“The Travel Story 2” 南の国【バンコク タイ 2 】

カオサンロードからタクシーで30分ほど。自分たちでは絶対行かないような場所まで来た。

友達の友達、”ミッキー”に会うためだ。

友達の友達

自分の「友達の友達」が海外から来た時にどんな反応をするだろうか?

本当に根っから優しい人間か、互いの友達に借りがあるやつか、あるいは今日ちょうど暇している!ならば歓迎してくれるのかも・・・。

突然きた異国の人に対して120%の精神で対応するのはなかなか難しいことではないだろうか。

しかもお互いの共通の友人がそこにいないのに!

私たちは彼に会ってすぐに彼に感謝した。

初対面でありながらハイテンションで私たちを迎え入れてくれ、「今日はどこに行きたい?パーティーしよう!」と明るく誘ってくれたのだ。

実のところフライトやムエタイなどの疲労が溜まっていたこともあり、私は早めの退散を希望していた。

が、彼の熱さと温かさには叶わず30分後にはパーティーに繰り出すことに賛成。

彼は私たちの旅がハネムーンを兼ねていることを聞くと、迷うことなくルーフトップバーに連れて行ってくれた。これでもかと言うロマンチックな場所で、写真がうまく撮れなかったのが悔しいほど素敵だった。

ビールしか飲まない!という彼は必ず店に入ると、「ちょっと待ってて!」と言って私たち3人分のビールを持って戻ってきた。

Club SWAY

なんとイケイケな上に出来た男なんだ・・・聞けば歳は27歳という。私と変わらないじゃないか・・・。

私たちの前情報は “音好き”、そして”酒飲み”とのことだったらしくそのあとはクラブに行こうと誘ってくれた。

彼がよく行くというHip hopのクラブ、そしてTechno Musicのクラブと合計で4軒をハシゴ。

彼と同じ方法で歓迎することができるかと言えば、そうはいかないが自分にできる限りの方法で歓迎する彼の姿には見習わずを得なかった。

Club GLOW

そんな親切な彼との出会いのおかげだろうか、私たちは急速に微笑みの国タイに安心感を覚えた。

親切なタイ人の英語教師

ある日私たちはバンコクでは今は使われていないという王宮が見ようと街へ。

歩いて行ける距離と確認して、もうそこに見えている建物を目指して歩いていた。

たまたま、あった電柱の地図を確認。

すると、すぐに私の元に現地人と見られるタイ人が話しかけてきた。

タイ訛りの英語だ。聞き取りにくい。何を言ってるのかよく分からない。

が、英語が得意な彼はタイ訛りの英語を一生懸命聞き取ろうとする。

なんだかしつこいな・・・嫌な予感。と思い私はその場を離れようとするも、彼はまだ話を聞いている。

そのうち、しょうがなく私もその場にとどまった。

彼がいう内容はこうだ。

「今日はタイの1年に1度の特別な日。ホリデイなんだよ!(この日は日曜日)

王様たちは王宮でセレモニーをやっているから15時までは入れないよ。

それだったらオススメの寺院がいくつかあるから、ここに行ったらどう?」

そう言って彼はメモ帳にいくつかの寺院を書いた。

そしてこう言った。

「今日は特別な日だからガソリンのクーポンが国から配られているんだ。

だからトゥクトゥク代はいらない。そうだな、30バーツでもチップを渡せばいいはず。

それにね、シルク店の商品はTAXフリーなんだ!スーツが安く買えるよ、絶対行ったほうがいいね!

それから今日は政府がやっているツアリストセンターではTAXがかからない!

どこかに行くなら絶対今日行ったほうがいい!」

そう言って訪問順にメモ帳に寺院とシルク店の名前、そして最後に彼はこう付け足した。

「俺は英語教師。だから俺はトゥクトゥクのドライバーではないよ。」と言う。

そうかそうか、外国人への親切ね!ありがとう!

私が乗っかったのをきっかけに話は瞬く間に進んだ。

横にいたトゥクトゥクドライバーの青年に声をかけ、私たちをこの2つの寺院とシルク店へ、その後王宮とツアリストに連れて行くように言い、金額は30バーツにするように!

と伝えているように見えた・・・。

タイ語はわからないし、タクシーやトゥクトゥクに現地人価格があるのは事実だったため、渋々ではありながらこのオヤジを信じた。

そして、1つ目の寺院へ行った。

怪しい部分・・・特になし。

なんだか話がうますぎないか?と二人で疑いながら行った。

そして私は彼の財布にあるほとんどのお金と全てのカードを私に渡すように話し、それらをカバンの奥底に入れた。

2つ目の寺院へ。

ドライバーの彼が言った。

「ここの仏陀様はグッドラック神様だよ。必ずお祈りしてくるといいよ!」

そうかそうか、ありがとう!と、ここでは私たちもまだまだ疑いの目を止めない。

すると・・・ここでグッドラック神様の横に男が立っており、その男が話しかけてきた。

「この神様は本当にご利益のある仏陀様だよ。きっといいことがある。」

そう言って深く頷いた。

そうか、ありがたい神様ってことね。それではいつもの感謝と今後の無事をお願いしておこう!

言われた通りに深い黙祷後に3回合掌し、その場を離れようとしたがもう一言彼は付け足した。

「君らはどこの人?この後はどこへ行くの?」

H/C「日本から来たんだ。この後は王宮と政府運営のツアリストに行く予定」

「そうかいそうかい」

彼は嬉しそうに微笑み一つアドバイスしてくれた。

「今日は特別な日だからね、ツアリストとシルク店はオススメだよ!ぜひ行くべきだと思う。」

ここで私たちは一変した。こんな通りがかりのおっさんまでが知っているんだ、きっとこの話は本当に違いない!!!

そうして信じ込んだ私たちはシルク店とツアリストへ赴き、ツアリストで10日間のプランを立ててもらった。

そしてあろうことか隠していたカードを取り出して支払いを済ませてしまったのだ・・・。

こう書き出してみると見るも無残な詐欺物語だが、当の本人たちは気づかないほどの驚くべき営業トークと小芝居のオンパレードによる華麗な物語なのである。

政府がやっていると聞いてさぞ割安なのだろうと考え、まんまと支払いをしたがツアリストの名前「T.I.T」と「 Thailand Bangkok」を併せて検索すると有名な詐欺ツアリストであることがすぐに判明した。

恐らく彼らの取り分は日本の旅行会社と変わらない程度だ。

しかしやり口の悪さに私たちは憤慨し歯切れの悪さを感じた。

とはいえ、この後の流れを見て行くと現地を知る彼だからこそ見れた景色や日本人では到底選びそうもない地域に足を踏み入れることとなる。

タイは都合よく進まないらしい。

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