずに豪速球で突っ込みに行く馬車馬みたいなもんだった。
帰ってまたCarlの家に戻るとCarlは実の子供が戻ってきたかのように笑顔で両手を広げておかえりを言ってくれて、嬉しそうにハグしてもらった。
親みたいな年齢だしね。実際息子のCarlEricは私と一つしか変わらない。
それに何より今回は夫Hもいるから安心ってことかな。
加えて、こんなにも距離が離れている国の人間同士が2,3年に一回会えてしまっている、だから「もう会えない」という気もしないからかも。
飛行機で2時間ほど。
今度はイギリスへと向かった。
スペインから北欧、そしてイギリスまでは友人に会いに行くのがメインの旅だったから、次の目的地にもHの友人が待っていた。
BenのFamily旅行
イギリスに到着するとBenとケンタ、ヨウタが空港でお出迎えしてくれた。
会えたのは嬉しいけれど、子ども達との距離感とは難しいものだ。
女の子だったらもう少し楽に会話ができるし、勝手に話してくれるし、ある程度距離も簡単に縮むんだけど。
2人とも男の子。本当にどんな風に交流を持ったらいいのかわからなかった。
しかも弟のケンタは女嫌いなのか、私が嫌いなのか、目も合わせずに下を向いている。
突然来たおばちゃんとニコニコして適当に話とか出来ないよね。そりゃそうだ。
本当は会ってすぐにその可愛らしい顔と子ども独特の甘い香りに抱きしめてみたい!という気持ちに駆られたけど・・・。
そんなことしたら、絶対嫌われるしね、相手にしたらタダひたすらきもいだろう。
Ben「今日は9時までに宿泊先に着かないといけないんだ。だからまずそこ行って、その後Pubで飯だな。」
Benは私たちを迎えると有無を言わせずに、Road Tripへ出発した。
持ち物は全部積んできたらしい。
そしてここから Benはもちろん英語で話しているんだけど、ま~これが早くて難しい(英語初心者にはわからないような言葉で話しかけてくる)。
たくさんの人に「君の英語はアメリカンな英語で聞きやすいね。」と言われるH氏でさえ、Benの英語は理解出来ないことがしばしばなのだとか。
それでも一番の友人だとHのことを言ってくれているそう。
詰まる所、人間関係は言語だけでは出来ていないということだ。
到着すると、ダブルベッドの部屋が一つ、シングルベッドの部屋が一つにキッチンとダイニングがついた部屋が。
広い!
ノルウェイのキャビンもすごい広かったけど、イギリスのキャラバンもすごいな~と感心してしまった。
寒い国のキャンプってこんな感じなのかな。
そのあとは予定通りにPubに入った。
Pubって日本だとビールがたくさんある外国風のBarで白人がたくさんいる。なんてイメージ?
だけど、このPub。
元々の名前はPublic house。
公共の家という意味で誰もが集まれる場所。という意味合いがあるらしい。だから、子どもが来ていても別に眉をひそめられることもない。
当たり前にKid’s Menuも存在するし、騒いだり走り回っていても大した問題に思われていない。
大人達はビールを飲みながら世間話してるし、子どもは子ども同士で話したりポテトフライを食べていた。
18世紀・19世紀ごろからこの文化はあるらしい。
だいぶ日本でもこういう状況って見られるようになってきたけど、本当に誰がいてもいい状況があるって素晴らしい。
ちなみに、ご飯は・・・。
想像通りだった。
アーサーキングの城へ
朝、子供達の楽しそうな声に目を覚まされてベッドを出る。
シャワーを浴びると、「今日はイギリスの伝説の王様、アーサーキングの城に行こう!」とBen。
城跡に行くなんて、子供達にしたら何にも面白くないのだろうが、これは私たちの旅行でもある。
ケンタもヨウタも今日は悪いけど、付き合ってね。
車で移動した後、目的地まで散歩をしながらラズベリーを狩る。
北欧を旅して木の実を採りながら散歩することを覚えた私のマイブームにヨウタをつき合わせながら、一緒に「ジャム」を作る約束をした。
ベリーを自分でジャムにするなんて・・・。
「それをバニラのアイスにかけて食べよ~ね~!」
とヨウタと約束。
前を歩くケンタは完全に無視。というか嫌な顔で見てくる。
興味はあるらしいけれど、嫌な顔をして気を惹こうってんだな。(笑)
ふんふん、笑うまではこちらも近寄らないよ。
私はそんなに男の子供に慣れていないからね、私は三姉妹の次女生まれだから。
年中うるさくて、ワーキャー言ってる家にいたんだ。
城跡自体はこれと言って素晴らしい建物があるわけではなかった。だって城跡だしね。
ちょっとした石のブロックが積んであった跡がちらほらと置いてあるだけだった。
海の崖っぷちに立てていたであろう、城とその周りの景色は寒々していた。
私が覚えているアーサーは少年で、勇気が無くて。ただ魔法使いマーリンと一緒にいるようになってだんだんと自信をつけていく。そんな話だったような。
違った?
でもこのマーリンが面白い人だったのはよく覚えていて。
マーリン見たさに私はこの映画をよく見ていた。
Benと二人の兄弟達はあまり見処のないアーサーキングの城跡を見終えるとソフトクリームを購入して男3人で幸せそうにそれを舐めていた。
この日も同じキャビンに戻ると、私は唐揚げを作った。
みんなのごちそう
私が食べたかったから作った唐揚げ。
そして、この部屋が今日で終わりだから、まあまあ汚しても、構わなかろう!
と言って、大量の肉達を生姜、ニンニク、白ワイン、醤油、はちみつでつけた後に揚げて子どもたちに出した。
すると、あんなに私のことを毛嫌いしていたケンタが嬉しそうにアレもコレもそれも僕の!と自分の皿に唐揚げを盛っていた。
Ben「お前はもうたくさん食べただろう!少し遠慮しろ!」
ヨウタ「ケンタくん、ダメだよ、ChikaちゃんとHのが無くなっちゃうよ。」
ケンタ「・・・・。」
ケンタは何も言わなかったけど、盛ったものは全部食べていた。
可愛くって、むすっとしているのなんてどうでもよくなって一緒にニコニコ唐揚げを食べた。
夜、私たちは購入していた3Lの BOX Wineを大事に飲みながら過ごした。
Benは子供達を寝かしつけたら、戻ってくるよ!と笑いながら子どもと一緒に部屋に入ったが、朝まで出てくることはなかった。
それにしても8時就寝は早いなあ、これは参った。
静かにwifiも無い環境で夜を過ごす夜は時間が止まったような静けさだった。
Corn Wall コーンウォール
今日は2泊したキャビンを出て、新しいキャビンへと移動した。
Ben「次は海辺のキャビンなんだ!」張り切るBen。
今日の運転は私。初めての外国での運転だ。
国際免許を持ってきていたし、運転するのは大好きだし、ここはイギリス。
左車線通行のルールが変わらないから、いつもと同じように走ればよかった。
ただ、危ないのは狭い道。
これがなかなか厄介で右も左も常に木や岩に当たらないかと心配しながら走った。
その狭い道を抜けると見えてきたのは美しい苔と野原の世界。
野生のポニーや家畜の羊、牛なんかがたくさんが見えてきて、イギリスってのはこんなに綺麗な国だったのかと驚かされた。
Cots waltz コッツウォルズの自然保護地区
景色は延々と続いた。
そして道沿いに時折パーキングがあり、駐車してそこから歩いて散策。
動物たちは人間が来たら、恐がってこちらを見ながら、後ずさりした。
遠くから見ていると野原の葉を食みながらぼーっとしている羊たち。
イギリスは外に出れば羊がいるんじゃないかと思えるほど羊がいた。
何かのグループ分けなのか、白いその毛にはカラー剤が付いていて、グリーンと白の世界には合わないピンクや青色が付いていた。
ここに住む野生の動物たちはそこにいる以外に特に役割がないのだとしたら、それは家畜系の動物の中でも幸運な生まれだな。
夫がここ最近で読んでる本に「サピエンス全史」という本がある。
これは人間が猿から人間に分かれる前からの地球上の歴史をサピエンス(人類)を中心に書き上げられたものだ。
私たち人類は「ホモ・サピエンス」という名前の種族だが、その前には別の種の兄弟や親類がいたのだろそうだ。
アウストラロピテクス、とかネグロサピエンス、とかね。
それでもって私たちの主の名前であるホモ・サピエンスって名前、この意味は「賢い人たち」という意味なのらしい。
自分たちで自分のことをそんな風に、名付けるなんて本当に自意識過剰もほどほどにしろ!と全宇宙の生き物から言われそうな話だ。
けれど、実際にここまで発展している動物は他にんいないのだから、胸を張って私たちはホモ・サピエンスだ!と言ってもいいのかもしれない・・・。(笑)
そして、家畜についての記述でHが驚いたのは、これまで家畜になった動物たちにも、どうやら反抗的な者や好奇心旺盛な性格の者もいたということ。
ただし、そういう人間にとって厄介な性格の持ち主たちは、当然のように処分されてきた。
よって大人しく、怖がりで、行動力の無い性格のものたちだけが残り、家畜たちはを温和に生活してくれているのらしい。
人間によって飼われ、突然死を宣告され、連れて行かれて皮を剥がれて食肉になる時のあの無念の声と言ったら・・・。
私は映画の中で見ただけだけれど。
そう、考えるとここにいる野生の動物たちはおそらく自分の生を自然死で迎えるまでは特段そういった人間からの横暴な危険は及ばない。
ここに住む幸運な動物たちはやはり、のんびりとしてその恩恵のおかげか私たちに癒しを与えてくれているようだった。
海辺のキャビン
今日は海の近くにキャビンをとったんだ。とそう話していたBenのナビ設定の通りに車を持っていくと、そこには白いキャビンがたくさん並んでいて、その先にビーチがあった。
遠浅の穏やかなビーチだ。
子どもたちが砂遊びをするというので、ついていったがこれは昨日もやった・・・。
と、早めに退散して私はご飯作るからじゃあね!後よろしく~!と一抜けた。
男たちは4人でわっせわっせと砂を運んで大きな城を作っていた。
私は親になったら、自分が好きなように作ってしまうタイプだ。きっと。
一人で部屋に戻ると、窓を開けて音楽を流し、ワインをグラスに注いでから料理の準備を始めた。
そういえば3日近く一緒にいる間に子どもたちへの抱きしめたい欲も下がっていった。
彼らは彼らでお父さんに存分に甘えていたし。
毎日、起きれば「Daddy? Give me Milk! Milk! Milk! Milk!! Daddy!!!」
といった具合にね。大変だね、子育ては。
私は横で見ているだけでお腹いっぱいだ。
海辺の街 St.Ives セイントアイブスへ
海に来たんだから海に入るのかと思われるが、9月初めのイギリスはすでに寒くて、あったかいスペインを旅してきてから秋の北欧を巡ってここにきた私たちはもう、海なんか入る気にはならなかった。
イギリスの人たちも寒いのは寒いらしく、ウェットスーツなんかを来てそれでも入ろうとしているようだったけれど。
セイントアイブスの街はとても可愛いらしくカラフルなお店が並んでいて、海辺はビーチが続いているのでサーフィンも盛んなのだとか。
私たちは、そこを散歩した。
この数週間そういえば私たちはずっと人について回っていたせいで特に場所について色々と調べることもしないし、交通状況がどうなっているから交通費はいくらで、そこまでにどれだけの時間が掛かってなんてことは一つも考えていなかった。
ただ単に車に乗り、景色を見てその国の食事をする。もしくは自分で作る。
そしてここにももちろんイギリスの国民食、フィッシュ&チップスがあった。
その日の夜もBenは早くに子供たちに部屋に連れて行かれてしまった。
彼はきっとRoad Trip最終日の夜もダイニングには戻ってこないだろう。
外国では物心がついた頃には子供たちを自分の部屋のベッドで寝させる習慣がある。
大人と子供は別の部屋で寝る。それで嬉しかったのだろう。
抱きついて離さずにいるとお父さんが寝落ちするのを知っていたらしく、毎日それを実行した。
と、3日間のように書いてる内容だが実はすでに6日間Road Tripを続けていた。
Land’s End ランズエンド
要はイギリスの最南端。
なんだかこの家族たちといると、家族旅行に参加しているせいなのか、シャッターを切る回数が減る。リラックスモード?
穏やかな時間だったということだ。おそらく。
これが7日目。8日目の明日Road Tripが終わる。
それとともにBenと過ごす期間も後2日だ。
結論、Land’s Endには特段これと言ったものもなかった。
男性と子供達はアスレチックで走り回っていて、私は仲間に入ることもなかったので、一人アイスクリームを購入しに歩いた。
アイス屋さんでラムレーズンのアイスを頼むと£3。
高い。と感じた。
旅に出てしまうと物価の感覚が分からなくなる。
節制しているのもあるし、物価が低い国を選んで滞在していたのもある。
さらに先進国に来ると全てのモノが高く感じて今まで住んでいた日本の価値観なんかが遠い国のことのように思えた。
ラムレーズンのアイスはみんなと再開する前にサッと胃に入れて、走り回って遊んでいた彼らを迎えに行くと今度は急に家族3人揃って、道に腰掛けて携帯の画面にかじりついた。
何かと思って覗くとポケモン GO!だった。
お父さんも必死になってポケモンを集めているらしい。面白い親子だ。
明日は私たちが待ちかねていたStone Hengeだ。
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