夜行列車の後の3時間ほどの車で移動するとホテルに到着した。部屋はバンガローだった。
この場所について「ジャングル・山」とは聞いていたがそれ以外のことは特に聞いていなかった。
到着後周囲を散歩して回る。
まずついたら散歩。
が、散歩に出たはいいものの、周りに特にこれといった大きな通りもなく、小さな通りを抜けると国立公園の入り口に当たるか、もしくは逆側の国道に当たるためこの小さな通りしか行く場所はないことがわかった。
そして、たくさんのアドベンチャーツアーがあることがわかった。
ジャングルを楽しむ数々のツアー
毎日受付をしている様子だ。
・ジャングルナイトツアー
・ワンデーハイキングツアー
・レイクツアー
・3daysジャングルツアー
・ビッグフラワーツアーなどなど
料金は様々で500バーツからとなっていた。
ナイトトレッキングツアーもハイキングもレイクツアーも捨て難い!と考えていたが、レイクツアーは1500バーツ。高い。
その上公園の入場料金として300バーツ取られるというのだなかなかの金額。
高すぎる。まず公園の入場料が異常に高い。1,000円も取られるのか。
痛い出費だ。
仕方がないのでどのツアーに参加するか一つだけ参加しようということに私たちは会議した。
1ナイトトレッキング
⇨(たくさんの動物が見れそうだけど運が悪ければ何も見れないかも)却下。
2ビッグフラワーツアー
(意外にそんなに感動しなさそう、彼は見たかったらしい)却下。
3ハイキングツアー
(自分の足でもいけそう)却下。
4レイクツアー
(高いけどカヤックとかやりたいし良さそう!行ってみよう!)決定!
結果レイクツアーに決定し申込み。
明日の8時20分までにホテルフロントに来るようにとのことで、1500バーツ/人を支払った。
洋服は濡れないとのことで水着の着用はなし。
レイクツアー
翌日の朝8時20分過ぎ、フロントにバンが到着した。乗客はおらず私たちが最初の乗客。出発するとすぐに他のホテルに寄って乗客を乗せて行く。
バンは席が埋まると国道を走り始めた。
1時間半ほど走ってやっと湖の近くに着くと、小さな船に乗ることになった。カヤックではなく船だったようだ。
どこにもカヤックと書いていたわけではないので、私たちの勘違いだったのだろう。
そして30分ほどその小舟で湖の中を周りいくつかの島を見る。
切り立った岩の上に木が生えているといった感じだろうか。
ガリガリと削ったか、もしくはゴリっと隆起してできたのかというような日本では考えられないような固そうな岩の上に木が生えていた。
感動というより私にとっては物珍しいという感覚の方が強かった。
いくつかの島を見た後で、ランチをとった。そこではよく見るタイ料理の他に大きな魚が姿身のまま揚げられていた。
これが絶品でなんと湖で採れたものだという。身がたっぷりと厚いのに脂身が少なくさっぱりとしていた。
こういうものが食べて見たかったんだ。と満足できる味だった。
昼食をとるとすぐにまた他の島へと出た。今度は赤い土の上にある島だ。
ヌルヌルドロドロとした泥の上を歩き、さらにジャングルへと入って行く。
あらら?想像していたものと違う。Hも同じ様にこんなに濡れるの?という様な事を言っている。
そしてここでガイドから一言。
「今日は川を3本渡る。濡れたくない人はここに残ること!それと、最後に洞窟の中に入るよ!そこは胸よりも深くまで水がある。これは行きたい人だけでよし!OK?」
と、ここで少しのどよめきが起こった。私たち以外の人間もどうやらそこまで濡れるとは知らなかった模様。
だが、ガイドは質問を受け付けることなく、ツアーを開始した。
どの程度濡れるのかはわからないがここまで来たんだ。とりあえず行くしかない!
そんな気持ちでスタートを切った。
前日から強い雨が降っていたせいだろうか。川はにごり、強い勢いで流れていた。
道なき道を進むと川が現れ、滝が現れ、沼が現れとゆったりしたペースながらもジャングルは様々な顔を見せてくれた。
私たちは雨に湿って滑った泥に足を取られながら前へ前へと突き進んだ。
それにしても泥の威力はとてつもなく、大人たちの足を取って行った。
まるで泥が私たちを襲って来るかのように、一歩一歩に気を使わなければ足を下ろすことができない。
思い返して見てもこんな体験はこれまでに一度もなかった気がする。
そして、洞窟に着くと私たちは洋服のまま中へと入り、中の様子を見て行った。
真っ暗だった。水の音しか聞こえず、壁をヘッドライトで照らして見ると所々水に含まれるミネラル成分が固まっている様でキラキラと光っていた。
深いところでは胸の高さまであったが、ここでもやはり前に前に進むことに集中させられた。
日本でも鍾乳洞なんかを見学することができるが日本の場合どこも柵がつけられていて、遠目に見ることしかできない。
しかし、こちらではそういった類いのものは一切なく、直に触れることすらできた。
これも非常に貴重な体験だ。地球の地の中に入って、水の流れや壁の状態を見れる驚きの体験だった。
洞窟から戻ると猛スピードで船へと戻った。足元を確認しながら歩くため周りの景色などほとんど見れずにただただ戻った。
人がいない手付かずのジャングル。というイメージが強く残った。
何故ならばタイのほとんどの場所(国土の約70%)の森林は植林されて等間隔に植えられた木たちによる森だからだ。これは違和感がある。木は通常等間隔では並んでいない。
だからだろうか、昔からあるものを大切にしなければならない。と再認識した。
それにしても前の世代により一度失う経験をしているからだろうか?山の人やガイドはとても自然を大事にしている様子で、ゴミがほとんどないことも印象的だった。
補足
ツアーでもなんでも無いのだが、ホテルのレストランでこんな風な記事を書いている時、山では時折雨が降っていた。私は虫の声を聞きながら雨脚の奏でる音を聞いてる時間が好きだと思った。
緑に恵まれるこの土地は温暖な気候と恵の雨に授かった土地なのだと純粋に感じることができた。
その土地にあるものを愛して愛でることを大切さを感じた様な気がした。
私たちよりも長く生きる植物たち、逆を言えば私たちが作るには長すぎる年月をかけてできた緑の土地を私たちは荒らしてはいけない。守っていくべき。手をつけないべき。とそういう思いに私はなった。
限りある自然を私たちはどう守っていくことができるだろうか。
壮大な目標に感じるがこういった問題はいつも私たちのすぐそばにあるんだと思いを巡らせた。
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