2020年12月、私はイビザの自宅で娘を出産しました。
この記事では家での自然分娩を経験してみて、分かったことについて読者の方に共有したいと思います。
そのまえに。
私は無痛分娩も帝王切開もどんな出産だったとしても、それぞれに大変な経験や素晴らしい経験がある。と思っています。
ですので、自然分娩を選ばない方、選ばなかった方も一つの出産方法・思考として読んでいただけたら嬉しいです。
「出産、どこで?誰に付き添ってもらって?どうやって産むのか?」
このことについて私の学びを共有させていただければと思います。
■目次
自宅出産を選んだ理由
・病院ではスペイン語が基本。スペイン語は私も夫も話せないのでかなり不安に感じていた。私は、自然分娩を希望していたのでなるべくストレスになりそうなものを排除したかった。
・コロナ 感染症の流行で病院ではマスクをつけなければならない。これが嫌だった。
・出産後に予防注射やビタミンK、点眼薬を打たれたくなかった。
・無痛分娩を選んで帝王切開や吸引などのお産にしたくなかった。
・無痛分娩を選んで、その後の合併症などのリスクが怖かった。
・胎盤・へその緒が役割を果たしきる3時間後までヘソの緒を切りたくなかった。
・家族がいないので、病院に行く、帰るの面倒を省きたかった。
・知っている顔の中で産みたかった。
上記のような理由で家での出産を選びました。
自宅出産するにあたり参考にした本
自宅出産を決める前後には、イメージトレーニングや体の調整のためにいくつかの本を読みました。
病院で、なぜ分娩台に、仰向けにならなければならないのか?
なぜ股をあんなにも煌々と強い光で照らされ無ければならないのか?
という、疑問から
どうしたら陣痛を和らげることが出来るのか?
妊娠中=お産時に自分の体には何が起きるのか?
赤ちゃんはどうやって出てくるのか?
などの疑問を一つ一つ、読み解くことができ、
また自分の体がもつ強さを信じさせてくれた本たちです。

ニューアクティブバース
ジャネット・バラスカス著

分娩台よ、さようなら
大野明子著

オニババ化する女たち
三砂ちづる著
(本たちは日本・イビザに住む友人・知人から紹介いただきました)
家での自宅出産はどうだったのか?
1, 陣痛から出産まで
出産自体は約26時間かかりました。
出産は平均で12時間程度と言われているので、少し長かったと思います。
朝の7時に少量の破水。8時ごろにお医者さんとDoulaが来て、出産準備をしてくれました。
プールの準備や防水シーツなど。
この時はまだ、料理が準備できる程度でした。
昼を過ぎてもまだ立っていられる状態で、夜になってやっとうめき出し、それが夜通し続きました。
翌朝の7時になっても赤ちゃんが産まれず、ここでお医者さんから提案をもらいました。
「24時間経ったから赤ちゃんと母親の安全のため、病院に移動しましょう。」
夫は「え?今から?」
と驚きを隠せない様子。
私は一言も言わずに「絶対にここで産む。」と決意を改めていました。
夫がその提案を飲まざるを得ないと外出の準備をし始め、私は呻いているところDoulaに歩行するように促され、歩き始めたところ。

「赤ちゃんがもう入り口まで来てると思うの。触って!確認して!」
とお医者さんに頼み、膣の中に指を入れてもらうと。
「あ!これは頭だね! Push! Push!」
といきんでいいと言われ、ほとんど使ってしまっていたはずの力を振り絞っていきみ始めました。
何度も見え隠れする赤ちゃんの頭に手で触れながら、3回いきんで!と言われたのを1,2,3,4,5と1 ~2回多めにいきみました。
何度も見え隠れるす頭を見て、お医者さんもDoulaも夫も「もう一度!もう一度!」
と声をかけてきて、何度かそれを繰り返すと!
ボロン!赤ちゃんの頭がでた、と思った瞬間に体も一緒に勢いよく出てきました。
いきむのに必死だった私は一瞬何が起きたかわからない状態で、胸の前に持ってこられた赤ちゃんを必死で自分の腕に抱き抱えました。
産まれてきた赤ちゃんは私の方を片目を明けてみて、そのあとすぐに母乳を飲み始めました。

2,自然分娩は痛いのか?
私の場合は、痛かったです。
実は私はフランス人のDoula(妊婦・母親を教育サポートする人)に「出産は痛くない。踊ったり、ツボを押したり、自分の好きな体勢をとったりすることで痛みは感じない!とずっと教え込まれていた。
また、別の体験記などを読んでいても「痛みはほとんどなかった」と記している人があったので「きっと痛くない。」と信じて挑んでいた。
けれど、私は赤ちゃんを産むこと、母がすでに他界していて母親のイメージも母になることに対しても良いイメージができていなかった。
とにかく、子育ては大変で辛い。イメージが強かった。
そのせいもあったのではないかと思う。
後に聞いた話、リラックスすること、そしてイメージトレーニングが重要や母親の出産経験談は重要な役割を果たすとのことだった。
3, 自宅出産のメリットデメリット
【メリット】
・自宅出産を選んだ理由にも挙げている通り、病院へ行ったりきたりが無く、陣痛が始まってからずっと家にいることができる。
そのため陣痛のリズムが崩れない。余計な心配事が減る。
・分娩台に横たわる必要がない。
出産は重力を使って妊婦が縦になっている状態でするとしやすい。
が、病院では医者が子宮口をチェックしやすい分娩台に座らされ、重力の力を使いにくい。
・歩いたり踊ったり、バランスボールに乗ったり、眠ったり、マッサージを受けたりとその瞬間その瞬間にしたいポーズやしたいことをできる。
・子宮口の開き具合を2時間おきなどの規定に沿う必要がなく、自分で希望した時にのみ、見てもらえる。
・出産後、赤ちゃんが計測・軽量などで家族のそばから離れることがない。
・出産後、赤ちゃんに点眼薬やビタミンKなどを打たれることがない。
・へその緒を出産後胎盤が出てない間に切られない。
・胎盤とへその緒をどのようにしておくか決めることができる。
・産後は赤ちゃんと母親がずっと一緒にいることができる。

【デメリット】
・いざという時の医療対応に遅れが出る可能性がある。
(健康な母体と健康な赤ちゃんであれば、危険が迫る可能性は低く、病院が車で10分の場所にあるため、問題ないと考え自宅出産に挑みました。)
・鎮痛剤などを打ってもらうことは出来ない。
4,赤ちゃんの胎盤とへその緒
妊娠前、私はへその緒は子供が生まれたらすぐにお母さんのお股のしたのあたりかどこかで切られてしまうものだと思っていました。
そしてへその緒が一体どこにつながっているのかもよく知りませんでした。
今回立ち会ってくれたお医者さんにへその緒・胎盤の役割について教えていただきました。
【胎盤・へその緒の役割】

へその緒は赤ちゃんの胎盤につながっています。
そして胎盤はお母さんからの栄養を濾過して必要なものだけを送り込みます。
また胎盤は栄養の他にも、酸素を送る働きがあります。
なので、産まれた瞬間に空気をうまく吸うことが出来ない赤ちゃんでも、へその緒が胎盤とつながっていれば胎盤から+人工呼吸器からの二つから酸素を取り入れることが出来ます。
こうすることで酸素不足による脳への損傷を防げる可能性が人工呼吸器のみ、よりも高くなります。
こういった理由により、今回の自宅出産では出産後、へその緒はそのまま切らずに一緒に過ごしました。
また、インディオや東南アジアでは胎盤とへその緒を赤ちゃんの体から自然に外れるまでつけたままにするそうです。
そして、外れた胎盤とへその緒は土に埋めるとの話を聞き、私たちは自然にへその緒がへそから外れるまでつけたままにしておくことにしました。

まとめ
妊娠から出産までに病院での出産or自宅出産で様々な意見を耳にし、本でも読みました。
どの選択も間違ってないし、殿経験談も参考になるので、一体どうしたらいいのか?どれを選べばいいのか?わからなくなることが多くありました。
が、そんな時はイビザの海や空を見にいき、自問自答を繰り返し、自分の答えを導き出したました。
もう一度自然分娩がしたい?と聞かれたら
「したい。」とは思わない。とっても痛かったから。
年齢や状況・環境にもよるけれど無痛分娩は今のところ考えていません。
なぜならば、自分の体の底力を信じて、赤ちゃんの産まれてこようとする力・エネルギーと一緒に挑むのが自然分娩だと私は思いました。
そしてもともと体を鍛えたり、山を登ったりするのが好きだった私には自然分娩は合っていたのかな。と思えます。
どんな出産も赤ちゃんと母親が健康ならそれで十分だと思いますが、是非自然分娩・自宅出産の参考にしていただければ!嬉しいです。
そして、妊娠期間に協力してくれた友人知人たちに感謝を込めて。
ありがとうございます。
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