ダメーク・ストゥーパと考古学博物館で仏教の原点にふれる【サールナート・インド】

ダメーク・ストゥーパ

ヒンドゥー教の聖地、バラナシから北西に10キロの郊外にサールナートはある。四代仏跡のひとつでお釈迦様が最初に説法を行ったと言われているところだ。

同じ歴史的建造物を見るのも事前に情報を仕入れておくと断然見え方が違う。まずはサールナートの歴史から紐解いていこう。

歴史

ブッタガヤで悟りを拓いたお釈迦様は、その教えを人々に説くことを決意し、ブッタガヤから直線距離で約200キロのサールナートを目指す。

理由はサールナートには以前苦行を共にしてきた5人の旧友がいたからだ。

その5人に始めて説法を行った。この最初の説法を、初めて法の車輪が回ったということで仏教用語で「初転法輪」と言う。

その説法に感銘を受けた5人はお釈迦様の弟子になる。このようにお釈迦様が言葉によって法を人に伝えられた時、宗教としての仏教が成立した。

サールナート

サールナート・タイテンプル

サールナートとは現地の地名で、仏典では「鹿野園(ろくやおん)」と言う。

英語では「Deer park」と言い奈良の東大寺に鹿が放し飼いにされているのは、ここと何か関係があるのだろうか?また金閣寺の正式名称である鹿苑寺はここからきたのではないかと思う。

ダメーク・ストゥーパ

サールナートは遺跡公園として整備されており、その中心に仏塔「ダメーク・ストゥーパ」がある。

お釈迦様が始めて説法を行った実際の場所がダメーク・ストゥーパのあるところだと言われていて、仏教徒にとってとても重要な巡礼地のひとつだ。

元々は何もない場所だったらしいが、紀元前3世紀アショカ王が初転法輪の記念としてストゥーパを建て、仏教信仰の中心になった。現在の姿はストゥーパは増築されて出来たもので6世紀ごろのグプタ朝のもの。

ちなみにストゥーパは「卒塔婆(そとば)」と漢訳され、訳して「塔」という意味。そしてストゥーパは、その形を変えて遠く日本にも伝わり、仏教寺院の五重塔などの塔の起源なった。

サルナ-ト考古学博物館

サールナート考古学博物館

サールナートに来たらダメーク・ストゥーパと一緒にここには必ず訪れよう。

サールナートの遺跡からは、「サールナート仏」と呼ばれる仏像が多数出土し、中でも5世紀の最高傑作とも評される初転法輪像や4頭のライオン像、アショーカ王柱の頭部などが発掘されており、それらがここに展示されている。

このライオン像はコインのデザインにも使われおりライオンの台座にある法輪はインド国旗の真ん中に使われている。デリー国立博物館になるライオン像はレプリカでこちらが本物。

館内は撮影禁止なのでホームページをチェックしてどんなものが展示されているか見てみて欲しい。

サルナ-ト考古学博物館

 

ダメーク・ストゥーパ

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