ナイトクラブへ
クラブ、というと20代前後の子達が夜な夜な大騒ぎするために行くような場所!と思っている人が多いかと思うが、私たちの感覚はいい音楽にを聴いておっさんもおばさんも若い子もみんな一緒に遊ぶ場所!というイメージ。
海外では結構そういう考え方は普通。なんなら車椅子の人だっていることもあるらしい。
で、何が言いたいかというと、42歳になるH氏も行くのだ。
東京ではもう、一緒に遊びに行く友達がいないからと足が遠のいていたが、今日は友達のRiaがDJする日。
遊び行っちゃうぜ!とシンガポールで買ったブラックスキニージーンズをお召しになってMarioの車に乗り込んだ。
音楽大好き人間のRia
Riaとは日本で何度か遊んだことがある。
元々はH氏の別の友人の紹介でその友人不在の中、私たちは彼女を迎えたのだがその頃私たちは結構なクラブ通いをしていたのが幸いし、クラブで一緒に酔っ払って踊り明かした。
2度目の訪問の際には三軒茶屋のスナックで日本語講座をしながら目が座るまで飲んだりもしていたし、いい飲み仲間だ。
が、この日はちょっと様子が違った、ちょうど三茶で日本語講座をしたときに付き合ったと言っていた年下の彼氏と2週間ほど前に別れたのだとか。
かなり沈んだ顔をしていたが私たちを夕食に誘い迎えてくれた。
何も知らないMarioはやったー久しぶりの出会いの席だ!とでも言わんばかりにRiaの隣に座るとRiaを質問攻めにしていた。
ついついその状況に何の手も打たずにいるとあっという間に夕食は終わってしまった。
続いて準備があるから、と彼女の家へと向かう
彼女は現在メルボルンシティの一角にある家でシェアハウスで何人かの人と一緒に住んでるのだとか。
オシャレだし、広さもある家に暮らせるなんて羨ましいな〜と思ったが、彼女曰く収納が少ないから洋服を捨てることにしたんだとか。
で、その洋服が目の前に掛かっているもんだから、どんなものがあるんだろう〜とみてみるとRiaのセンスはかなり尖っている。
色やカラーが独特でこれなかなか選ばないねえ、と思うような古着屋のようなセレクトだった。
そして一つ一つ見ていくうちに結局私は我慢出来なくなった。
C「Ria?この服買ってもいい?」
R「なに言ってるの?お金なんかいらないから好きなの持って行きなよ。」
C「え?いいの?」
R「どうせ来週にはフリーマーケットに売るんだから好きなもの持って行ったらいいよ。」
C「あ、、ありがとう(泣)やったー!!久!くれるてくれるて!洋服もらえるて!」
どれだけ貧乏なんだと言われるような反応だが、洋服は大して好きなものなんて着れないからこういう寄付でしかも選んでいいなんて最高に嬉しかった。
H「よかったじゃん。」
そう言われるとついつい一生懸命選んでしまい、腕の中には4枚ほどの洋服が入っていた。
と、まだ選びに入ろうとしていると・・・。
「Chi〜ka〜!」
何かと振り返るとMarioがしかめっ面でみていた。その辺にしておけということだろう。
お母さんみたいな叱り方だ。なんだよ〜と思いつつも、仕方がないので諦めた。
そしてやっとクラブへ。
クラブ
身分証明として、パスポートを確認されて、カメラで顔写真を撮られた。
一応、悪いことやってる人がすぐ捕まるシステムがあるんだね。
日本よりも本格的に身元証明をさせてる感じだ。中に入るとそこは小さなクラブバーという感じだった。
パッと見大きさ的にはEN-SOFくらい? でもライティングに気を遣っているのかバー前のダイニング席は赤系、バーは青系、ブース前はカラフルに七色とエリアを分けていた。
私たちはお酒の高さにまあまあビビりながらもRiaのDJを待ちながら踊りながら時間を潰した。
いつもこういう時間は好きだけど、 友達がいないせいか緊張していたようだ。
初めての場所って結構緊張する。こういう場所だから気にすることない。
とかって意見もあるのかもしれないけど全く知らない人たちの中に入って行ってふにゃふにゃニヤニヤしてるのはなかなか大変。
というかある程度がっつり飲まないとできない。(笑)
クラブにいた人たちはシンガポールで見たハイヒールにミニスカートで腰をくねらせてセクシーアピールを繰り返す感じではなかった。
この表現って良くないのかもしれないけど、音楽好きで来てる子たちって女の子たちはスニーカーぽい靴を履いてるけどそれでもなんかおしゃれな格好をしてるイメージ。
音楽好きな女の子たちはいいセンスを持ってておしゃれも個性的。
私も東京で遊んでる時は周りの子達のセンスの良さにいつも楽しませてもらっていた。
自分はノースリーブにスキニーパンツでスニーカーというかなりラフな格好だったけどw
Riaの選曲はHouse、Tech houseだったんだけど、音楽と一緒に自分もめちゃめちゃ楽しんでる感じが最高に可愛くてカッコよかった。
もしもオーストラリアメルボルンに行く機会があればぜひ彼女のDJを聞いてみてほしい。
一緒に来たMarioさんはジーンズのお尻のところに接着剤でもついてたのだろうか?
って勘ぐってしまうほど椅子から動かずにずっと座ったまま、その辺にいる人と話していた。
時折目があうと満面の目で手を振って来てくれるので、遊園地に来たおじいさん状態だった。
もう若く無いので踊らないとのことだったがMarioより年上のH氏は気持ち良さそうに踊っていた。
要は年は関係ない。人間は踊り楽しむために生まれて来たとだれかが言っていたけどその通りだ。
Richard&Misatoちゃん夫婦
今日はワインを飲みに行こ〜!オーストラリアといえばワインでしょ!と誘ってくれたのはマレーシア系オーストラリア人のRichardと奥さんのMisatoちゃん(日本人)。
Richardは日本で見ると本当に日本人に見える。それに彼は昔日本に住んでいたこともあったせいで日本語もとっても上手。
私と話すときなんかは日本語と英語を混ぜて話している。
そして日本に住んでいただけあって、かなり日本食も知っている。
彼らの家に行ったとき、日本食が恋しいでしょ?と2人が出してくれたの献立が素晴らしかった。
納豆ご飯、梅干しにんにく、味噌汁、とソーセージを焼いたもの。
それだけで、とっても美味しくて幸せな気分になった。
そして、極め付けに海苔と醤油を出してくれたのだ。
Marioが不思議そうにそれを眺めていると、日本人の私たちの誰よりも早くRichardがそれに気づくと、海苔についての説明をしてくれた。
「まず海苔をはしでとって、それを醤油につけて、その海苔でご飯を包む!そして食べるんだ、とっても香りがよくて美味しいぞ。
それに海苔はな、梅味、塩味、みりん醤油味なんてのがあってこれがどれもうまいんだよ。今日のはノーマルだ。」
なんて話すのだ。
日本人よりも正確な説明と情熱にH氏と一緒に脱帽だった。
ワイナリーへは車で行ったのだが、乗り込むと例のように私はすぐに眠り込んでしまった。
到着すると、海辺に素敵なレストランが立っていた。
まずはテイスティングとテイスティングルームへ。
たくさんあるワインからいくつか好きなものを飲んでいいとのことで、金額は3種類でいくら、5種類でいくら、と言うような感じ。
ロゼ、ソーヴィニヨンブラン、カベルネソーヴィニヨン、メルローを試して、最後にピノノワールを試飲。
最後のピノ・ノワールを飲んだ瞬間、目が冷めるようなハーブの香りと鼻の中を突き抜けて行くフローラルでスパイシーな香りが私を包んだ。
ワインは人を幸せにしてくれる飲み物だ。
そう、だからチーズとワインは最高の組み合わせ。
レストランに行くとRichardが全てセレクトしてくれていて、結婚祝いにとロゼと素敵なおつまみをテーブルに盛り沢山頼んでくれていた。
全てが久々に食べるものでおしゃれで美味しくて最高だった。
そのあともう一軒ワイナリーへ行き、今度はスパークリングのワインをいただく。
そこでRichardとMisatoちゃんと3人だけになるシーンがあり話が始まった。
Richard「結局Chikaはどこに住みたいの?」
Chika「どこでもいいけど、オーストラリアも住んでみたいな〜、彼は先進国は難しいって言ってるけど挑戦するべきだって私は思ってる。」
Richard「そうなんだ、確かChikaはまだ30歳になってないよね?」
Chika「そう、この間28歳になった。」
Richard「じゃあまだホームステイができるんじゃない?」
Chika「そう、でも彼はできないでしょ?40過ぎてるもん。」
Misato「多分配偶者だったら同じ条件でこっちに来れるんじゃないかな?」
Chika「うっそ〜!そんなことあるの?」
Richard「定かじゃないけど、確認してみるのもいいかもな。」
それができるならとにかく働いて英語を勉強しながらさらにお金を貯めて、移住を考える時間が取れる!?などと考えていたのだが、結果はNOだった。
そううまい話もないのか、と肩を落とした。
さらにその日Richard宅に戻るとホワイトナイトというイベントへ向かった。
ホワイトナイト
お昼寝をしてからホワイトナイトへ!という予定で、それぞれ好きな場所で時間を過ごした。
RichardとMisatoちゃんの家は平家でありながら2つのバスルーム、2つのゲストルーム。
それに自分たちの部屋が2部屋ととびっきり大きなリビングダイニングルームがあったから、大人が5人集まったところでそれぞれが顔を合わさずに過ごすことができた。
そしてこの時私は与えてもらった部屋のベッドにうずくまり、考え事をしていた。
”これからどうなっていくんだろ?
ここ最近までは旅をすること、だけに一生懸命で、とにかく移動していく、観光してみる。
ということがTodoのようになって、移動移動、到着してまた次はどうやって移動するんだろう?というような感じだった。
とにかく地球の歩き方なんかも買わずに毎日調べ物をして、こうして記録をして、
Instagramも始めたものの現状では全然いいねが増えないし。
でも周りはやっぱり働いていて。これから何がしたいの?なんて何度も聞かれて。
これと言って見つかってないから、とにかく歩き回ってるんです。
って感じだけど、それもこんなことをやってたらあっという間に時間が過ぎていくんだな・・・。
旦那のH氏もこの質問については困ってるみたいだし、まだ先は見えてないし。
ああ、旦那とは喧嘩もして今回の喧嘩の内容についてはかなりショックだったし、見損なった。
ってことは、そもそもこの旅自体やめたほうがいい?私だけ戻るなら、どうするべきだろう?
生理にでもなっていたらこの思考は理解できるんだけど、
全く体の不調はないのにかなり喧嘩したことで落ち込んでて自分の行く先を考えられなくなっていた。”
悶々、悶々と考えて、結局その時は答えが出なかった。
Mario、Richard、Misatoちゃんと私たちの5人で出かけて行った。メルボルンシティの夜はクラブ以外では初めてだったので期待して行った。
音楽と映像が一緒にみれたのはこの一角くらい。
イベントの感想はRichardに聞くとわかる。
Richard「これがメルボルンよりも東京が面白いと思う理由だよ。」
そう、ちょっと退屈だった。
私が感じたのは、まずメインで予定されていたプロジェクションマッピングの会場が全て予定通り放映されていなかった。ということ。
それに音楽がないということ。
その二つが大きな問題となったようで、テンションは下がってしまった。
5つあるうちの2つの会場のプロジェクションマッピングが映らなくなってしまってたのには確かに大勢の人が熱を冷ましてしまっていたよう。
さらに夜といえばやっぱり爆音を聞きたいって気持ちもあったが、音はバンドやオカマのパフォーマンス程度でそれ以外は特になかった。
やっぱり夜のイベントは光とが重要な役割を果たすのにそれが不足してしまってるのには残念な気持ちになった。
みんなでもう帰ろうか〜と考えていると、H氏がChrisからの連絡を受けて近くの日本料理屋にいることがわかった。
日本料理屋は今や高級な食べ物の一つだが、ChrisとBellaはどうやら足りなかったというようなことを言っていた。
その店でワインをみんなで飲むと、さらに移動することになった。
Chris「ラーメン食べに行こうぜ。」
Misato「いいじゃん、行こ〜!私とんこつラーメン!」
え!?本当に?今から?と聞いたが冗談では無いそうだ。深夜12時を回っていても食べたいものは食べたいのらしい。
私とH氏以外はラーメンを頼んでペロリと食べていた。
恐るべきオーストラリア人の胃。こんな時間に食べたら気持ち悪くなるよ。
そしてメルボルンで印象に残ったことの一つがコレ。
移民がかなり多いから様々な国の食べ物を食べられる。
何しろそして美味しい店が多い。一気に住みたい街になった。
心優しいMarioと最後の日を
ホワイトナイトの夜、私はかなり悩んで、そのままその日の夜も考えた。
そして、少しだけ自分の中で答えを出した。
”彼と喧嘩して、自分のいる意味もなぜ旅しているのかがわからなくなっていたが、結局のところ旅は続けたほうがいい。
だって、誰もが体験できることじゃ無い。
今与えられた状況を、環境を、なぜ自分に与えられたのか。
自分ができることは何か?それを考え続けていくことが重要と教えてくれたのは私の友人たちだ。
ここで逃げて帰るのはそれこそ選択肢には無いはずだ。と思い直すと、私の立ち位置が見えてきた。
私はこの旅で旦那のアシスタントなんだ。
アシスタント、助手的な立ち位置からいろんなことをサポートすることが私の役割。この旅はやめない。
そしてもしやりたいことがまだ無いなら暫定で、ホステル!いいじゃない。なかなかすごい目標だ。
旅し続けながら、ホステル、ガイド、旅行会社、いろんなものを見てサービスやアイデアを貯めていけばいいじゃないか。”
そう答えが出ると、今まで彼に対してかなり冷たくなってしまっていた心が急に溶けて行った。
ほとんどの日々を一緒に過ごしたMario。
朝起きると頭を抑えながら眠れなくて頭痛だということを教えてくれた。
それなら今日はゆっくりしていれば?もう散々遊んだし私たちは十分満足してるよ!楽しかったからあなたは休んだら?と話しても
Marioに何もしないなんて選択肢は無い。
あと1時間寝たら出かけようと聞かなかった。
結局、本当に1時間ほど眠るとMarioは起きてきて私たちをカンガルーを探す旅に連れて行った。
車で家を出て30分、メルボルンシティを一望することができる丘の上についた。
なだらかな丘の上はとても冷たい風が吹いていた。
見てみると周りに見える景色はほとんど緑で、その先に少し大きめの街があって、これがメルボルンか、平たい。
その後も移動して、カンガルーを探しに行ったが見れたのは野うさぎだけだった。
それでも森の中でのんびり話をしたり、ビールを飲んだりする時間はやっぱりキラキラしていたし、こんな生活がしたい。と希望が湧いた。
メルボルンじゃなくてもいい。
車で30分のところに海や山があって、のんびりと静かに過ごせる場所が欲しい。
都心からは1時間ほど離れているのにおしゃれな雰囲気があるなんて最高だ。
日本と違うのはそこだ。
日本は表参道や代官山、恵比寿、中目黒などのエリアを離れれば離れるほど町の作りがなんか田舎臭くなる。
田舎くさいだけじゃなくていろんなカラーがあるのだろうけど、なんだか上手くまとまりが無いせいかデザイン性に欠ける。
そのせいかどうもイケてるって感じが落ちる。
だから若者がどうしても都心に集中するんだろうな〜なんて思ってしまった。
デザインや雰囲気の良さが個々の店ではなくて、町全体で作れるようになったらきっと日本のちょっとした町も再開発して無機質にまでなる必要はないんだろう。
日本の再開発=無機質化の波はいつまで続くのだろう。
オリンピックに向けてたくさんの町を、店を、潰すんだ。
きっと文化も潰れていくんでしょう。
なんかすごい悲観的だけどそんなことを思ってしまった。
・
結局、カンガルーには会えず、Marioのお父さんがコックをやっているお店に行った。
出てきたのは特大のチキンの肉にトマトソース、パイナップル、チーズが乗ったこれぞオーストラリア料理!が出てきた。
せっかくだから、と残さずに食べたが、かなりお腹の奥から出てきてしまうのではないかと心配になるほどだった。
最後はRichard&Misatoちゃんの家で3人と犬のRexyに挨拶をして、飛行場へMarioに送ってもらった。
Marioはこの2週間私たちと過ごすためにたくさん休みを取ってくれて、日々退屈しないようにと様々な場所に連れて行ってくれた。
Riaも、私たちが結婚したことをお祝いして食事に誘い、そしてスタイリッシュで楽しい夜に招待してくれた。
Chris&Bellaも、私たちをフィリップアイランドへ。そしてキャンプの時はBellaはお留守番にも関わらず私たちを温かく送ってくれて、いつも笑顔で迎えてくれた。
Richard&Misatoは私たちに懐かしい日本食をたくさん提供してくれたり、ワイナリーへ。
旦那H氏との繋がりから私も参加させてもらった今回のメルボルン滞在だったが、本当に素敵な友達に囲まれる幸せを教えてもらったと思う。
私たちも誰かが来るといえばそいえば大歓迎で楽しみにしていたけど、こんなに長い時間相手をしてもらって、お祝いをしてもらえ
私たちは本当に本当に幸せ者だな。と感じた。
もちろんこれまでに会ったフアッドやフェル姉さんも。日本で私たちを送り出してくれたたくさんの友人たちも。
最高の宝物だ。
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